言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

現場での情報共有がうまくいかない本当の理由

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受けた報告を即時に100%理解できると思い込んでいるリーダーは多いです。しかし、そんな都合のいい人はいません。共有された情報が理解できなければ情報共有は失敗します。また、都合の悪い情報をねじ曲げようとするリーダーも同様です。人と考え方を共有するのは、すごく手間のかかる作業です。自分の都合しか見ていない人がリーダーをやると、情報共有は必ず失敗します。

情報共有と言えば、定期的にミーティングを開いて報告を行えば十分と思う人が多いようです。しかし、そんな殿様仕事では知りたい情報を知ることはできません。本当に情報を共有しようと思うなら、相手と同じレベルで話せるだけの前提の情報が必要です。メンバーそれぞれが日々の積み重ねた情報のことです。これは一回のミーティング程度でキャッチアップできるものではありません。

少なくとも「俺に分かるように要点だけ話せ」という態度では、前提の情報が共有できません。こういう態度はリーダーをやっている人の怠慢です。メンバーに対してでも、お客さんから要件を聞くくらいの姿勢で情報の聞き込みをしなければ、的確に情報を把握することは無理です。情報共有という以上、双方が情報を理解できていなければ共有になりません。聞いたことに答えることばかり要求するだけでなく、自分が聞かれたことに返答する義務も当然発生します。

まじめに情報共有すると、自分に不利な情報も容赦なく入ってきます。また、いい加減な対応をしていると、すぐに相手に伝わってしまいます。そういう意味で、すごくシビアです。当然のことですが、情報が正確になると、問題点も明確になります。情報共有の利点は、はっきりした問題点に的確に対応ができるということです。そもそも、リーダーが問題解決ができないレベルの人なら、情報共有しても適切な対応はできません。

本当に役に立つのは、自分に都合の悪い情報です。ここまでは世間一般でもよく耳にする言葉ですが、実際に役に立つ情報は、聞いてショックを受けるレベルで都合が悪いです。メンバーが本当に伝えたいのはそういう情報です。そういう情報を聞いても淡々と対応できる平常心と、具体的な対策を打ち出せるだけの手段が無ければ、現場での情報共有は上手くいきません。

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