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プロジェクトにいる「無敵の人」

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失うものが何も無く、社会的な信用が失墜する事も恐れないし財産も職も失わない、犯罪を起こし一般人を巻き込むことに何の躊躇もしない。そういう人をネットスラングで「無敵の人」と言うそうです。炎上現場では、例えば営業やプロジェクトマネージャーだったり、お客さんだたりと、どんなミスをしても許されてしまう「無敵の人」が存在します。

プロジェクトの炎上原因は、だいたいこの「無敵の人」が原因です。それぞれのミスがミスとして認識されて抑止力が働けば、そうそう炎上はしません。当たり前の話ですが、特定の人だけミスをしてもスルーされるような不平等がまかり通ると、現場のモラルが著しく低下します。また、スルーされたミスの尻ぬぐいを誰かがすることになるので、プロジェクトも遅延します。

結局、炎上プロジェクトを鎮静する手段は、「無敵の人」をどう攻略していくかにかかっています。こちらには、「これ以上やるとアウト」というリミットがある状態で「無敵の人」に立ち向かっていかなくてはなりません。圧倒的に無茶な話です。当然、技術力だけでは対応できません。そこで多くの人が取る手段が、「無敵の人」に迎合して、頑張ってるふりをすることです。プロジェクトの改善を試みるよりも無難にやり過ごせます。

こういう「無敵の人」に理不尽を感じている人も多いことでしょう。しかし、彼らは転職すると簡単に息絶えます。許されていたミスが許されない立場になったら、「無敵の人」ではなく「無能な人」でしかありあせん。能力本位で勝負しなければいけない状況では生き残れません。考えてみると簡単なことです。こういう、実力本位で勝負できない人がプロジェクトを仕切っていれば、炎上するのは当然です。

実際は、「無敵の人」といっても、自分より上の立場の人に対しては無敵ではありません。むしろ弱いです。実際は「無敵の人」ではなく「無能な人」です。ただし、自分のミスで他のメンバーを巻き込むことに何の躊躇もしません。人を巻き込むことに躊躇しないところは、まさにネットスラングで言う「無敵の人」そのものです。プロジェクトで理不尽を振るう「無敵の人」と、犯罪を躊躇しない「無敵の人」は、実は非常に近い人間かもしれません。

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