現代の教育ではエンジニアは育たない
インターネットが普及して、分からないことがあればネットですぐ調べることができるようになりました。こういう時代に暗記中心の教育が通用するのか疑問に思います。学校の教育を見ていて思うのは、暗記力を鍛えたいのか、多くの情報に触れさせたいのか方針が不明です。知識に触れさせたいなら厳格にテストの点数を競う意味がありません。暗記力を鍛えたいなら、もっと特化したメソッドを導入すべきです。
数学、国語、科学など分野で分けるのではなく、○○力という観点で教育のカリキュラムを組んだらどうなのでしょうか。国語であれば、中途半端に文学作品のデータベースを頭に詰め込むより、言語力や文章力に特化して伸ばした方がいいとおいます。そもそも、言語力や文章力の無い人には文学作品の価値は理解できません。数学や科学にも同じことが言えます。基礎になる力を鍛えずに詰め込むからやってて面白くないのです。
教育において「力」こそ全てです。新人を教育しても、思考力の無い人は成長が遅いです。発想力の無い人は自分から工夫するという行動を起こしません。こういう○○力は意図的に鍛えないと身に付きません。漠然と知識を垂れ流してテストするだけでは、基本的に暗記力とちょっとした計算力くらいしか付きません。小学校六年、中学校三年、高校三年と十二年かけるなら、もっと色々な力を伸ばせるはずです。
エンジニアに必要なのは力です。目の前の課題は力でねじ伏せていきましょう。インフラエンジニア、Webエンジニア、ネットーワークエンジニア、そういうカテゴライズは関係ありません。コーディング力、構成力、論理的思考能力で突き進めばそれでいいです。エンジニアのカテゴライズなど無意味です。個人がどう思うかはともかく、時代がカテゴライズを超えていくくらいのエネルギーを求めています。
知識の詰め込みをやっていて面白くないです。コーディング力も無いのにコーディングをやってもつまらないです。まず、力を鍛えましょう。そして、くだらない比較をやめましょう。鍛えることで自分の力が伸びていく。これはものすごく楽しいことです。この楽しさを教えられずに何が教育だろうか。なので現代の日本の教育では人は育ちません。特に、エンジニアのようにクリエイティブな人種を育てるのは難しいでしょう。
コメント
仲澤@失業者
現在の情報インフラの下では、調べればわかる程度のことを覚えていてもあんまり意味は無いかもしれませんね。
ところで、プログラマには「○○力」が必要(!)には、断然「読解力」と即答してます。
まず、文章を読んだり人の発言を聞いてそれを理解できなければ何も始まりません。
まぁ自分も「メモリー上の領域は1つ以上の範囲リテラルで構成されリンク設定情報の部分を定義するディレクティブであり式で表現します」みたいなのに出会うと小一時間は固まりますけど(原文は英語)。
最近では論理的思考能力を調べるための「リーディングスキルテスト(RST)」などが提起されているようですが、全員テストしたい欲望にかられています。
通り過ぎた人
詰め込み式よりも自分で考えるように、というのは教育の場でかなり前から実践されています。ゆとり教育がいい例ですね。まさにコラムのような考え方で詰め込み式をやめて自分で考えることを重視した教育です。
結果として詰め込み式の教育より遥かに思考力が劣る生徒が増えたという声を聴きます。
引き出しはたくさんあるが中身はどれも空っぽに近い、と言われて納得しました。
思考のためには当然ですが知識が必要です。そして0の状態からある程度の水準の知識を身に着けるためには記憶力、暗記力が必要です。0から教えるなら詰め込み式が適しています。
プログラミングにしても、まずは言語の基本構文等を「詰め込む」ことをしなければコーディング力は身につかないのですから。
○○式が正しい、××式は間違いと考えているのであれば、過去の教育と本質的には何も変わりません。エンジニアであれば状況によって使い分けることの重要性を理解していると思います。教育においても同様だということに気付けないのであれば、それは思考力、発想力がないといわれても仕方ないのではないでしょうか?
もっさん
受験で必要なのは暗記力!とよく言われているけど本当かな?
まず暗記によって文字、計算式、頻出ワード、基本構造などを覚える。ここまでは確かに暗記だ。
その先に文書を読んで内容を理解する力、要約する力、論文で自分の意見を発表する力、
数学だと計算から方程式、漸化式なんてのもあれば、証明もあるし、帰納法、演繹法とどんどん
高度になっていく。暗記ものの社会も基本ができれば、その後、論述に移行するし、暗記ものの
生物や化学も最終的にミクロの世界で物理や数学と結びつく。
よく言われる受験は暗記だけ・・本当にそうですか?猛烈な受験勉強を経験した人たちなら
暗記だけじゃ太刀打ちできないなんて大昔から知られていることであって、それを知らない
家庭で育った子供は、受験は暗記力勝負だと信じ切って、受験で負けてしまう。
受験は、暗記、計算、推論、読解、要約、翻訳、推理、仮説、証明・・いろいろな知的作業の組み合わせですよ。
ちなみに工学部建築学科なんかだと、英語、数学、物理の他に美的センスを見られるデッサンの試験もあります。
暗記だけじゃ無理ですよー