言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

とある無敵な社長の話

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世の中にはいろいろな人がいます。一日五時間の仕事でもしんどいと感じる人もいれば、一日十八時間働いても平気な人もいます。もし、自分が一日十八時間はたいても平気だったらどうなるでしょう。そんな自分が想像できるでしょうか。以前働いていた会社で一日十八時間働けるような社長さんがいました。寝ている時間以外、ずっと働いているような人でした。

その社長さんが経営していた会社は、インパクトのある製品を扱っている会社でした。営業の人に話を聞くと、売り込みで苦労したことが無いとのことでした。仕事はいっぱい取ってこれるが、それをこなすエンジニアが不足していたということで、私に声がかかって入社することになりました。自分の技術を活かせるのではないかと期待していました。

その会社に入ってみて、エンジニアが不足していた理由が分かりました。仕事の振り方がめちゃくちゃでした。しかし、今から振り返るとそれが不思議に思えます。社長もバリバリに仕事ができるし、上司も仕事ができる人たちでした。これだけの知性と判断力があれば、適切に仕事を割り振ることは難しくなかったはずです。しかし、それが全くできていませんでした。

仕事の実力も十分、長時間働いてもエネルギッシュ、部下も優秀と、普通に考えれば仕事が行き詰まる理由がありません。しかし理由は簡単でした。社員一同、全員が疲れ果てていました。そして、みんながそのことに気づいていませんでした。仕事で結果が出るのでいくらでもモチベーションは上がります。しかし、長時間働くことで確実に疲れは蓄積していました。

人間というのは疲れると感情が表に出やすくなります。もしこれを表に出ないように、理性や精神力で押さえ込んだらどうなるでしょう。判断に感情が入り込んでしまうのです。こうあって欲しい、こうあるべきだという考え方が先行して、理論をねじ曲げるようになってしまいます。これはその人の持つ悪意というより、人間の性質のようです。

この経験から私は、モチベーションに任せて無制限に仕事をするのが危険だと思うようになりました。どんなロジックを用いても、高いスキルを持っていても、人としての性質を超えることはできません。まず、疲れたら適切に休みましょう。人間らしい生活の上に人間らしい思考は支えられます。この基本的な仕組みは外さずにいたいものです。

Comment(2)

コメント

仲澤@失業者

前を走るトラックから白いワンピースを着た女性が飛び降りる。
という経験をしました。
もちろん見たのは幻です。疲れてました。
あわててハンドルをきったりしたら事故って死んでいたと思います。


その時は体の震えが止まらず、全身にぐっしょりと嫌な汗を書いていたことを覚えています。
今でも思い出しては戒めにしています。

Horus

> 仲澤@失業者 さん
私は夢の中で見た幽霊が起きた時に目の前にいたという経験があります。ちょっとしたやりかたを使ってお帰りいただき、そのまま寝ていたことがあります。

・・・いや、本当ですよ。

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