組み込み系システムに3年、オープン系システムに7年。徹夜がこたえるお年頃。独身貴族から平民へと降格したホリは、墓場へまっしぐらなのだろうか……。

結婚して変わったこと(2)~驚くほど物欲減少

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(注)今回のコラムはまったくITエンジニアとは無関係である。

 生々しい話で恐縮だが、結婚するには金がかかるのだ。披露宴に新婚旅行、新居への引っ越し、新しい家具、そして日々の生活費。独身時代であればすべて自由に使えた給料が、そうもいかなくなるのが結婚である。

 そう、誰もがその落差に驚く恐怖の“お小遣い制”である。

 本コラムの読者で既婚者の方々の中には「自分で全部管理するからべつに変わらないよ」という人もいるかもしれない。給料の中から奥さんに生活費だけ渡し、あとは全部自分の好きなように使う。理想かもしれないが、うちはそうではないのだ。最初が肝心だったのかもしれないが、うちは奥さんに財布の紐を握られてしまったのである。

■独身時代の欲求■

 独身時代はものすごく物欲が旺盛だった。というか、人間の三大欲求自体がかなり旺盛だったかもしれない。あれやこれやと趣味に金をかけ、頻繁に飲みにくり出す。安いチェーン店の居酒屋に行けばいいものを、小洒落たところに行ったりもする。

 消費欲求と物欲が高まれば、当然高いレベルの収入を求めてしまうのだ。もっともっとと上を目指すあまり、転職サイトを見て自分の年収を査定してみたり、学生時代の同級生と話をすると、すぐに年収の比較になったり。いま考えれば、浅ましいことこの上なかったのである。

 そんな物欲旺盛な男が結婚し、お小遣い制になるといったいどうなるのだろうか。

 小遣いではまかないきれずに、こっそり消費者金融に手をだすのか? はたまた、手っ取り早く増やすことを夢見て、ギャンブルに手を染めるのか? もしくは、勝手に家の生活費に手をつけるのか?

 答えはそのどれでもなく、流されるまま柔軟に対応できてしまうのだ。

■驚きの現実■

 ボーナスが支給され、さぁ、何を買おうかと考えた時、ふと気づいたのだ。小遣いというのはひどく個人的なものを買うときにだけ使うもので、それ以外のものは、すべて家計から出ることになっているのだ。

 独身時代に主に使っていたのは、

  • 飲み代
  • 食費
  • 趣味
  • 買い物

 これらは実は結婚したことにより、こうなるのだ。

  • 飲み代:結婚してからとたんに飲みの誘いが減少。ゆえにほとんどなし
  • 食費:昼食は手作り弁当。夜は自宅で食事
  • 趣味:2人共通の趣味は家計から、それ以外は小遣い
  • 買い物:奥さんの強烈な査閲を通過できれば家計から

 人間というのは自分が自由に使えるお金から何かを買うと満足するのだ。それが家計から出るとなると満足感はないのである。

 結果として、家計から出るお金は物欲を満たしたと感じないのだ。元をたどれば入り口は同じはずなのに、なんだか人のお金のような気がしてくるのである。となると、家計で買ったものは自分のモノという認識が希薄となり、自然にその欲求も減少してしまうのである。

 何かを買ってもそれはホリ家のもの。何かを買おうとしても、「すぐ必要じゃないから、別にいいか」となってしまうのである。

 独身時代には決して満たされることがなかった物欲が、結婚したとたんに格段に減少したのである。

 恐怖のはずのお小遣い制でやっていけるのは、ただ巧妙に飼いならされ、マインドコントロールされているだけなのだろうか?

 過去のコラムに、自分が気づかなければ手のひらで転がされていても良いと書いたが、この件も同様だ。

 物欲が減少し、何に対してもガツガツすることがなくなったホリは、いつの間にか、肉食から草食系男子へと品種改良されていたのかもしれない。

 続く

Comment(2)

コメント

sara

はじめまして。コラムニストのSARAです。
なーるほど!
目からうろこです!
そうやって私の職場の既婚者の方々も月3万円で生活しているんですね。
私も結婚はしていませんが同棲しだしてからずいぶん出費が減りました。

ホリ

>saraさん

はじめまして、コメントありがとうございます。

結婚する前は、絶対にこの給料で二人生活なんて無理だ!
と思ってたんですが、やってみると意外とできるもんですね。

奥さんがうまく、やりくりしてくれているだけかもしれませんが…(^^;

良いのか悪いのか、趣味にかける時間が減ったのも
少ない小遣いでやっていける理由かもしれません。

たまにはじけたくなりますが、物欲だけは本当に減少しました。

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