現実のオフィスは、ドラマのように華やかではない
「開発部なんで、1人ずつパーティションで区切られた、広いスペースで開発しているのかと思いました」
これは新入社員がうちの部門に配属されて言った一言だ。思わず「外資系じゃないんだから」「海外ドラマの見すぎじゃない?」と言ってしまったのだ。希望に満ち溢れた新入社員は、会社のオフィスとはこうあるべきだというイメージができあがっていたのだ。
東京に居を構える企業にとって、オフィスの広さは悩みの種だろう。広いスペースを用意すればそれだけコストがかかり、開発費の増加へと繋がっていく。必然的に社員たちは、東京の住宅事情と同じく、狭っ苦しい場所へと押し込まれることになるのだ。
■用途にあわせたフロアレイアウト■
うちの部門は開発部ということで、書類作成や事務作業を行うフロアと開発フロアの2フロアがある。ほかの部門と比較すると、2倍のスペースを占領していることになる。どちらも狭いスペースに押し込まれていることに変わりはないが、事務フロアと開発フロアでの居心地が大きく違うのだ。
事務フロアは、よくあるタイプの机が向かい合わせでいくつか連なってグループとなっている。そのグループが効率よくスペースを使えるように、まるでパズルのように隙間なく組み込まれているのだ。そのために背中合わせの席両方に人が座っていると、間を通ることができないことになる。それほど、無駄なくスペースを有効利用? しているのだ。
開発フロアも狭いことには変わりないが、机よりもサーバラックや特殊機器が、わがもの顔で場所を占領しているために、開発者たちが隅っこにおいやられているといったほうがいいだろう。どちらのフロアもドラマの世界からは程遠い光景だ。
■良いフロア、悪いフロア■
事務フロアも開発フロアも仕事をするうえで多くの時間をすごす場所だ。同僚とのコミュニケーションを円滑にするために、長時間を過ごすフロアというのはとても重要な意味をもっている。
結論からいうと、事務フロアはコミュニケーションが円滑ではなく、開発フロアは自然と良好な関係が築けるようになっていたのだ。
事務フロアは高さをあわせた机が連なっているだけなので、隣の人とは何の仕切りもないはずだった。目の前にディスプレイがあるのはしょうがないが、それ以外は、本来なら開けたフロアであるはずだった。それが、なぜかパーティションもどきがいつのまにかできあがっていたのだ。
事務で使うPC本体は足元に置くのが通例だった、しかし誰が始めたのか、いつの間にか机の上の右側か左側に置くようになっていた。このPC本体による擬似パーティションで、隣の人との壁を作っているのだ。
クリエイティブな仕事なので、壁に囲まれていた方が集中できるというのは分かる。中には隣の人に見られたくないことをやっている不届き者もいるのかもしれない。しかしこのことが、隣人とのコミュニケーション阻害要因になっていることは間違いないのだ。
■開発者同士の距離■
開発フロアには擬似パーティションは存在しない。サーバを机に置くなんてことはスペースの無駄遣い以外のなにものでもないからだ。結果的に隣人との距離は近くなる。狭いフロアでサーバ類優先のレイアウトのため、開発者の密接度は高いのだ。
同じ仕事をする開発者が隣にいると、気軽に話しかけることができる。ペアプログラミングではないが、相手が今何をやっているのか、瞬時に判断することができるのだ。何か悩んでいればアドバイスすることもでき、コーディングに熱中していれば、話しかけずに集中させてあげる。何か調べものをしていれば、一緒に調べたり。相手との距離が縮まると、良好なコミュニケーションが築けるのだ。
今までの経験上、開発者同士の関係が良好なプロジェクトはかならずうまくいく。もしかしたら、もともと良い関係の人たちだから近くにいても問題なかったのかもしれない。しかし、事務フロアよりは明らかにコミュニケーションは良好なのだ。
壁がないとくだらない雑談にも花が咲きやすい。海外出張のハプニング話に盛り上がり、気づけば2時間話しこんでいたのはここだけの話である。
コメント
つまらん
貧乏人がくだらないこと言ってる。
生産性低いから貧乏なんだよ。
くだらない仕事しかできないことを正当化するな。
くだらん
>貧乏人がくだらないこと言ってる。
>生産性低いから貧乏なんだよ。
>くだらない仕事しかできないことを正当化するな。
くだらないコメントですね。
こんなことを書きこむヒマがあったら、"生産性の高い"仕事でもしたらどうですか?
ホリ
コメントありがとうございます。
真剣に受け取るつもりはありませんが
コメントは読ませていただきました。
削除するのもなんなので、このまま残しておきます。