組み込み系システムに3年、オープン系システムに7年。徹夜がこたえるお年頃。独身貴族から平民へと降格したホリは、墓場へまっしぐらなのだろうか……。

パワーバランス

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■夫婦間のパワーバランス■

 なぜこんなタイトルにしたかというと、最近特にパワーバランスを意識し始めたのだ。それは言うまでもなく夫婦間のパワーバランスのことだ。

 ある日、奥さんからうちの主導権はどちらが握っているのかという話がでた。僕はその時何の迷いもなく、直感的に7対3だと答えた。もちろん僕が7である。これはうそ偽りなく僕自身が7だと感じたからそう答えたのである。

■プロジェクトにおけるパワーバランス■

 何をもって主導権かというのは定義が難しいかもしれない。人によっても感じ方は変わってくるだろう。プロジェクトの主導権であれば通常トップのプロジェクトマネージャが握っているはずだが、たまに異なる場合がある。

 それぞれ担当分野の利害関係(責任回避とも言う)から会議は紛糾し、最終的には発言力のある人の意見が通ったりもする。会議前の裏取引、それはまるで政治世界のように巧妙に繰り広げられる世界だ。それらの妨害からプロジェクトのパワーバランスを守るため、PMは汗をかくのである。

 プロジェクトの力関係は会議中に明らかになる。発言力の強い人が主導権を握る場合が多々ある。必ずしも最適な案ではないが、声がでかく、押しが強い人の意見が通る場合がある。その人の地位に限らず(まぁ、たいていそれなりの地位にいる人なのだが……)強引に決まってしまうのだ。

 こうなってしまうと、この力関係を覆すのには相当な労力が必要となってくる。正論に正論を重ね、理論武装するしかない。ただ、稀にそれすら通用しない人もいるから注意が必要なのである。自分の意見が通らないと気がすまないという人もいるのである。

 最適なパワーバランスとは、お互いが牽制しあい、1人の独裁者が権力を握らないということだ。やっかいな独裁者がいた場合はどうするのか?

 高等テクニックだが、声のでかい押しの強い人の意見が通っていると、本人に錯覚させるのも手かもしれない。

■真のパワーバランスとは■

 さて、夫婦間のパワーバランスで理想的なのは5対5なのだろう。当然、プロジェクトではないので見えない部分での駆け引きはないと思っている。しかし、もしかしたら本人が思っているだけで、実際の力関係は違うのかもしれない。

 新年の集まりで夫婦間の主導権の話が出たとき、周りの夫婦はだいたい6対4で奥さんの方が主導権を握っていると言っていた。その時、ふと考えたのだ。うちだけが特別なのだろうか?

 いや、違う。今思えば、僕が7対3と言った時の奥さんの表情は、

 「本人が7対3って思ってるんならそう思わせとけばいいや。実際は違うけど」

 的な鼻で笑うしぐさをかすかに感じたのである。

 すべては思いすごしで、事実7対3の主導権なのだろうか? それともただ手の上で転がされているだけなのだろうか……。

 まぁ、僕自身が7対3と思っているのだから、それでいいと納得することにしよう。たとえ高等テクニックを使われていたとしても、それに気づかない僕自身の単純さに、感謝すべきなのかもしれない。

 続く

Comment(4)

コメント

sakimotok

主導権が誰にあったとしても、自分の思うように物事が進めばそれでいいや的な感じですかね。

ホリ

>sakimotokさん

コメントありがとうございます。
夫婦間の主導権で言えば、今のままで満足です。
例え真実が違っていたとしても…。

マトリックスで言うところの赤いピル(真実が見える)は
飲まないタイプです(笑)

kiyo

夫婦間で主導権という言葉の定義が違っているってこともありそうですね

私は、以前「男女間の友情は成立するか」という話題を彼女と話したことがありますが、今にして思えば友情の定義が違いすぎてかみ合っていませんでした。

赤いピルを飲まないという意見には大賛成です(笑)

ホリ

>kiyoさん

コメントありがとうございます。
男女間の友情。これまた夫婦間の主導権以上に定義が難しそうですね。

でも、へたに定義を決めようとすると。

「また理系はすぐそうやって…」
と言われてしまいます。(笑)

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