資格をとるのは若手の仕事?
■家庭をもつ管理職は忙しい?■
会社では責任ある立場で忙しく仕事をし、家に帰れば奥さんの愚痴を聞く。土日は家族サービスでフラフラとなり、あくる日からはまた仕事が始まる。
疲れた表情で月曜を迎え、八つ当たりのように独身社員たちに仕事の指示をする。
これは、独身時代の僕がもっていた、家庭を持つ管理職の勝手なイメージだ。そのころは、「そりゃあ、資格の勉強なんてする暇ないなぁ」と思っていたのである。さらには、自分もそうなるのでは……という若干の恐怖心もあったのである。
某資格試験の結果が先週の月曜日に出た。結果は見事合格。去年落ちているので2年越しのリベンジである。しかし、昔ほどの喜びはない。結果がでたということで満足感はあるのだが、身についたという感覚はないのだ。
■資格を取る時期、取らない時期■
新人のころであれば、未熟な知識を補う上でも資格を取るというのは手っ取り早く、また周りも資格を取れと進めてくる。それが4年たち5年たつと、次第に言われなくなってくるのである。
これがうちの会社の特徴なのかわからないが、資格を持つ持たないに関わらず若い人ほど資格を取れと言われるのだ。すでに資格を持つ若手には、さらに上位の資格を取ることを勧めるが、何ひとつ資格を持たない管理職にそのようなことは一切ない。
若い時期なら頭が柔らかく知識も吸収しやすいからか? それなりのポジションにつくと忙しくて勉強する暇がないからか?
おそらくはこの両方なのだろう。
この業界に10年いると、いつの間にか僕自身も中堅となっていた。忙しさで言えば、ある程度の限度は見えてきたような気がする。同期やそれ以上で資格を取る人は数える程度しかない。確かに若い頃よりは物覚えも悪くなり、時間的余裕も少ないかもしれない。しかし、それはIT系の資格に限り、今までの経験を活かすことで補うことができるのだ。
今回の試験でも、ある程度経験則から導き出した答えもあった。そういった意味でも、年齢やポジションで資格を取る取らないというのはないと考えている。要は本人のやる気しだいなのだ。
■くだらない制度■
すごくくだらないことなのだが、うちの会社には資格のノルマというのがある。年間通して部内でいくつか資格を取らなければならない。資格の難易度は関係なく、単純に資格の取得数なのである。
そこで決まって指名されるのは若手社員たちだ。のほほんと指示だけする管理者層を見ていると、本来一番資格を取るべきはずの人たちが何もしない。この状況になんとなくだが苛立ちを感じていたのだ。
結婚すると独身時代のようにはいかない。家に帰ってからの生活がガラリと変わるのだが、それを言い訳にはしたくない。
「結婚したから、これから資格とるのも大変かもね」なんてことを言われたのだが、意地でも来年また何か資格をとってやると、1人で勝手に熱くなっているのである。
続く