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衝動的に始めるFLOSSプロジェクト(9)~CloudCore VPSの開発者支援制度を利用してみよう Part.1~

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【Intro】

 KDDIウェブコミュニケーションズが、「CloudCore VPS」というサービスを開始しました。これ自体はよくあるVPSなのですが、「開発者支援制度」というサービスが提供されています。

 今回、私の「Risoluto」というプロジェクトでこの制度を利用することになったので、その課程をご紹介したいと思います。

 なお、私はKDDIウェブコミュニケーションズの回し者でもなければ中の人でもありません。あくまでこの制度を利用する1ユーザーとして、公開された情報に基づいてこのコラムを書いています。記載内容には十分気を付けているつもりですが、事実誤認をしている箇所があったり、皆さんがこのコラムを読んだ時点では状況が変わっている箇所があるかもしれません。その点はご了承ください。

【開発者支援制度とは】

 この「開発者支援制度」では「開発コミュニティへのサーバ提供」(CloudCore VPSの無償提供)だけではなく、「勉強会用の会場提供」としてKDDIウェブコミュニケーションズさんの会議室を提供してもらうことが可能です。詳細は先のリンクをクリックして確認していただくと良いかと思いますが、なかなか太っ腹です。

 ただし、無条件に提供されるというわけではなく、ある一定の条件が設けられています。この制度を利用するには、事前の審査が必要なのですが、その審査基準が明示されています。

  • 3名以上、参加メンバーがいるコミュニティを管理していること。
  • コミュニティ管理者が明確であり、いつでも連絡が取れること。
  • 四半期に一度以上、Webもしくはなんらかの形でコミュニティ活動をしている事を弊社が確認できること。

 この中で一番のネックになるのは、「3名以上」という点ではないでしょうか。個人で細々とやっているプロジェクトであったり、始めたばかりのプロジェクトでは、そこそこ高いハードルになるような気がします。サイト上には「利用条件の目安」と書かれているので、場合によっては3名以下でもサーバ提供してもらえるかもしれません。しかし、いい機会なので一緒に開発コミュニティを盛り上げてくれる仲間を探してみるのもいいかもしれませんね。

 それ以外の条件ですが、普通にプロジェクトを運営していたら楽々クリアできるものだと思います。少なくとも、意識して活動すれば大丈夫でしょう。すでにsourceforge.jpなどを使って活動をスタートさせているなら、なおさらでしょう。

【なぜ私は開発者支援制度を申し込んだのか】

 私はすでにsourceforge.jpのサービスを活用してプロジェクトを運用しています。このように申し上げると、わざわざ「開発者支援制度」を追加で利用する必要性がないように思われるかもしれません。そこで、「なぜこの制度に応募しようと思ったか」という点について軽くお話ししておこうと思います。

 一番の理由は、「sourceforge.jpのWebホスティングサービスが窮屈であった」という点に尽きます。sourceforge.jpが提供しているサービスは、ほとんどの場合において必要十分なものです。しかし、インストールされているソフトウェアのバージョンなどの環境構成は、私が「使いたい」と思うものとは、若干の差異があります(これは仕方が無いことですが……)。

 私は以前から、「RisolutoのWebサイトを私好みの環境で運用したい」と思っていました。一応、自宅サーバも運用しているので、そこでホスティングするのは簡単なことです。しかし、「自宅サーバであるが故に安定性が保障されない」というデメリットがあります。それに、DDNSでの運用ですので、まがりなりにも公式サイトを運用する環境としては不適切に思えました。……まあ、実害はないでしょうし誰も困らないでしょうからね ;-)

 かといって、有償のサーバをレンタルするのも考えものです。このプロジェクトからは収益を得ていませんので、毎年出費があるのは許容できませんでした。そんな中、私のワガママをかなえてくれる制度が登場したので、飛びついたというわけです。

 副次的な理由として、「このVPSサービスの評価ができる」という点も見過ごせません。お仕事でこの手のVPSを使用する機会が多く、いろいろな情報を普段から収集しています。しかし、実際に使ってみないことには分からないことも多くあります。実際にサイトを運用してみて、サービスの使い勝手を知ることができるという意味でも、この制度は非常に魅力的なものでした。

 以上の理由から、私はこの「開発者支援制度」に飛びついたというわけです。

【申請してみよう】

 では、早速申請を行いましょう。

 CloudCoreのサイト( http://www.cloudcore.jp/ )にアクセスし、ページ上部にある「CloudCore VPS」のバナー(下図赤枠部)をクリックします。

Pic01

 ページ上部(または下部)にある、「開発者支援制度」と書かれた部分(下図赤枠部)をクリックします。

Pic02

 ページ上部にある「開発者支援制度のお申し込みはこちら」のバナー(下図赤枠部)をクリックします。

Pic03

 登録フォームに必要事項を記入します。ほとんどの項目は悩むことがないと思うのですが、一部項目について、簡単に補足しておきますね。

 「コミュニティの活動内容」にはできるだけ具体的に記入するようにすると良いかと思います。sourceforge.jpのプロジェクトページなどがある場合は、それらも併せて記入しておくと良いのではないかと思います。

 開発者支援制度では、サーバ提供と会場提供の2種類のサポートを提供しているということは前回お話ししました。どちらを希望するかにより「サーバ無料提供を希望」と「会場提供を希望」のどちらか(両方希望するなら両方に)に記入します。記入する内容としては、「それをどう使いたいのか」という点を簡単にまとめて書いておくと良いのではないかと思います。

 私はサーバを使いたかったので、「サーバ無料提供を希望」欄に「自分がやってるプロジェクトの公式サイトホスティング、ならびに開発環境として使用したい。将来的には、プロジェクトで使うメールサーバとしての利用も検討している」といった内容を記載しました。

  記入し、約款をよく読んで内容に同意したら、「確認画面へ」ボタン(下図赤枠部)をクリックしましょう。

Pic04

 入力内容を確認し、「送信する」ボタン(下図赤枠部)をクリックすれば申請は終了です!

Pic05

 私が実際に申請したときと、入力フォームが多少異なっているので、今はフローが異なっているかもしれません。私の場合、この後は下記のような流れでした。

  1. 申込みを受け付けた旨のメールが届く。
  2. 審査結果の通知。利用が許諾された場合は、登録情報を記入するためのテキストファイルが添付されるので、それに必要事項を記入し返信する
  3. 「注文書」がメールで届く(システム上自動送信されるためとのことで、利用料金が課金されるということはない)。
  4. サーバ設定が完了した旨の連絡が届く(接続情報なども併せて記載されている)

といった流れでした。私の時は申し込んでから一週間ちょっとで使えるようになりましたが、今は本サービスの方が「申込み殺到につき、新規申込み一時停止中」な状態なので、もうちょっとかかるかもしれませんね。

【Outro】

 この記事を書いている時点で、私自身はすでにサーバを使用可能な状態となっていますので、次回は、実際の管理コンソールなどがどうなっているのかをご紹介していこうかな……なんて思っています。

 この開発者支援制度ですが、12/7に「開発者支援制度 Information Meeting」というイベントがあるようですので、ちょっと遊びに行こうと思っています。何か面白いネタがあったら、このコラムでご紹介したいな~なんて思っていますので、期待せずにお待ちいただければ幸いです。

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