シリコンバレーで現役デバッガやってます。

BUG002 - 「シリコンバレー」は見つかりませんでした

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 こんにちは、elcaminorealです。さて、今回から見るのも嫌なバグレポート形式でシリコンバレーに日々発生するバグについてお伝えしたいと思います。

 初回からいきなり深刻そうなタイトルのバグのようですが、ご存じの通りシリコンバレーという言葉はカリフォルニア州北部のある地域の俗称であって、市や町の公式な名前ではありません。「シリコンバレー駅」というのはありませんし、「シリコンバレーまで何キロメートル」のような親切な道路標識もありません。どこへ行けばシリコンバレーなのか、その中心はどこなのか、まったくもって適当です。ということで今回は基本的な地理をおさらいしておきましょう。

 この地域、どこまでを指すのかも人によってかなり差があります。もともとは本当に狭い一画を指していたようですが、近年のIT関連企業の増加に伴ってどんどん拡大し、だいたいサンフランシスコとサンノゼという二つの大都市の間に挟まれた細長い地域を指しているようです。北端から南端まで約60キロメートル少々、東京から江ノ島とかつくばくらいの距離感と言ったらつかみやすいでしょうか。遊びなら日帰りできるけど、毎日通勤するにはちょっと面倒くさい、という微妙な距離です。この間を4車線もあるのに万年渋滞な高速道路や電車、ではなくてディーゼルな鉄道が貫いているのですが、その中で最初に作られた旧街道がエルカミノリアル、という今では何でもない生活道路です。

 この細長い地域、「サンフランシスコ半島」という半島の東側にあります。地図を見ればそのまんまですが、この半島はちょうど右手の手のひらを下にてOKサインを作ったときの親指のような形をしています。親指の左側が太平洋で、親指と人差し指の間がサンフランシスコ湾です。シリコンバレーと呼ばれる細長い地域というのがちょうど親指の右半分、といったところです。湾の周りを小学生でもがんばれば登れる程度の山並みが囲んでいます。GoogleやFacebook辺りの海辺のオフィスから湾を見渡すと、何というか島がない(橋はあります)瀬戸内海のようなのどかな感じだと想像していただけると分かりやすいと思います。サンノゼ市の姉妹都市が岡山市だそうで、それも頷けます。

 この辺り、冬は雪が降るほど寒くはなく、夏は日本のように蒸し暑くなく、暑さ寒さが苦手なエンジニアには完璧な気候ですが、なぜかほとんど1年中花粉症シーズンなのが難点です。少し車を走らせればスキー場もあり、絶景のビーチもあり、国立公園もあり、だだっ広~いアメリカ大陸の中で、大都市の近くでこんなに変化に富んでいるところは実は本当に特別な地域です。

 次回はこのシリコンバレーをざっくり幾つかに区切ってそれぞれの特徴を捉えたいと思います。それではまた。

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