BUG003 - ようやく新橋に追いついてきたシリコンバレー
こんにちわelcaminorealです。さて今回は前回に引き続き地理のおさらいをしましょう。この南北約60キロメートルの細長いシリコンバレーをかなり勝手にざっくり5つの地域に分けて、それぞれの地域の社風を捉えてみたいと思います。同じ東京でも大手町に昔からある会社と六本木にあるベンチャーでは社員の服装から社食のメニューまでずいぶんと違うように、ここシリコンバレーにある同じIT関連企業といっても地域によってずいぶんと雰囲気が変わります。
お堅い「丸の内」
まず東から順に、前回の親指の例で言うとその親指の付け根に当たるサンノゼから始めましょう。この一帯はシリコンバレーの名前の通り、最も初期に半導体関連やPC関連メーカーが集まったところです。サンノゼやその隣のサンタクララにはIntelをはじめとした半導体関連産業や、DellやCiscoのようなハードウェア関連企業が多く、シリコンバレーの一帯でももっとも「お堅い」企業が多いところです。工場や倉庫が併設された巨大箱物オフィスが多くみられます。ざっくり東京で言えば東京の顔、東京駅前の「丸の内」といったところでしょうか。
質と量の「渋谷」
さて、その西隣りへ進むとマウンテンビュー、サニーベール、クパチーノといった近年のIT業界ニュースでよく聞く名前の一帯に入ります。今をときめくGoogleやAppleのあるエリアであり、前述のサンノゼに比べるといわゆるネット企業が多いところです。このあたりはもともと住宅が多かったのですが、ITバブル以降急速にIT、ネット関連企業が進出し、住宅街とおしゃれな企業キャンパスが混在した妙な町並みになっています。現在のシリコンバレーを質、量ともにけん引する花形エリアであり、東京で言えば「渋谷」としておきましょう。とは言うもののその一方で、世界中からやってきたIT関連のエンジニアが多く住むこともあって、世界各国の食料品店やレストラン、英語以外の読めない看板があったり、よくわからない地区でもあります。
閑静な「青山」
その西隣りがパロアルトとメンロパークです。かの有名なスタンフォード大学があったりしてちょっと独特のアカデミックな感じが漂います。パロアルトの商店街は他の町とは一線を画したオシャレな雰囲気で、閑静な住宅街は目玉が飛び出るほどお値段ビックリな地域です。ここまで来ると元々は何ら半導体産業とは関係なかったはずのエリアですが、現在ではFacebookを頂点としてITスタートアップ、いわゆるベンチャー企業が次々に進出しています。きっとここから生まれた企業が未来のIT産業を支えていくことでしょう。東京で言えば、そうですね難しいところですがここは「青山」とでもしておきましょう。
交通便利な「品川」
そこからさらに北西へ進むとサンマテオ、サンブルーノです。海外からの玄関口であるサンフランシスコ空港があります。この一帯はサンノゼとサンフランシスコに挟まれて静かな雰囲気ですが、ここまで来るとBARTとよばれる、地下鉄とゆりかもめの中間のような電車があり、サンフランシスコへ通勤する住宅地が広がります。このあたりは交通が便利な割りにまだIT産業に食い荒らされず、土地が残ってるという感じですが、そこに目をつけたのか最近は企業の進出が多いようです。そういえば、最近本格的にシリコンバレーに拠点を立ち上げたソフトバンクもこのあたりにあります。交通の便がよくこれからの発展に期待、ということで「品川」としておきましょう。
そして最先端は「新橋」か？
最後に親指の突端であるサンフランシスコ市内に入りましょう。ご存知の通りビジネスだけでなく観光地としても大きな都市ですが、IT企業、特にTwitterやFitbitのようなベンチャーが進出するようになったのはここ数年です。最近の若いエンジニアはサンフランシスコ市内のいわゆるワンルームマンションのようなところに住んで、車は持たず自転車やバスで通勤し、仕事の後は町のおしゃれなバーやらカフェで過ごすのがトレンドで～す、のような記事がよくありますが、よく考えれば東京なら何十年も前からサラリーマンやOLが毎日（毎晩）やってきた至極当前の話です。東京で働いていた人間から見るとなんでもっと早くここでシリコンバレーが始まらなかったのか不思議でなりません。ともかく現在は車通勤の私にとって、仕事帰りに運転を気にせず飲みに行って思いっきり憂さ晴らしできる生活はもはや夢のようにうらやましい限りです。ということでここはサラリーマンの聖地「新橋」としたいのがやまやまなのですが、若者に人気ナンバーワンの街だそうで「吉祥寺」としておきます。
いかがでしたか？このように広いシリコンバレーといっても地域によってずいぶんと雰囲気が変わります。もし皆さんがシリコンバレーに何か縁があって地名がでるようなことがあれば、ああそういう感じなんだなと思っていただければ少し身近に捉えやすいかもしれません。それではまた。