請負での開発しか経験していない筆者が、クラウドに迫る!!

はじめての電子書籍

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■電子書籍初体験

 先日、オライリー・ジャパンが東北関東大震災の被災者支援キャンペーンとして、同社の電子書籍を通常の半額で販売し、その売上を被災者支援にあてる、という取り組みを実施していた。
 わたしもそのキャンペーンに賛同し、数冊の書籍を購入させていただいた。実は、遅ればせながらの電子書籍デビューである。

 今回は、わたしが電子書籍初体験で感じたことなどを書いてみたいと思う。

■電子書籍のステキなポイント

 オライリー・ジャパンからわたしが購入した電子書籍は、PDF形式だった。PDFのビューワーは、今やあらゆるプラットフォームで提供されており、大抵のデジタル機器で読み取ることができる。これは実に便利である。

 PDFファイルをオンラインストレージに保存しておけば、インターネットに接続可能なあらゆる端末で書籍を読むことができる。具体的にわたしが利用した機器は、自宅PC、会社のPC、iPad、スマートフォンである。

 職場の休憩時間にPCで読む。通勤中にスマートフォンで読む。自宅でプログラムの学習がてらPCで読む。布団に寝転んでiPadで読む。それぞれ手元にある機器を適宜利用するため、物理的に普段の持ち物に何かがプラスされることはない。すなわち、かさばらない、ということだ。
 また、電子書籍は検索に優れている。特に技術書などであれば、キーワードから該当のページを探し出したい場合が度々ある。そのような場合、紙の書籍は巻末の索引などを引いて探し出すのが常であった。しかし電子書籍であれば、Webページ内からキーワードを探し出すように、ビューワーの検索機能を使えば良い。一瞬で目的のページにジャンプすることができる。
 このように、電子書籍には、様々なメリットがある。

■電子書籍の残念なポイント

 一方で、電子書籍はまだまだ発展途上の分野であるので、改良の余地もたくさんあるだろう。続いて、わたしが感じた不便な点をご紹介しよう。

 さきほど、わたしは様々な機器をシチュエーションに応じて使い分け、それを用いて読書したと書いた。実はその中で少々困ったことがあった。端末を切り替えた際に、どこまで読んでいたのか分からなくなるのだ。通勤電車の中でスマートフォンで読み、電車が最寄り駅に着いたので一旦閉じる。帰宅後、PCを起動して続きを読もうとしても、スマートフォンとPCのビューワーは当然連動などしていないので、前回どこまで読んだかを自分で探さねばならない。

 また、わたしは本を読む際は気になったページに手当たり次第に付箋を貼るのであるが、この付箋も端末間で共有できればよいのにと思う事があった。

 このあたりがクラウド化され、電子書籍をしおりや付箋ごと雲の中に保存することができれば、利便性は向上すると思う。

 また、書籍を読むにあたって、最初のページから順に読み進める場合もあれば、エッセイなどは章ごとにランダムに読みたいこともある。わたしなどは軽い読み物であれば、パラパラと適当にページをめくり、ふと目についた見出しの章を読む、という読み方をする。電子書籍では、この「本をパラパラと適当にめくる」ということができない。電子書籍ビューワーは、シーケンシャルなアクセスは手軽にできても、ランダムアクセスに弱いという欠点がある。

 この「パラパラページめくりモード」のような機能がビューワーに実装されれば、電子書籍の手軽さは増すように思われる。

■電子書籍の今後に期待

 ここまで長短いろいろ述べてきたが、電子書籍の今後の進化には大いに期待している。
 かつて、音楽のダウンロード販売が始まった際、わたしはCDのように綺麗にパッケージされ、歌詞カードを眺めながら曲を聴くという世界から離れる日が来るとは想像もしなかった。

 それが、今ではわたしは音楽をCDという形で購入することはほとんどなく、もっぱらダウンロード購入ばかりである。

 おそらく、電子書籍もそのようになるだろうと考えている。近い将来、わたしの部屋を埋め尽くす大量の「紙の本」がすべて電子化される日を想像しながら、寂しさとワクワクする気持ちを同時に持ちつつ、電子書籍の発展を応援したい。

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