可能か不可能かは別として、面白いこと中心に書いていきます。

Webサイト構築の現実

»

 前回のコラムでは、“オブジェクト指向的に考える”という題目で人材採用のことを書きますと書いたんですが、しっかりとした内容をお届けしようと思い、少々時間がかかっています。次またはその次にでも書くことができればと思っています。

 本日は、もう1つの業務での事を。

■とあるコーポレートサイトの案件にて

 これはWebディレクション業務を行っていた時のこと。

 とあるコーポレートサイトの案件があり、クライアント先へ。

 「CIやVIも含めて、自社のサイトを一新したい」

 「どのサイトにもない、画期的なものを作りたい」

 サイトを一新して、会社の発展に貢献するようなものにしたいという担当者の方の熱意が伝わってきます。私もその熱意を受け、自身としては大げさですが、二人三脚でこの案件に取り組みたいという気持ちを伝えました。

 自社のサイトであれ、積極的に取り組んでいただけるクライアントばかりではありません。時には、「好きにやってよ」くらいの、非常に困った案件もあります。コーポレートサイトもそうですが、「ペルソナ」的な要素もしっかり取り込んでいかないといけませんし、掲載する内容はすべてクライアントにいただかなくてはなりません。提案という形で何かをお出しすることはあっても、最後はクライアントの要望に基づき、構築していきます。

 「じゃあ、頑張りましょう!」

 ということで、予算の話に。

 認証機能やFlash等と、CIやVIを含めて出した見積もりを持って再度クライアント先に。

 開口一番に、

 「えっ! こんなにかかるの!? 50万でできるでしょ!」

 お断りしました。

 金額がどうというより(もちろん金額も重要ですが)、“Webサイト”というものに関しての認識がまだまだなんだ、ということを再確認した出来事でした。

 今もそのサイトは、以前のままです。

■納期と理不尽

 当然のことながら、Webサイトにおいても納期があります。

 それが例えば、BtoBおよびBtoC向けのものであれば、なおさら、厳守しなければなりません。商品やサービスがいつ提供されるというのと同時公開でなければ、そのクライアントのビジネスに多大な影響が出るためです。もし遅延が発生したら、責任問題に発展することもあります。おまけに短納期のものが、どちらかといえば多い気もします。

 とある案件での話。

 案件が発生したときは、納期のちょうど1カ月前。その中で詳細の詰めと見積もり、設計をほぼ同時に進行させ、スケジュールも立てないといけません。

 システムで行われているアジャイル(的)なものも同時に作り、クライアントとデザインやレイアウト、掲載内容のFIXをしていかないと間に合いません。

 それと、クライアントからいただく内容をいつまでに提供してもらい、テストアップはいつか、正式アップはいつの何時という細かなスケジュールを含めて、“何時、何をすべきか”のコンセンサスを取ります。

 しかし。

 大抵そのような約束は守られることなく進行し、納期は絶対ということを強いられます。そのことを見越して、スケジューリングは必ずバッファを含めていますが、そのバッファを過ぎてからようやく(データで作成した)スケジュールを確認します。納期の最終日はクライアントもつきっきりで対応してくれますが、場合によっては大幅にデザインや内容変更が発生することも。

 挙句、「お宅の対応が悪いんだから仕方ないでしょ」と、理不尽なことを言ってきます。

■どうすればいいのか

 極論になりますが、Webサイトの構築もシステム開発の工程と非常に似ていると思います。

 見積もりを提示したときによく言われるのですが、成果となるもの以外の見積もり項目については理解できないし、支払えないので、説明してくれと。

 例えば、ディレクションや進行管理費、通信費等といった、Webサイトとどう関連しているのかが分からないような項目に関しては、SEが行っている領域に当たりますので、WebディレクションはSEであるという視点で、システム開発に置き換えながら説明をすると、ITの会社なら特に納得をします。

 どんな案件でも(もちろんWebサイトも含め)、要件定義や設計、ものづくりのための進行管理、運用後のサポートに至るまで、形や名称が違えど、共通しています。

 もちろん、ユーザービリティやSEO、デザインなど、Webサイトにおいて大事なことがありますが、だからといって、Webは分からないという考えで他のものと区分けされてしまうと、クライアントにいわれるがままの案件として、物事が進んでしまうと思います。

 相手の立場になって話をすることで(例え話的に、相手の事業などに置き換えて)進めていくと、比較的スムーズに進むのではないかと思います。それを起点にして、SEOだったりデザイン的な価値だったり、CMS化して検索により引っかかるように作り替えるなどのサービスを提案していけば、制作する会社としても価値の確立が可能になってくるのではないかと思います。

 それが本来のCSではないかと思うのです。

 日々研鑽です。

----------------------

【関連サイト】

●ペルソナデザイン

 ペルソナデザインドットネット

●SEO

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する