SEからコーチング業界へ転職した筆者の体験を元に、コミュニケーションの楽しさをお伝えします。

“話し上手”より“聴き上手”

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 こんにちは、小南です。

 シルバーウィークはいかがお過ごしでしたか? わたしはのんびり過ごす予定だったのですが、友人との食事(飲み?)、友人の結婚式とあっという間の5日間でした。

今日は、『聴く』をテーマに取りあえげてみたいと思います。

◆“聴く”のって意外に難しい……

 コーチングの勉強を始めて最初に学んだことが“聴く”ということでした。

 「人の話を”聴く”なんて、簡単」

と、思っていたのは大間違い。

 自分では気がついていませんでしたが、わたしは、典型的な人の話が聞けないタイプの人間でした。人と会話をしているとき、わたしの頭の中には常にこんな思いが渦巻いていました。

 「次に何を話そう」

 その理由はさまざま。

 仕事であれば、「できる人だと思われたい」「すごい人だと思われたい」「賢い人だと思われたい」「人を説得したい」などなど。

 友人との会話であれば、「どうしたら自分の考えを理解してもらえるか」「どうしたらあたしの気持を理解してもらえるか」「どうすれば……」。

 相手が誰であれ、どんな場合であれ、自己主張をすることばかりを考えていました。

 当然、人の話なんて聴いてはいません。音としては聞いていますし、話を聞いているふりもしている。

 けれど、上記のことで頭がいっぱいで、相手の話を聴くことよりも自分の話をすることにばかりに意識がいってしまう。

 そんなわたしでしたから、最初は相手の話を“聴く”のが辛くてしようがありませんでした。

 失敗も多々ありました。

 コーチングをはじめたばかりの頃、会話の相手から「それちょっと、うざいんだけど……」といわれたこともあります。さすがにこれはショックでした。

 いま振り返ってみると、かなりわざとらしい聞き方をしていたので当然なんですけどね。

そして、何度もの失敗と、小さな成功体験を重ねながら、少しずつですが、人の話を聴くことができるようになっていきました。

◆聴いていただけなのに?

 いまでも話をすることは好きですが、どちらかといえば“聴く”ほうが楽だし、なんといっても楽しい!

 考えてみてください。話すことは、自分の情報を相手に提供すること。聴くことは、相手に情報を提供してもらうこと。

 そう考えると、“聴く”ほうが得だと思いません?

 D.カーネギーの「人を動かす」という本の中で、著者がこんなことを書いていました。

 “相手の話をただただ興味深く聞いていただけなのに、相手は非常に感動して、わたしのことを「とても話し上手な人」だと褒めた”と。

 コーチングの仕事を専門にしていた頃、わたしも同じ体験をしたことがあります。

 コーチの役割の1つは、クライアントの話を引き出すこと。基本的には話すのはクライアントで、コーチは聞き役に徹します。だからほとんど話しはしないのですが、あるときクライアントからこう言われました。

 「小南さん、話が上手ですね」

 わたしはほとんど話をしていないのにも関わらず、“話上手”と、言われたのです。面白いと思いませんか?

 もし、機会があったら、あなたの周囲を観察してみて下さい。

 オフィスでも、電車の中でも、カフェでも、居酒屋でも。果たしてどれだけ、人の話を聴いている人がいるでしょう? なかなか面白い光景が観られるのではないかと思います。

 もともと話が得意でない方。ぜひ、そのまま聞き役に徹してみてください。自分のことを話したい人は沢山いるのですから。

 そして、以前のわたしのような方。たまには、試しに聞き役に徹してみてはいかがでしょう? 興味深い体験ができるかもしれませんよ。

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