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ストロークの法則でメンタルヘルスケア

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 こんにちは。

 今度JRから出る「ツーデーパス」という切符に惹かれていまして。5000円で関東地方から福島、新潟、長野などの県まで行けるらしいです。しかも、青春18きっぷと違って、特急券等を買うのもOKだとか。

 これを知ってから、またどこかへ行きたくなりました。実は1人旅が好きでして。過去には「青函トンネルをくぐりたい!」と思って北海道まで電車で旅行したり、「東海道本線を制覇したい!」と思って18きっぷで神戸まで行ったり。さすがに18きっぷで神戸へ行った際は、帰宅後、過労で高熱出してダウンしましたが……。オフ会が目的で、という事もありました。いずれにせよ、何らかの目的を持って1人旅をするのが好きなんです。オススメの旅行先とかありましたら教えてくださいね。

■まずは前回の補足

 本題に入る前に、前回のABC理論に関して皆様からいただいたコメントを見て、もう何点か書きたくなったので、補足をさせて下さい。

 まず、ABC理論はイライラの元となる「イラショナル・ビリーフ」に反論する、という流れではありますが、「この考えを変えるのは今は無理!」という場合もあるかと思います。どうしても考え方を変えられないなら無理に変える必要はないのではないか、と個人的には思っています。マインドフルネスの考え方のように、その気持ちを受け入れることができれば、精神的に落ち着くのではないでしょうか(認知行動療法的には、間違った考えは何とかして変える必要があるようですが……)。

もう1点。前回の例では、電車内で騒ぐ子供に遭遇してイライラしてしまったという例で書いていきましたが、イライラという感情が起きてしまったら、考え方を修正した方がいいのではないか、ということです。それくらいではイライラはしない方もいらっしゃるかもしれませんし、そういう方でしたら子供たちに注意もできるのではないでしょうか。イライラしてしまったときに注意をしても感情的に怒ってしまうだけですから。

■ストロークとは

 さて、本題です。相手と良いコミュニケーションが行える一例として、ストロークの法則というものについて書いていこうと思います。確か、メンタルヘルス系のe-ラーニングで学びました。

 まず、ストローク(stroke)を辞書で調べると、「一撃」とか「ほめる、おだてる」とかと出てきます。心理学的にいえば、「他社に対する自分の表現」とのこと(Wikipediaより抜粋)。もう少し分かりやすく書くと、他者の存在や価値について、「わたしは、あなたのことをこう思っていますよ」ということを伝える、言葉や行動の事を指します。

 「こう思っている」の内容は、大きく分けて、「いいと思っている」と「悪いと思っている」の2つです。更に、それぞれについて「無条件で、そう思っている」と「こういう理由で、そう思っている」の二つに分けられます。まとめますと、

  • プラスの無条件ストローク (あなたは素晴らしい!!)
  • プラスの条件付きストローク (○○だから、あなたは素晴らしい)
  • マイナスの条件付きストローク (○○だから、君はダメなんだ)
  • マイナスの無条件ストローク (君はダメだな!!)

 以上の4つに分けられます。当然ですが「プラスの無条件ストローク」を相手に与えるコミュニケーションが最良のコミュニケーションです。例えば、ある仕事で良い結果を残した人がいるとします。その人に対して何と言って褒めますか。「何も言わない」(マイナスの無条件ストローク)は論外です。

例1)「やればできるじゃん」と言う

 「やればできる」だと、言われた側は、言葉の裏を取って「あの人は自分のことを『いつもはできていない』と思っているんだ」なんていうように思われかねません。これはマイナスの条件付きストロークで、アウトです。ほかにも、

例2)「君はがんばっていたからね」と言う

 褒めているには褒めていますが、「がんばっていたから褒められた→良い結果を残さないとがんばっていると思われない」と思われる可能性があります。これはプラスの条件付きストロークです。最良ではない、というところでしょうか。一番良いのは、なんやかんや言わずに

「良くできたね」

で良いのだと思います(なんやかんやは、なんやかんやです。某ドラマではないですが)。これがプラスの無条件ストロークで、これを交換することで良い人間関係が築ける、とのことです。

■アイムオーケー、ユーアーオーケー

 この根底にある概念は、「人はみんなOKである」という精神です。理由など必要ないんです。自分を認め、相手を認め、みんなを認める。「アイムオーケー、ユーアーオーケー」というやつです。そう考えると、ガッツ石松さんのように、何を言われても「OK牧場」と答えるのは、メンタルヘルスケアとしても良いものなのかもしれません、と思ってみたり。といっても、さすがに今回のコラムのタイトルを「ガッツ石松さんでメンタルヘルスケア」とはしませんでしたが。

■ストロークの法則とは

 無条件で相手を認め、プラスの無条件ストロークのやり取りをするコミュニケーションについて書きました。ここまでの話を「ストロークの法則」としてしまっても良いかもしれませんが、厳密に言うと、これは「ストロークの法則」ではありません。「ストロークの法則」とは、

「人はプラスのストロークを欲するが、充分に得られない場合はマイナスのストロークを得ようとする」

というものです。母親に充分に相手してもらえないと感じている子供が、わざと駄々をこねて悪戯に走り、「何で言うことが聞けないの!」と母親が激怒するシーンが、その一例です。「自分に注目して!!」という内容のシグナルを発信してしまうのです。悪い事をしてでも。

 ストロークの法則には、更にもうひとつの法則があるようで、それは、

「人は条件付きストロークを与えられ続けると、無条件ストロークを受けるに値しない人間だと思う人になってしまう」

というものです。テストで高得点を取らないと褒めない親とかが一例だと思います。自分の親もそうでした。だから自分は、自分自身に完全主義な傾向をもつ人間に育ったのかもしれません……。

■だからこそ、プラスの無条件ストローク

 自分や相手がそうなってしまわないように、プラスの無条件ストロークでコミュニケーションを取れると良いと思います。そのために心掛ける点としては、まずは自分からプラスの無条件ストロークを相手に与えることだと思います。あくまで、まずは。

 自分が与え続けていても、逆にもらえなかったとしたら嫌になるので、そういうときは欲求をしてみたり、自分自身にプラスの無条件ストロークを与えて、もらうようにすれば良いかと思います。もらえることがあるときは素直に喜んでもらうべきですし、マイナスのストロークを与えられたときは冷静になって、それを受け入れるようにすれば良いかと。

 これを知ってから、100パーセント実践できているとは言えませんが、それでも極力相手の言葉に否定的な言葉は言わないようにしています。相手と意見が違っても「なるほど、そうですね。自分の場合はこう思っていました。そういう考え方もわかります」などと言ってみたり(理解していないのに嘘をついて「わかります」と言う、という話ではないです)。

 ただ、実践しはじめてから、マイナスのストロークというか否定的、批判的な表現を避けようとしていた時期がありました。コミュニケーションの場以外でも、「暗い話題ばかりだからニュース番組は見たくない」とか、「この出演者、批判しかしないよなあ。この人が出てるテレビ番組は見たくない」とか。自分自身に対するプラスのストロークが足りていなかったのかもしれません。最近は、以前ほど避けたいという気持ちはなくなりましたが。

 こうなるのは自分だけかもしれませんが、可能性としてはありえない話ではないかもしれません。実践される場合はお気をつけ下さい。

■コラム自体は今後も続けたいです

 というわけで、自分自身が忘れかけていたために復習として書き始めたメンタルヘルス系の話題については、連続更新は今回で最後となります。また何か新たに学んだら「○○でメンタルヘルスケア」というタイトルで書きたいですし、「ひと通り書ききるまでは、この話題で週1で更新するぞ」と決めて書いていたこともあり、ストックしていた話題も何個かあるので、今後も、自由な話題で色々と書いていきたいなあと思っています。

今まで読んで下さった方々、コメントを書いてくださった方々、ありがとうございました。

Comment(3)

コメント

あずKさん

こんにちはコラムニストの高田です。

今回の「ストローク」の話はとてもためになる話でした。
私も無条件に相手を認める言動をしていこうと思いました。

そしてこの業界もあずKさんのような方ばかりだったら良いな。。。と思います。

メンタルヘルスについての連続更新が最後とのことですが、
また次回作も楽しい記事期待してます。

第3バイオリン

あずKさん

ストロークのお話、参考になりました。
人から褒められるためには、まず自分が褒め上手になることが大切ですね。

良い話を教えてくださったお礼に、私がおすすめする旅行先を書いておきます。
・立山黒部アルペンルート(自然、歴史、ダム建築技術の3つが一度に楽しめます)
・遠野(河童や座敷わらしは実在するかも、と思わせる何かがあります。「遠野物語」の文庫本を持っていくと楽しさ倍増です)
・直島(香川県の島です。島全体が現代アートで町おこしをしており、いたるところにオブジェがあったり、古民家をまるごと利用したアート作品があります)

あずK

コメントありがとうございます。

高田さん>

> そしてこの業界もあずKさんのような方ばかりだったら良いな。。。と思います。

そう仰って頂けて嬉しいです。ただ、まだまだ自分は会社では下っ端なので、
自分がリーダーの立場になったときに部下の変調に気づけるか、
心の病に倒れた社員に対して適切な対応が取れるか、という点は
まだ自信がないです^^;
そういった点は、今後も学んでいきたいと思っています。

とはいえ、メンタル面のセルフケアだけでも、この業界の皆さんが理解していて、
実践できているのなら…と思うこともあります。
今回の連続シリーズで、一人でも多くの方のお役に立てられたなら、嬉しいです。
調子に乗って啓蒙活動的なことをしたくなってきました(笑)


第3バイオリンさん>

> 人から褒められるためには、まず自分が褒め上手になることが大切ですね。

昔読んだ小説かエッセイのラストに、
「愛されていると感じるためには、まず自分から愛することだ」
というような記述があったのを思い出しました。

「愛」がどうこうは関係なく、良い雰囲気のコミュニケーションを行うには、
まずは自分から、というのが、やはり大事なんだなと改めて思いました。

お薦めの旅行先、ありがとうございました!
不勉強なものですからネットで検索して調べてみましたら、
どれも実際に行って体感したいものばかりで
行くならどこにしようか迷っています(笑)

色々と検討して、夏にどこへ行こうか決めようかなと思っています。
こういった、検討をする時間も楽しいですよね。

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