四捨五入して30歳。酒と歌を愛します。飲み屋で社長と知り合ったのが人生の転機。事実は小説よりも奇なり。

飲みゅニケーション? 飲みニュケーション?

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 今からX年前の冬のことであった。

 サークルの先生に連れられていった小料理店。先生の行きつけのお店ということで、当時大学生だった自分はわくわくしながら行った。

 「学生には少し値が張るよ」とあらかじめ言われていたので、普段よりも少し大きな金額をサイフに押し込み、同期3人と先生と、合計4人で店に入った。

 中に入ると客は誰もおらず、店長が愛想のいい笑顔で私たちを迎えてくれた。カウンタに6席。座敷にテーブルが1つ。その座敷に案内された。

 サラリーマンになったらこういう店に来るようになるのかなぁ、と思いながらビールを飲み始めた。

 気付くと先生は店長と2人っきりでずっと話していた。お客もいつの間にか2人増えている。2人は別々の客のようで、離れてカウンタに座っていた。男性が1人、女性が1人である。いつしか同期の1人が女性客と話していた。こちらも酔った勢いもあり、もう1人の男性客に声を掛けた。

 相手は50代真ん中ぐらいの方で、先生からこっそり「社長だよ」と情報を教えてもらった。

 この店に来る人は、たいてい顔見知りになるらしい。直接話さなくてもなんとなく情報が伝わる、そんなアットホームな感じの店だった。

 「どちらの出身なんですか?」「大学時代はどんなことをしていたんですか?」「自分たちはこういうサークルのもので、今日は先生に連れてきてもらったんです」などと当たり障りのないことを話していた。

 東北なまりで話すおじさんはとても感じのいい人で、焼酎一升瓶を抱えながらいろいろな話をしてくれた。

 いつの間にか結構酔っ払っていた。言葉も丁寧語からだいぶ砕けた感じなっていた。お互い、親子くらい都市が離れていたせいもあるだろう。いつしか話し方も親子のそれに似るものになっていた。

 「おう、お前、どこの大学行ってるんだ?」

 「はい、W大学です!」

 「おう、すごいじゃないか!!」

 酔っ払ってるのか、一升瓶にもたれかかってる。

 「イヤーそんなことないですよ。就活も大変で……」

 正直別に大変、と言えるほど就活をしていなかった。ただ、就活をしなければいけない、ということが嫌で嫌で気が重かったので「大変」という言葉を使った。

 そして、次の言葉が自分の運命を変えることになる。

 「じゃあお前、うちの会社に来ないか! 来月説明会やるんだ。なんだったらサクラでもいいからな」

 「はい!ぜひ行かせていただきます!!!」

 酔ったときの勢いとは怖いものだ。勢いでOKし、取りあえず会社説明会に参加することになった。エントリー方法を聞いて、名刺をもらい、そしてその場では別れた。別れるときにこちらの名前を伝えた。

 そして会社説明会の日、強烈な二日酔いの中、開場に歩いていく自分がいた。正直、座っていないとつらい。一歩足を動かすごとに吐き気をこらえる。そんな大事な日の前日に二日酔いになるまで飲むな、と言われても仕方がない。しかしそこは学生。後先考えずひたすら飲んで、このざまである。

 説明会会場について、ひとまず目立たない席に座った。お酒の席で社長に会ったとはいえ、相手も泥酔していた。そして1カ月も前のことである。覚えているとは思えなかった。

 取りあえずの義理立て、という気分で応募し、今日の説明会に臨んだのである。一般就活生のふりをして話を聞き、質疑応答でもじっと静かに黙っていた(本当は二日酔いがつらかったせいだが)。

 質疑応答が終わったあと、適性検査の前に社長が言った。

 「それから、きみ! 前にあったことあるね! ○○(私の名前)君!」

 二日酔いなど一瞬で消えた。

 

 はじめまして、あぐと申します。ちょっと小説風の書き出しにしてみましたが、特に意味はありません(爆)

 何かの検索……そう、「デスマーチ」を検索していて、たまたま@ITの記事に引っかかったのです。なんでデスマーチを検索していたかといったら、隣に座っている人が次に行く現場がデスマーチのにおいがぷんぷんする場所で、面白い記事があったら見せてみようと思ったから。

 あとは自分が(労働時間的な意味の)デスマーチにあったことがないから興味があって(そんなものに興味を持つなという話だが)。ほんとにつまらない理由です。

 さて。簡単に自己紹介です。

 この業界に入ってもうすぐ4年目。千葉の田舎から池袋らへんまで通ってます。結婚してます。子どもも1人います。ちなみに実家に嫁を呼んだので、2世帯家族で計6人(両親、嫁、妹、娘、自分)です。

 言語はVB.NET中心。Visual C#.NETもちょっとやりました。Javaは研修でやったけれど、それ以降触ってないから「できる」とは言いがたい感じです。

 中小企業に勤めてて、技術者を派遣することが多い会社にいます。会社の方針は「必ずPGを経験してからSEになる」というもので、SEになりたくない人はPGでい続けることもできます。でも、PGができないのにSEになるのはだめらしいです。いまどきとは逆の考え方です。

 一浪して大学に入り、酒とサークル(合唱をやってます。今も歌ってます。)とアルバイトにいそしむ毎日。単位なんか取れるはずもなく、1年は半分落としました。4年の時は卒業単位に足りないので学部の救済制度に助けてもらい、卒業単位ぴったりで卒業しました。計画どおりにならないとイラっとするので計画を立てることをやめ、いきあたりばったりな性格に変わったのもこのころ。

 就職するまで、パソコンはインテリア、もしくはワープロ程度の扱いしかせず、レポートを書くためにしか使用していなかった。そのため、Excelを使えず、なぜ表計算ソフトと言われるのかすらまったく理解していなかった。

 この仕事に就いたのは、冒頭の小説にちょっとあるように、飲み屋で知り合った人が社長で、それがきっかけで今の会社を知って面接を受けたため(公正に判断してもらった結果なのかは不明)。

 デジタルなもの、便利なものが苦手で、システム屋としては終わってる気がするのだが、仕事は少し嫌いなものくらいがちょうどいいと言い訳をして続けています。

 自分でもいろいろ考えることはあるし、でも知らないことだらけだし。何か情報を発信して、少しでも「若手」と言われる人がどういうことを考えているのかを理解してもらいたく。

 だいたいこういうところって、「すごく仕事ができる人」「文章を書くのがうまい人」「コンピュータ大好きな人」みたいな人が中心になって、情報を発信しているイメージがあります。

 それはとてもすごいことで、こちら(一般人、文章書くのもうまくないし特別コンピュータに愛着があるわけじゃない)側の人は、そういった先人の知恵を拝借してなんとか業務を乗り切っているわけです。

 「なんでそんなことできないの?」「常識でしょ?」「だめじゃん」なんかは日常的に言われます(苦笑)。

 「こういう立場の人間から何か投げたら面白いかなー」と思ってえいやっと応募してみました。あとは「昔、自分はこういうことを考えてたんだ」という備忘録代わりにも使いたいなーって(厚かまし過ぎる)。

 そういうわけで、どういう方向に話を進めていくかはまだ未定ですが、取りあえず自分が仕事をしていて感じたこと、思ったこと、経験したことなんかを中心に話を進めていきたいなぁと思っています。

 というわけで、以後よろしくお願いします。

○飲みゅニケーション

 ※以下の文章は激しく主観に基づいています。本人も自覚しておりますので、「そういう見方をする人もいる」くらいの気持ちで読み進めていただけると幸いです。

 さて、自己紹介だけではあれなので少し話をば。

 飲みゅニケーションなのかちょっと分からないですが、そういうことだと分かってもらえますよね?

 近頃の若いもんは、飲みに誘ってもついてこない。ついてきても、「酒の場も仕事の一環ですから」といって当たり障りのない話や愛想笑いしかしてこないとくる……。

 こんなぼやきを持っている方、いるんじゃないでしょうか。

 実は私もです(爆)。

 自分はコミュニケーション能力がそんなにない。KYだし。

 でも、人のことは気になります。人の考えも知りたいです。

 上司には上司にしか見えない世界があるだろうし、部下には部下にしか見えない世界があるだろうし、同期は同期で別の世界を見ているだろうし。

 そういったものを共有する場がほしい! けれど自分じゃうまく引き出せない。じゃあ、相手に垂れ流してもらおう! という超安易な発想から、人と飲みに行きたくなるのです。

 酔っ払えば普段よりも口は軽くなるし、ざっくばらんに話ができるし、酒の席だから無礼なことを言っても多少は大目に見てもらえるし。なんていう甘っちょろい考えもあります。

 でもほんと自分都合なんですけど、酒が入らないと自分の思ったことがうまく相手に言えないのです。文章化すれば多少はまとまるんですけど、まさか会話するたびに台本を用意するわけにも行かないので(笑)。

 実はうちの会社は飲み会が大好きで、なんだかんだで会社行事として飲みがあります。年に9回くらいあるのかなぁ。ほぼ毎月です。だもんで、会社の雰囲気がとても自分には合っています。

 自分より一回りとか二回りとか年が離れている人の話を聞くのは、面白くて好きです。仕事でつらいときは「ちょっと飲みにいきませんか?」って簡単に上司を誘えるのもうれしいです。いろいろ溜め込まなくて済んでるのは、うちの会社が人情派だからだと思っています。

○その壁は誰が作った?

 新人を飲みに誘います。

 当然、相手は緊張しているから、こっちが主導で話をします。でも、実はこっちも緊張しているし、そんなにネタがあるわけでもない。なんとなく当たり障りのない話をして終わり。

 業務が一緒なら、絡めば仲良くなるかもしれない。相手と自分がタバコを吸えば、話をする時間ができて仲良くなれるかもしれない。でも自分、タバコ吸わないしなぁ。

 そんなわけで、微妙な飲みを経た後、また飲みに誘うと「用事が」とか「明日に障るので」とかそういう回答が返ってくる(断ることは大事なスキルなので、否定はまったくしないですよ)。

 そうしたら、もう自分から声をかける勇気なんかあるわけないから、もう誘わないです。

 いじけます。

 こうして飲みによるコミュニケーションを伝えることに失敗して、それより下の世代は飲まない文化が定着する仕組みができてしまうわけですね。

 でも、ちょっと落ち着いて考えてみれば。

 自分の話がもっと面白かったら来るのではないか?

 自分がもっと魅力的な人物になればついてくるのではないか?

 という結論が出てしまい、結局未熟な坊やに下を引き連れる資格はないのだよ、ということになってしまうわけです。

 坊やだからさ。ということね。

 そもそも人に話して自分の状況を理解してもらおう、自分を助けてもらおう、という意識があまりないのが「ゆとり」と呼ばれる世代です。それは核家族化したことも原因だし、家族に依存しすぎなことも原因だと思います。家族の仲が良いことは素晴らしいことですが、それ+α外に自分の居場所を作らないとだめだと思います。

 外に居場所を作る経験が少ないと周りを信用できません。というか外を信用する、というやり方が分からない。だから、自分の問題は自分だけのものとして処理しがちになる。結果、アラートは遅くなるし、叩かれてメンタル的にも弱り、脱落する人が増えてくる。

 ただの環境論にするつもりはないですが、そういう背景があるんだ、と思って接することは1つ重要な気がします。

○自分のテリトリーを守る

 分からないのは、そういった人物にどうやって歩み寄ればいいのか。もしくは引き上げればいいのか。

 仕事で一緒ならば、仕事だから付き合え! っていって無理やりつき合わせることもできそうです。でも、多分反感を持たれるし、「仕事だから」の部分をなくしたい自分としては少し違うかなぁって思います。

 結局、うまく立ち回れないならやらなければいい、という結論になって、何もしないのが現時点では得策、と傍観を決め込んでいる状況です。

 でもそれでいいような気がしてきています。

 まだ自分がペーペーなので後輩はあまりいないですが、年をとればそれだけ下の人間も増えてくるでしょう。そうなると、1人ひとりに濃い付き合いを求めるのは、体とお金と時間が持ちません。

 ええ、無理。

 だとしたら仕事を通じて仲良くなった一部の人間とだけでもプライベートな時間を共有する、ということでいいような気がします。

 自分の射程範囲を広げて面倒見切れず自爆するよりは、最初からふるいをかけて自分の網に残った人だけを相手にすればいいです。

 自分の網に引っかからなかった人は、他の誰かの網に引っかかるでしょう。誰の網にも引っかからなかったら、そのとき初めて手を差し伸べればいい。

 それくらい泰然自若と構えることが理想なのかなぁ、という結論になった。

○そういうわけで

 同期と飲みにいくと「あいつは付き合いが悪い」とか「全然なついてくれない」とか、なんかいっちょ前の愚痴を話したりしますが、結局それでいいんだ、ということです(悪口をいうのは自分の首を絞めるので好ましくないですが)。

 仲間内で吐き出して、仕事をしているときは普通に接していればいい。気があったら仕事仲間から仕事で知り合った友達、になればいいのだから。

 そう思うことにしました。

 もちろん会社の先輩後輩の関係は逆立ちしたって変わることはないですが、それも逆に節度ある付き合い方に一役買ってくれるからいいのかなぁって思います。

 本当にとりとめもなく書きましたが、結論は、

 飲める人とだけ飲んで、あまり得意でない人を無理に誘うな

ということです。

 世代が違えば考え方も違います。育った環境が違えば、重きを置くところも違います。それを無理やり自分に合わせようとするから、大変なのです。相手をそのまま受け入れて、どうしても仕事に支障が出るときだけ注意すればいいのです。

 と、身も蓋もないような落としどころにまとめてみました。今後もこんな感じになっていくと思いますが、よろしくお願いします。

Comment(2)

コメント

放浪者

飲みたい人が飲めばいいでしょうね。
私は酒に興味が無いのでもう1年以上飲んでません。(持病に良くないってのもある)
たまに飲み会に参加しますがいつもウーロン茶です。
しゃべりたい相手がいれば参加しますし、いなければ上司のお誘いでも断ります。

私は甘党なので、会場がケーキ屋さんだったら行くかもしれない。
(ケーキも持病によくないけど、酒にくらべれば食指が動く)

コミュニケーションがしたいならまずは信頼関係の構築からでしょうか。
その環境なくして酒の場で本音が出るかって?
出ないと思うなー 私だったら言わない。
ケーキに囲まれてれば、本音が漏れるかもしれないけど。

と書いてて「7つの習慣」って本を思い出した。少しこの本に洗脳されたかな

私は極端に偏向してる部類とは思いますが、価値基準はほんと人それぞれだと思いますね。

自分が飲めるから・自分は飲めば言いたいことも言えるからってのは自分基準なわけで
相手のことは考えてない・もしくは見えてない・相手のつぼを見抜けていない・情報収集が足りないってことかな?
飲みに誘うにも下準備(情報収集)は必要かなと思ったり。

駄文でした。

コメントありがとうございます。

>放浪者さん
はじめまして。

>コミュニケーションがしたいならまずは信頼関係の構築からでしょうか。
>その環境なくして酒の場で本音が出るかって?
>出ないと思うなー 私だったら言わない。
そのとおりだと思います。
信頼関係を構築してからでないといくら酒の場とはいえ本音は出てこないと思います。
その信頼関係を構築する場に酒の場を求めよう!と入社当初は思っていたのですが、学生上がりの甘い考えだったといわざるを得ません。
現在感じているのは本当の信頼は仕事の姿勢でのみしか得られない、ということです。
仕事だから当たり前ですよね(笑


>飲みに誘うにも下準備(情報収集)は必要かなと思ったり。
これは私も激しく同感です。
無策でいくとつまらない飲み会&無駄な出費&なんのメリットもない、という本当に無意味な労力になってしまう。
気をつけていきたいです。

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