初心者の気持ちになってITシステムを作ってほしい
税務署に行かなくっちゃ
「うわー、並んでるーっ」
昨日、税務署に行ってきました。毎年この時期になると税務署に書類を出さなくてはいけません。e-Taxを使って自宅からネットで済ませてしまった年もありました。けれども登録してあるカードの有効期限が切れてしまい、再登録するには役所に行かなくてはいけません。ならいいやと放っておいたので、ネットで書類を作成して税務署に持参しました。
「最後尾はこちらです」と税務署のおじさんに言われて列の最後に並びました。かなり長い列です。何十分かかることやら。と思ったのですが、よく見るとその列は納税相談コーナーの列でした。怪しげなことをやって儲けている人(?)や、どうやって書類を書いたらいいか分からない人が専門家に相談するための列です。
私は書類を出すだけだったので、書類を提出するだけの人の列はあちら、と聞いて並び直すことにしました。ところが書類提出の列の最後部が見当たりません。どんどん進んで行くと待っている人は一人だけで列になっていませんでした。私は1分も待たずに書類を確認してもらってミッションコンプリート。あっけなく完了です。何年か前に来たとき書類の提出だけでも何十分も並んだのに。ちょっと拍子抜けです。
システムを使いこなせないIT難民たち
相談コーナーの列に並んでいる人の中には、私と同じ用件の人も多くいたことでしょう。私は国税局のホームページを見て事前にフォーマットをダウンロードして書類を作っておいたので待たずに済みました。同じことができたはずの人も多かったのではないでしょうか。
相談コーナーに並んでいた人は年配の人が多くいました。ホームページを見て書類を作成するということができない人も多いと思われます。国税局ががんばってe-Taxなどのシステムを作っても利用できない人はたくさんいます。パソコンを持っていない人、パソコンを使えない人はIT 難民として取り残されていると感じます。
ただIT難民でなくてもシステムを使えないことがあります。e-Tax のシステムもいまいち使いにくいところがあります。まず用語が分かりません。自分がやろうとしていることが何なのか、どの分類に入るのかが分からないと先に進めません。牛丼屋の券売機で、普通の牛丼が食べたいのにプレミアム牛丼のボタンしかない、普通の牛丼はどこを選べば出てくるの? というのと同じように。
一度分かってしまえば迷うことはなくなります。私もなんとか理解して毎年税務署のページで書類作成の操作をしますが、なにしろ年に1回しか使わないので翌年には忘れています。そして毎年同じようなことで迷っています。
初心者の壁をなくしてIT難民を減らすこと
仕事で何かのツールを使うときも似たようなことがあります。最初は使い方がよく分からなくて迷います。初心者には大きな壁があります。でもしばらく使っていて慣れてしまうと壁があったことを忘れてしまいます。ですからもはや初心者が使いやすいようにしておこうなんて思いません。ところがそのツールを使わなくなり、何年か経ってから使おうとすると初心者に戻ってしまって同じ壁に突き当たります。どうやって使いこなしていたのかを忘れています。これは私の記憶が悪いからなのでしょうか?
IT システムを使えないIT難民を減らしたり、初心者の壁を越えられない人を減らしていくのが今のITエンジニアにとって必要なことではなかと私は思っています。より高性能な機能やより複雑な機能の需要は減っています。もっと初心者の気持ちになってITシステムを作ること。そしてシステムを使いこなせず納税相談に並んでいるような人の数を減らすこと。そういったところにまだまだビジネスが眠っているかと思います。
税務署が混んでいた。そんなことでも何でもコラムのネタにしてしまうあべっかんでした。
コメント
user-key.
自営業は大変ですね。その点サラリーマンは「医療費控除で確定申告~」とかいう人もいますが、翌年一月一日から5年間に「還付申告」を行えばよいので、振り込まれる時期がずれますが、年末年始や盆休み等、会社は休みですが、役所が開いている時に行けば良いので、すいていて、申告書の書き方など、じっくり聞くことが出来る事から私は数年分まとめて申請しています。
abekkan
>user-key さん
コメントありがとうございます。
5年に1回でいい手続きもあるのですね。その間に領収書を失くしてしまいそうですが。
私も今のところはサラリーマンなので難しいことはやっていないのですが、そのうちリストラされてフリーになったら大変だろうな、と思っています!