失敗が許されない世界とバグがあたりまえの世界
失敗が許されないはずの工場が
少し前に、自動車メーカーや鉄鋼メーカーで検査工程の不正が発覚して問題になりました。品質が重視される自動車や鉄鋼部品の工場では検査工程での失敗は許されないはずです。
検査する人も少なく予算もギリギリ。もしもそんな環境だったとしたら、基準値を少し満たさないくらいで検査不合格にしていたらコストも納期もオーバーしてしまいます。多少の基準値違反は見なかったことにするとか、検査データを捏造することが起きるのも必然でしょう。
それに失敗が許されない環境であるほど、不正は隠されるようになります。そのように検査行程の不正が行われている会社、不正を隠蔽している会社はたくさんあるだろうと私は思っています。失敗が許されないない環境だと、不正が隠されるし斬新な発想も出てきません。でも、日本にはそんな会社が多いように思えます。
ITのシステム開発は遅れて失敗するのがあたりまえ?!
そんな中でIT 系の開発では、許されている訳ではないものの、失敗することがよくある話(?!)になっているような気もします。大失敗こそ少ないものの、スケジュールが初めの計画よりも遅れるのは日常茶飯事です。そもそも最初の計画がいつも無謀なのですが。
開発スケジュールが初めに発表された時点で、「そんな無謀な計画を立ててもどうせ遅れることになるんだろう」と思ってしまうことって多くありませんか?
ソフトウェアはバグがあるのがあたりまえ
ソフトウェアはバグがあることがあたりまえとされています。食品や電化製品や自動車に不具合が見つかったら、製造者は急いで回収して謝ります。ところがソフトウェアにバグが見つかった場合は修正プログラムをダウンロードできるようにすればおしまいです。「重大なセキュリティ問題が発覚しましたので修正プログラムをダウンロードしてください」と通知するだけです。問題があったのに製造者が謝ることはありません。修正プログラムを入れずにセキュリティで問題が起きたら入れなかった人が悪い、というスタンスです。これってどうなの?「申し訳ありません」の一言が抜けているのでは?
そしてさらには、ソフトウェアはテスト工程でバグをたくさん見つけてその数が十分で収束していれば品質が高いものとみなされます。もしも失敗しないことで有名な大門未知子がプログラマーだったら、テスト工程でバグが全く見つからず、テストが不十分で品質が高いソフトウェアだと言えないことになります。これってなんだかおかしな話です。
失敗が許されない世界がある一方、ソフトウェア開発の世界バグはあってあたりまえ。ソフトウェア開発の世界ってなんだか変わっていますね。
ところで私も大門未知子みたいなセリフを一度言ってみたいです。「私、失敗しかしないので。」ダメだこりゃ! あべっかんでした。
コメント
仲澤@失業者
1.ハードの世界には誤差というものがあります。
ソフトの世界には計算誤差はありますが論理の誤差はありません。
2.ハードは同じ製品でも個体差がありますが、ソフトにはありません。
3.ハードには重量と体積がありますが、ソフトにはありません。
かろうじて長さがあるだけです。
4.ハードは単体での評価が可能(基本)ですが、
ソフトは動作環境ごと評価せざるをえません。
まぁ、この両者を同じ土俵にのせて評価するのは正しい行為なのかとも思いますねぇ。
もっともユーザーから見ればただの製品なんですけどね。
さて、個人的には言ってみたいのはこっち・・
「メロンです。請求書です(まるがいっぱいぃぃぃっ)。」
mi
むか~し、
単体テストで障害が1件も発生していなかった時、
バグが1件も無いのはおかしい・・と言われ
バグ数をねつ造させられ、変だなと感じていたことがあります。
(机上デバッグを十分に行っていたのでバグ無が当たり前にしてたのに・・)
abekkan
>仲澤さん
失敗しないドラマの女優のギャラは0が7つもつくとか。今週の手術代と一緒ですね。地道にバグつぶしをやっているのがバカらしく思えてきます。
abekkan
>mi さん
そんな理不尽なことを実際にやっているところがあるんですねえ。
潰したバグの数で評価する仕組みも困ったものです。(-_-;)
pon
デバッグの目的を理解していないからなんでしょうね。
絶対バグはあるという前提でやってるのがおかしい。
その方法に忠実に従うけど、なぜその方法に従うのかを理解していない。
そんな無能な管理職が日本には多すぎます。
abekkan
>pon さん
そうですね。なぜを理解していない人、ただ方法に従っている人が多いと思います。
そしてそんな世界にいるとだんだんと自分も染まってしまいます。。。