Excel VBA マスターへの道(3) -必要でないことまでやるのがマスターやマニア
前回のコラム(2)の続きです。
いつだったか、ショッピングサイトでこんな本を見つけた。
Excelでここまでやるのか!
シューティングゲームなどを作る方法が丁寧に書かれていた。
Excelでゲームを作る方法として3つの開発モードが書かれていた。1つはオートシェープ方式でオートシェープで作ったキャラクターを動かすもの。1つはユーザーフォーム方式でコマンドボタンやテキストボックスを配置するためのウィンドウ上でキャラクターを動かすもの。
私が驚いたのはもう一つのやり方だった。Excelのセルの幅をすご~く小さくする。そして1つのセルを1dotとしてキャラクターの絵を描くのだ。確かに可能だ。セルの高さと幅は小さくできるのでdotにして絵を描くことができる。でも、そこまでやるの! エクセル方眼紙もビックリだ!
セルをdotにして絵を描かなくても、もっと楽な方法はいくらでもある。そもそもVBAよりも他の言語でツールを使った方が簡単にゲームを作れるだろう。なのにここまでやる人がいたのね!
必要なことをするのが凡人
先日私は久しぶりに東京に出て地下鉄に乗った。東京の地下鉄は複雑だ。ときどきしか行かないので乗り換えを間違えてしまった。
いつも都心で地下鉄を乗り継いで通勤している人なら間違えないだろう。でもそれは必要だから。よく利用する路線なら乗り換えが複雑でも間違えない。でも滅多に乗らない路線だったら私と同じように乗り間違えるかもしれない。
必要に迫られるから覚えて実行するのである。必要に迫られたことだけをやるのが凡人、というか普通の人だ。
必要でないことまでやるのがマスターやマニア
一方地下鉄マニアだったら、細かい路線のあらゆる駅まで覚えている。必要でなくても。別に全部の地下鉄路線や駅を知っていなくても困ることはない。代替路線があるしJRや私鉄もあるのだから。彼らは必要だから覚えているのではない。好きだから、地下鉄を愛しているから覚えているのだ。
「なんでそこまでやるの?」とあきれられるような変人こそが、マニアでありギークであり、その道を極めたマスターなのだ。
Excelにしても、セルをdotにしてゲームを作り、Excel方眼紙であらゆる文章を書く。人がやらないこと、やりたいとも思わないことまでExcelでやってしまうようでなくては本物のExcelマスターにはなれないのかもしれない。
結局、私はExcel VBAゲーム大作戦を2冊も購入したものの、読んで納得しただけでゲームは1つも作ることがなかった。マスターにはなれないか。。。(第4話につづく)
あべっかんでした。