メリー クリトマト-相手の視点を考えよう
「クリとマと」
んっ? 謎のダイイングメッセージか? いや違う。誰も死んでいないし。では夕飯の献立か? いや違う。栗とトマトを混ぜた料理なんて聞いたことがないしマズそうだ。
■暗号の正体
カレンダーの12月25日のところにきたない字で「クリとマと」と書いてあった。どうやらうちの次女(当時6歳)が「クリスマス」と書いたつもりらしい。「ス」が上下逆さまになって「と」に見える。左右裏返しに書いてしまう子はよくいるけど、上下逆さまには書かないぞ普通は! ある意味でスゴい。
■裏返し文字の不思議
自分の体に「b」という文字を書くことを考えてみて欲しい。太ももに書いたら、上から見たときの形になるので他人からは「q」に見えるだろう。人によって違うかもしれないけれども、自分の顔に「b」を書いたら「d」になる。尻に書いたら「p」になり、頭の後ろに書いたらちゃんと「b」になる。これだけ違うのは面白い。人によって違いはあっても、常に他人から見たときと同じようにはならないだろう。
では、顔に書かれた「d」は間違いか? いや、間違いではない。自分にとってはこれは「b」だ。顔の皮膚の内側から読めば「b」なのだ。自分の視点で見れば正しい。
■自分の視点で正しいモノでも
多くの人は、特にエンジニアは、自分がアウトプットしたものは正しいと思っている。そう信じなければモノづくりなんてできない。そしてそれが、誰が見ても正しいものであると勘違いする。
顔に書いた「d」に読める「b」は自分から見れば間違ってはいない。でもユーザーから見たら「d」なのだ。だから間違い。エンジニアが作ったモノはレビューされ、テストされて合格して初めてユーザーから正しいモノと認められる。エンジニアは自分の視点でモノを作ってはいけない。ユーザーの視点で正しいモノを作らなくてはいけない。当たり前のことだけれど、ユーザーの視点に立たずに作り手の自己満足に終わっているモノって意外と多いと思う。今一度、自分の顔に裏返しの文字を書くようなことをしていないか気をつけておきたい。
今回はクリスマスらしい話題にしてみました(???)
ではみなさん、メリー、クリトマト!
addokanでした(?!)