これを読めばひとりでできる!ITエンジニアのキャリアデザイン術
ひとりでできる!ITエンジニアのキャリアデザイン術 望みをかなえる「壁」の超え方
キャリア・コンサルタント高橋さんが本を出した。さっそく読んでみたので感想を書いてみることにする。
■もう1つの35歳定年説
経験3年で25歳のAさんの単価は50万円。経験13年で35歳のBさんの単価は60万円。一般的な誰にでも分かり易いプログラミングで作られるシステムの仕事の場合、単価の安いAさんが採用されることが多い。でも長くやっていてもそれほどスキルは上がらない。実はBさんは10年後のAさんの姿と同じである。これがITエンジニアの35歳定年説のもうひとつの姿だ。
なるほど。何も考えないで与えられた仕事だけやっているのでは35歳で定年となってしまう仕組みだったんだ。第1章はキャリアアップしていかないとヤバいよ、という話だ。たしかにヤバそうだ。キャリアプランの重要性がよく分かった。
■あなたの思いを知るためのワーク
仕事をする上で最も満たされる瞬間はいつか? それはなぜか? それは確かか? ということを知るための質問事項がいくつも書かれている。その質問に答えていくと、「私は○○を得るためのキャリアを作りたい」というキャリアに対する思いを見つけ出すことができる。
5分間キャリア・コンサルティングのコラムにも「自分の想いを明確にする」という話が書かれていた。この本では具体的に質問に答えるというワークを進めていくことで、自分の想いが明確に分かるようになっている。多くの細かい質問があり、ワークを全部進めるのは結構たいへんだ。でも逆に言えば、これをちゃんとやれば自分の想いが明確になり、キャリアプランがちゃんとできあがるようになっている。
キャリア・コンサルタントもカウンセラーもクライアントに「こうすればいい」と持論を押し付けたりはしない。クライアントに質問をして本人に気づかせるという手法をとる。システム開発をするSIerには、「このパッケージを使えば便利ですよ」と強引に自社商品を使わせようとする人もいる。そういうやり方ではなくて、コンサルタントやカウンセラーのようにクライアントに質問をして、必要十分な要求に気づかせる、といったやり方ができればいいと思う。そうすれば、あとから仕様変更で大きく変わることもなくなるかもしれない。ちょっと脱線してしまった(^_^;)。
■キャリアを実現させる
作ったキャリアプランを実現させるためには、実力をつける、辛抱強く続ける、などが必要。これは本を読んだだけではどうしようもなく、自分が頑張るしかない。それは当然だろう。ただし、「キャリアプラン通りに進められない場合」の対策がある。キャリアアップする時間がない場合、想いが変わった場合、プランと実績にズレがある場合、にどうすべきかのアドバイスが書かれている。
この1冊にキャリア・コンサルタント高橋さんのノウハウがたっぷり詰め込まれているようだ。ここまで教えちゃっていいの? と感じるほど。キャリアプランができていない人にはためになる内容だ。1500円という価格は電子書籍の中ではずいぶん高い。でもこれだけの内容なら、それだけの価値はあるだろう。誰かさんの安っぽい本と違って。
■お知らせ
私あべっかんは安っぽい本を出版します。
忙しいSEも育児ナシを卒業! ~教えてクンにさせない子育て~
250円 Kindle版電子書籍
子どもに「考え方を教える」というテーマで書いた話をまとめたものです。かなり脱線もしてますけれど。来週、6月9日にOnSaleになります。よろしくお願いします!
abekkanでした。
コメント
何だか宣伝してもらったみたいで、ありがとうございます!
abekkanさんの本はもうすぐ発売ですね。
ぜひ読ませていただき、こちらのコラムでも紹介させていただきますね。
abekkan
>キャリア・コンサルタント高橋さん
ネタにさせていただきました。充実した内容だったので、ネタのソースとしては充分でした。これを読んでキャリアアップする人がたくさん出てくるといいですね!
中津山 恒
出版、おめでとうございます。
楽しみにしています。
abekkan
> 中津山 恒 さん
ありがとうございます。
出版の準備をするのって、ワクワクするものですね。自分でも楽しみです(^^♪