PMシンポジウム2013で聴いたイノベーションのお話
「新たな価値創造、そして成長」
というテーマで、PMシンポジウム2013が11月21~22日に行われた。
■PMシンポジウムとは
毎年行われるこのシンポジウムは、PMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)主催のの最大のイベントだ。2日間で約30本の講演と約20本のワークショップと懇親会が行われ、2000人以上のプロマネ関係者が集まった。IT業界だけが対象ではないので、建設業界や流通業界などの人の話も聞ける。また、プロマネ資格であるPMPやPMSの維持に必要な受講ポイントをコストパフォーマンス良く得ることができる。そこで私が聴いた講演の一部を紹介する。
■創造的破壊:パラダイムチェンジとイノベーション
一橋大学の米倉誠一郎教授による基調講演。 ある調査で各国のイノベーション担当者に「イノベーションが支持されているか?」 と聞いたところ、多くの国は70%がさてていると答えたのに対して、日本は24%しかいなかった。その理由の1つに日本でのイノベーションが「技術革新」のことだと思われていることがある。
シュンペーターは、「イノベーションとは新しい組み合わせ」だと言っている。あたらしい製品、新しい生産方法、新しい市場、新しい原料、新しい組織がそれにあたる。小さいことでも新しいことに取り組んでいけば世界を変えることに発展していくこともある。
■ドラッカーに学ぶイノベーションのマネジメント
ドラッカー研究所認定のインストラクターでもあるO'Gatha Management Institute代表の緒方慎八氏による講演。イノベーションとは何か、イノベーションの阻害要因は何か、という話だった。その中で、イノベーションのための資源(時間、予算、人材)が与えられていますか、という話があった。
(以下はabekkanの意見)
以前私が電機メーカーの研究開発部門にいたときはいろいろな研究開発テーマが与えられた。こういう製品を作れ、この加工を5秒でできるようにしろ、など。無茶ブリの要求が多かったこともありそのうちの半分以上は失敗して製品化はされなかった。しかしそれも経営者の計算のうちだったのだろう。研究開発に失敗はつきもの。そのうちの何%かが成功して利益になればいいと。つまりイノベーションのために失敗する資源も確保していた。
それに対してIT業界では、新たなものに複数挑戦して「そのうちのいくつかが成功すれば失敗があってもいい」とは考えないところが多いようだ。成功する見込みのある研究開発にしか手を出さない。そのくせシステム開発プロジェクトは失敗して赤字になることも多い。リスク管理をしてるから成功する見込みのある研究開発しかしないのか? いや、それではイノベーションは起こせない。イノベーションを起こすためには失敗する分の資源も確保すべきだろう。講演を聴いてそう思った。
私だって、ある程度の時間と予算をもらえれば、きっと画期的なイノベーションを起こすことができる。たぶんできると思う。できるかもしれない。できなかったらゴメンね。(^_^;)
abekkanでした。
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