デジタル時代のサンタクロース
メリークリスマス!
と言っても、みなさんがこれを読むのはクリスマス気分を終えて仕事モードになった頃かもしれないが。今回はサンタクロースをIT的に分析してみよう。
■サンタクロースの要求仕様
まずはサンタクロースの活動の要求仕様をまとめてみた。
- 赤い服を着て、白いヒゲをはやしている
- トナカイが引くソリに乗って空を飛ぶ
- 背中にしょった袋の中にプレゼントを入れている
- 良い子を選別して、プレゼントをあげる
- クリスマスイブの夜中に煙突から家に侵入する
- 良い子の枕元にある靴下にプレゼントを入れる
- 上記の行動は子供に気付かれないように行う
- 上記の行動は、クリスマスイブの一晩のうちに行う
これはかなり無茶ブリの要求仕様だ。最初っからデスマーチが見えているプロジェクトみたい。Anubisさんのコラムの仮説によると、ソリは引っ張られているだけで、トナカイが高速で空を飛んでいるらしい。それが可能だとしても、その他の要求仕様も実現は厳しい。
人が入れるほどの煙突なんて滅多に無い。そもそも一軒家でないときはどうする? マンションにプレゼントを配るには、1回の玄関のゲートを突破し、階段かエレベータを登って家のドアの鍵を開けなければいけない。相当のピッキング技術が要求される。サンタクロースの仕事は過酷だ。
■未来のプレゼントはどうなる?
子供が欲しがるプレゼントの中で、ゲームソフトが増えてきている。今後はゲームもより楽しく進化するだろうから欲しがる子はさらに増えるだろう。でも、ゲームソフトだったらダウンロードしてもらうことが可能なので、サンタは家に忍び込んで配達しなくても済む。
またMAKERS(*1)では、今後は3Dプリンターが発達、普及してモノ作りが変わる、誰でも簡単にモノを作れるようになる、と予言している。そんな時代になると、フィギュアとかなら3Dプリンターを持っていれば図面データをダウンロードすれば自宅で作れる。これもサンタは配達しなくても済む。
こういったプレゼントの要望が増えるとサンタによる配達は不要になる。サンタクロースはずいぶん楽になるだろう。
と、楽観視してもいられない。逆にサンタクロースは不要になって失業してしまうかもしれない。
■サンタクロースの雇用を確保するには
未来のサンタクロースを失業させないためには、ダウンロードできないリアルな物で子供たちが欲しがるプレゼントを提供しなくてはいけない。それは何だろうか?
食べ物だ。これだけはダウンロードするわけにはいかない。クリスマスだからチキンとケーキが最適だろう。クリスマスにはサンタクロースがチキンとケーキをプレゼントしてくれる、というようにシナリオを変えればいい。だが、夜中に枕元に置くのでは不衛生だ。起きているうちに、ディナーの前までに渡すのがベストだろう。そして起きているのだから、ピッキング技術を習得する必要も煙突から忍び込む必要もない。堂々と玄関から入れてもらえばいい。一件落着だ。
ピンポーン!
「サンタクロースです。チキンをお届けに参りました」
あれっ?、これじゃサンタ服を来た出前と同じじゃないか(+_+)
abekkanでした。
(*1) MAKERS 第三次産業革命が始まるってばよ! 参照
コメント
Anubis
発想を変えよう。現代のサンタはベランダから進入するんだよ。
空を飛べるわけだし造作もないことだ。
そしてサンタも、枕元に靴下を吊るすのでなく、軒先に吊るさせよう。
これだけでかなりの工数の無駄が省けるはずだ。
現実のプロジェクトも、着眼点をちょいと変えるだけで、飛躍的に効率が上がるのかもしれない。