大学が未来を潰す

ライフハック | ワークスタイル

» 2016/02/16

■大学行くと勉強しなくなる

　よく、大学出てると頭が良いと言われる。確かに、卒業時点ではそういう人が多いと思う。中学、高校で受験勉強をして、4年間専門的な学問を学ぶ。勉強時間の絶対量が違うので、してない人と比べて決定的な差が生じる。

　だが問題はその後だ。社会人になった時点で勉強疲れして、それ以上学ぼうとしない。仕事は頑張るが学問に興味が無くなる。社会人になっても学び続ける人は一握りだ。4年間頑張った成果をサラリと捨てているように思う。　

　日本には、社会に出てから学び続けるための仕組みが貧弱だ。感覚的には、学校で学問を極めた。さぁ、あとは仕事だ！と、そんなノリを感じる。学び続けたくても、やるところが無い。仕事忙しくて時間が無い。社会的にも価値が置かれていない。そんなので誰が学び続けようと思うだろうか。

■学費高すぎ

　大学の学費は高過ぎる。また、大学に行くための塾の費用もかかる。子供が大変なのもそうだが親も大変だ。不安定な今の時代、親がリストラでもされたら子供までジ・エンドだ。学費だけで簡単に生活が吹き飛ぶ。

　受験に受かったとしても、奨学金を使えばそのまま借金として残る。家が豊かでないなら、生活費を自分で稼ぎながら学校に通うことになる。普通に生活するお金を稼ぐだけでも大変だ。ましてや、学校通いながら稼ぐのは相当大変だ。

　教育にかかる費用を計算して、その額面で子供を作りたくなくなる人も少なくないはずだ。しかも、それだけの額を払っても何が保証される訳でもない。大企業で就職活動をするためのスタートラインに立てるだけだ。

　高度成長期ならなんとかなっていたが、現代でやるには無茶がありすぎる。実際、なんとかなっていない人も多い。普通にサラっと出せる額ではない。大卒は、普通に求められるには高過ぎる水準になってきたと思う。

■これだけ苦労して、「え、仕事と関係ないじゃん。」

　大学に行く人の目的の大半は、いいところに就職するためだろう。純粋に学びたいという気持ちで行く人の方が少ないと思う。大学に行ったとしても、よく分からない単位争奪戦や就活で、純粋に学問に没頭していられるような余裕は無い。

　大学で学んだことが役に立つとすれば、医者等の専門職だろう。一般的な仕事で大学で学んだ内容が役に立つことはほとんど無い。同じ仕事をするなら、大学行くより四年間仕事をした経験の方が遥かに役に立つと思う。

　大卒自体、能力が低い訳ではない。受験で勝ち抜いたという自信や、社会的な評価がある。これが能力の高さに繋がっている。問題は、得たものと労力がつりあっているかだ。このくらいのものなら、別の方法でも得られるようにも思える。

　企業が何故、大卒を優遇するのだろうか。結局のところ、自分も大学を苦労して卒業したんだから、お前らも卒業しろ。その程度の認識だと思う。あとは、単純にエリート大好きなのだろう。

■問題は私たちの認識

　大学自体が悪いとは思わない。問題は、教育が商売になっていることだと思う。完全にブランディング商法になっている。一割の付加価値に対して十倍の値段がかかるような、そういう売り方だ。

　高卒と大卒の能力の差は、この一割の付加価値程度だと思っている。これが、学費や受験で費やした労力、引き換えにした多感な青春時代と釣り合っているのだろうか。私は割に合わないと思う。

　もし、会社に着ていく服がユニクロとかの安いやつで済むなら、経済的な負担はかなり楽になる。高卒でもいい就職ができるなら、子供を育てるのがかなり楽になる。こういう負担が増えるか減るかは、結局私たちの認識の問題だ。

　本来なら、一生を通して学び続けられるのがベストだろう。また、好きなことを好きな時期に勉強できれば理想的だ。大学のブランディング商法は、そういう流れを捻じ曲げて成り立っているように思う。

　何故、エンジニアライフでこんなことを書くのか。IT業界も同じようなブランディング商法でしかないように思うからだ。大学のやっているような手法と同じような手法で製品を売り込んではいないだろうか。大学の抱える学費の問題と同じ闇を感じる。