いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

てめー、パソコンくらいきちんとしたのよこしやがれ、こんちくしょー。

»

▪️職場のパソコン

 そういえば某コラムニストさんがTwitterで、業務に使うPCがショボいと嘆いていた。ちなみに、私が今の現場で使ってるPCもショボい。四年前のCeleronで、仮想化支援機能の付いていない世代のものだ。

 どのくらいショボいかというと、Wordで10ページくらいのドキュメントを作ると動きが遅くなって仕事にならなくなる。Excelで100行くらいのデータを処理しているとプチフリを繰り返す。担当者(一応上司)がこだわりのカスタマイズをかけたのが逆に鬱陶しい。業務効率が下がるのでオフにしたった。

 当然ながら、ショボいパソコンをあてがわれると、エンジニアに限らずテンションが下がる。処理する度にいちいち重くなる。ソフトの起動に4分かかる。Windows 2000世代で使ってたソフトを無理やり動かしている。そんなショボいPCを使うことで、どうでもいいところで作業効率が落ちてしまう。

▪️まともなPCつかわせてくれ

 一般的な会社はPCに無頓着なところが多い。あてがわれたPCのマウスがねっとりしていたこともあった。マウスを握った途端、仕事のやる気が失せたものだ。また、PCの履歴を見ると、前任者の性癖が分かるデータが出てきたPCもあった。お前、会社で何やってたんだ。

 また、Corei 7 を積んでいるにもかかわらず、モニタが800*600という残念なPCをあてがわれたことがある。PCを使う上でモニターというのが重要だということを、身をもって学ぶことができた。

 ソフトウェア的に残念だったのが、Officeの2000〜2010までの歴代バージョンがインストールされており、おまけにOpen OfficeまでインストールされているPCがあった。そんなにOfficeをインストールして何をしたいんだ。たまに挙動不審なダイアログが立ち上がるのが印象的だった。

▪️倹約精神を発揮したいならメンテナンススキルを

 スキルの無い担当者が倹約すると珍システムが誕生する。倹約するというのは、高い管理能力や多くの知識、情報が必要だ。一度買ったPCやサーバを長く使うだけが倹約では無い。費用対効果を最大限に上げるのが本当の倹約だ。

 旧式のシステムを動かし続けることで、逆にランニングコストがかさんだり、リスクが高くなることもある。「ソフトウェアなんだから、いつまでも同じように動くだろ」とよく言われるが、ソフトは変わらなくても世の中が変わる。相対的に陳腐化するのだ。同じように動かし続けたければ、世の中の動きを把握して、それに合わせていくスキルが必要になる。

 人が変わる度にPCやソフトウェアを買い換えるというのは、確かに現実的にきつい。だが、人が変わる度にメンテナンスは必要だ。前任者のバックアップをそのままPCに置いておくのはやめて欲しい。いったいそれをどうやって活用する気なのだろうか。セキュリティー的なリスクが伴うこともあり得る。

 ハードウェア、ソフトウェアの資産を最大限に活用するのに必要なのはプランだ。プランを立てるためには、最新の動向や管理方法、保守の条件等、多くの情報を把握する必要がある。単なるケチケチ根性だけでは倹約はできない。倹約も戦略性が求められる時代ではないだろうか。

▪️現実的にIT資産を活用するには

 数年前であれば、PCの性能がどんどん上がっていた。長く使うより2、3年で買い換える方が費用対効果が高かった。だが、最近はちょっと状況が変わってきた。安いPCでも十分に業務をこなせる性能があるので、買い換えるメリットが少なくなってきた。

 単に性能だけで買い換えるという時代ではなくなってきたように思う。オフィスで使うにしても、省スペース性を重視するか、性能を重視するかで選択する機種が大きく変わる。モバイル用途でもiPad等のタブレットで代用するという選択肢も出た。活用方法で機器を選ぶ時代になったと思う。

 古いPCを活用するにしても、ハードディスクをSSDに変えるという選択肢がある。これだけでもかなり変わってくる。また、Windows 10 がリリースされればOSを無料でアップグレードができる。導入時の状態で使いつづけるのは無理があるが、適切なメンテナンスを行うことで、大幅に使用可能な期間を伸ばせる見込みがある。

 まともに動くPCというのは仕事をする上で重要だと思う。にもかかわらず、文房具感覚で考えられてしまうこともある。現代ではビジネスにPCは欠かせない。活用に関するプランも、もっと考えられてもよいのではないだろうか。

---あの日あの時、笑顔で渡されたねっとりマウスの感触を今でも忘れない。

Comment(6)

コメント

ヌメ猫

マウスのホイールって結構な確率でヌルヌルしてません?
可能であれば自前のマウスを持ち込みます。

いすか

ベタ付くマウス、経験あります。イヤですよねえ、あれ。
ただ、個人的にもっと嫌だったのが、Enterキーが固まったキーボードです。Enterキーを軽快に叩いてサクサクコーディングしたいのに、炭酸でもこぼしたのかなんなのか、ガギッ、ザリッっとひっかかる……。
「数千円の安いやつでいいから代えてくれ!!!!」と即座に頼み込んで交換してもらった覚えがあります…。

ATARIman

現役社内システム担当としては心が痛くなります。

以前いた職場では「必要な時一番安いモデル」が購入の絶対条件で、
メモリも1Gか2G、HDDは160Gとかそれ以下。増設?金がもったいない!
WindowsUpdateが始まるとみんな自主休憩に入っていましたよ(w

今いる職場ではSSDに交換&OSクリーンインストールとメモリは最低8GB
ユーザーに渡していますが、これでも「動きが遅い、メモリを増設しろ」と
言われます。
そんな時はiTunesやその他いろんな常駐アプリを先に削除させますけどね。

退職等で返却されたマウスはホイールとボタンのクリック感を確認して
クリーニング、共用PCに使用したりマウスが壊れた人の予備に使用。
キーボードはキートップの印刷かすれは即アウト、エンターキーや
母音キーの動きがしぶくなっていたらクリーニングして予備に。
手に触れる機器については極力新品を出してます。

個人的には一番手短にある「モノ」をストレスなく使えないと、
その「モノ」を使って良い仕事なんてできるわけないじゃん。
と考えております。

>ヌメ猫さん
マウスのホイールがぬめるのは、ホイールの素材であるシリコンがしみだして
来ていると教わったことがあります。寿命と判断して廃棄をお勧めします。

>いすかさん
正常使用でキーが渋くなったら寿命です、お気に入りのキーボードを要求されてみては?
私は「タイピングは万年筆の書き味と同じようなものです」と言って上司を説得して
リアルフォースとハッピーハッキングキーボード(US配列)を導入させました(w
なお、導入させた本人には数量不足で支給はなかった模様(涙

pepper

最近、可能な限り、持込です。
> マウスのホイールがぬめる
使えてますね。 ちょっと気になるけど、
> キーボードはキートップの印刷かすれは即アウト
CapsLock他の文字が読めなくなってるけど、問題無し。チャタリング気味の時もあるけど、いつの間にか直ってる。
> ハッピーハッキングキーボード(US配列)
US配列はパス。かな入力してます。US配列も使えますが、効率が激落ち。
> WindowsUpdateが始まるとみんな自主休憩に入っていましたよ(w
目に見えるコストのみを削減の典型。

yasu

素材によっては加水分解でねっとり感が出てきます。

はと

マウスとキーボードくらい自前で用意すればいい

コメントを投稿する