コミュ力は仕事の能率を上げるか

ライフハック | ワークスタイル

» 2014/03/27

■コミュ力への疑問

　まぁ、就活の季節なんだろうか。それとも、年中就活シーズンなんだろうか。リクルートスーツの学生を見ていると思う。似合わねーなと。就活だからって、普段着慣れないもの着ても似合わないし、現場にそんなダッサいスーツなんてき着ていかないぞっと。

　同じ服装という同調を要求する社会と、それに同調する学生。こういうのを円滑にやるのがコミュ力なのだろうか。似たようなやりとりをよく見かける。相手が目上でも、無意味なものは無意味だ。誰かがきっちりと言ってやるべきでは？ そうしないと、限りなく儀式的なしきたりばかりが増えて、業務に支障をきたしそうだ。

■コミュ力が高いと仕事の成果があがるのか

　答えは4分の1、イエスだと考える。まず、上に立つ者の実力が伴っている場合、かつ、従う者にも実力が伴っている場合に、コミュ力は正常に作用するからだ。

　上に立つ者に実力が無ければ、それに忠実に従っても成果は望めない。上に立つ者の実力があっても、従う者に実力が無ければ、コミュ力はトラブルの対応に使われる。コミュニケーションが円滑にはなっても、成果は上がらない。双方に実力が無ければ、紛争が勃発する。双方コミュ力が高くても、実力が無ければ当然成果は望めない。紛争を抑止するだけで、生産性の低い営みが盛んになるだけだ。

　ただ、コミュ力があれば環境を快適にはできるので、それにより、効率が上がることも望める。だが、コミュ力で解決できるがゆえに、なーなーで済ます事例もある。なので、コミュ力自体が仕事の成果を上げる要因には成りえない。双方に実力があれば、なーなーで済ます事例を抑止できるので、その場合のみ、環境を快適にする効果で業務効率が上がると考えている。

■コミュ力を否定する理由

　まぁ、快適に仕事できるならいいじゃないか。やっぱりコミュ力は必要だよ！という人もいるかもしれない。だがそれは違う。むしろバカにコミュ力は必要ない。それよりも実力をつけよう。バカがコミュ力を高めるのは、怒り狂う人に拳銃を渡すようなリスクになる。

　コミュ力とは人間関係の同調力だ。同調する相手を選ばないと、取り返しのつかないことになる。例えば、向上心の無い人同士でコミュ力を発揮したらどうなるだろう。快適さばかり追求し、生産性の無い集団になる。友達同士ならいいが、会社の部署だったら致命的だ。

　最悪のケースは、嘘をつく、ごまかしの多い人同士でコミュ力を発揮した場合だ。お互いに嘘を許しあい、意気投合する組織が出来上がる。嘘やごまかしが追求されないため、真実がわからなくなる。居て心地はよいが、成果を上げることのできない、ぬるま湯地獄だ。特に大企業にこういう組織が多いと思う。

■なにより反動が恐い

　なにより恐いのが、コミュ力による反動だ。コミュ力というのは、非常にエネルギーを使う。納得できない意見に同調したり、自分の意志が通らないことも多々ある。なので、ストレスが溜まる。また、相手との腹の探りあいで思考力というリソースを食う。

　会社で起こるパワハラなんて、コミュ力を行使しすぎた代償だと思う。目上にへーこらし過ぎて溜まったストレスが下に爆発する。そういうパターンだ。上にも下にも、別け隔てなくパワハラする人は少ない。

　また、同調する事に思考力のリソースを食い過ぎて、やるべき本業に回す思考力が無くなる人もいる。なので、思考力のリソースの豊かではない人にコミュ力を求めるのは間違いだ。最低限のコミュ力で、仕事に思考力のリソースを集中させるのだ。そうしないと、仕事の成果なんて上がらない。

　コミュ力も体力と似たようなものだ。結局、脳筋使って考えてるのに変わりがない。働くための条件。みたいに過剰に求めるのはいかがなものだろう。いちいちハードル上げすぎるから、いざ本番で力尽きるのだ。入社後、すぐ辞めたり、異様に物覚えの悪い新人くんは、そういう理由だと思っている。

　先人に好き放題言われるので、今の学生も大変だと思う。申しわけないので、先人として大いに反省したいところだ。