いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

一瞬の”ムカッ”の損失

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■ある日の通勤電車での出来事

 最近、通勤の電車で数独をよくやっている。数独といってもスマホのゲームだ。解き方が分るとなかなか面白い。結構やりこんでいて、普通レベルの問題なら、コンスタントに10分程度で解けるようになった。

 そんなある日のこと、いつも通り電車の中で数独をやっていた。ちょうど私の隣に、凄く不機嫌そうな男性がいた。朝っぱらから満員電車で、さぞかし気分が悪かったのだろう。カリカリした空気をまき散らしていた。

 その男性がちらっと私を見てぼっそっと呟いた。「何なんだよ・・・コイツ」。お前こそ何なんだよ。そのツラでいきなり何を言う。失礼にも程がある。小一時間問い詰めたいくらいにカチンときた。

■カチンときて気付いた損失

 私は、何もしないでも目立つタイプだし、態度もデカい方だ。私にも何らかボヤかれる要素はあったかもしれない。しかし、その男性のボヤいた内容より重要なことがある。

 男性がボヤいたからと言って、別に何をした訳でもない。ただ、かなり苛立っていた。その男性が、いかにも仕事できなさそうな感じで、以前関わっていたダメ上司に似ていたからだろうか。私はムカムカした気持ちをぐっと押さえて、いつも通りスマホで数独をやっていた。

 そこで、数独の問題が解けなくなっていることに気付いた。いつもなら10分で解ける問題が、20分かけても解けないのだ。

■気分を計測することの難しさ

 イライラしている時に、思考力や計算力等が落ちることはよく知られている。ただ、具体的にどのくらい下がるかを、数値的に計算したことがある人はどのくらいいるだろうか。私はこのできごとを通じ、数独の問題でそれが計測できた。

 気分というのは、自分でも自覚するのは意外と難しい。イライラしてないつもりでもイライラしていることはよくある。ましてや、個人差も大きいので、人がどういう気分かを把握するのはさらに難しい。

 そういう難しい計測を、数独のスコアで把握できたのは貴重な体験だったと思う。自分の精神状態を明確に把握した状態で、問題を解くタイムで数値化されているという明確な結果が得られた。個人的にはかなりインパクトの強いものだった。

■気分というものを軽んじていないだろうか

 仕事をしていて思うのが、この気分への配慮が足りないということだ。特に、いかにも仕事してます。というノリの人に多い傾向だ。ちょっとしたことでイラついたり、人にあたったりと、自他ともに配慮ができていない。

 確かにイラつく背景は分る。しかし、気分を制御できないことで明らかに損失が生じている。気分は、ある程度は自分で制御していくべきものだろう。しかし、完全に個人任せになってはいないだろうか。

 本当にビジネスで効率化を図るのであれば、システム的に気分良く仕事ができるように仕組みを構築してはどうなのだろう。業務フローと違って、社風や業務内容によって、こうすれば改善できる。というポイントが絞りにくい。また、最終的な結果と気分を結びつけるのは難しい。

 ここまでシステム的に動く世の中で、何かを改善しようと思ったら、もう、人の精神くらいしか改善点は無いんじゃないだろうか。そういうところに焦点が当たれば、意外と私たちは幸せになれるのかもしれない。

Comment(3)

コメント

ちゃんと朝起きて、満員電車に乗って、会社に行ってるアンタはエライッ!!

仲澤@失業者

座っていたら頭をグーで殴られたので、
持っていたノートパソコンをで、足の親指同士の間に
アッパーカットを入れました。彼は次の駅で降りました。

10年ほど前の、JR中央線での出来事でした(笑)。

ardbeg32

いやまったくそのとおり。一日中ハッピーな精神状態にすることが出来る方法が見つかったら、生産性云々以前に世の中がゴロッと変わると思います。
経済の動機自体が変化するかも知れず、なにかもっと前向きになれそうな。
すくなくとも瞬間湯沸器抑制剤が販売されないものでしょうか。

ちなみに私は電車のドアでセミのように張り付いている奴を見たらムカッと来て強引に押しのけてしまうタイプです。ちいせぇよなぁorz

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