いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

ファイナルストライク

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■とあるゲームの技の名前

 ファイナルストライクとは。とあるゲームで、武器を破壊する代わりに強大な攻撃力を発揮する技だ。レアな武器でこの技を使うにはちょっと勇気がいた。キャラクターは死んでも蘇るが、この技を使った武器は消滅する。ある意味、キャラクターが死ぬよりインパクトのある技だった。

 まぁ、昔のゲームの話なのでうろ覚えだ。この技の名前って、仕事してたりするとたまに頭の中をよぎることがある。

■リアル・ファイナルストライク

 この「何かを代償にして、強大な攻撃力を得る」という技だが、たまに現実でこれに近いものを見かける。現実の場合は、子供さんの運動会とか、楽しみにしてたライブの予定を休出に代えて一気に仕事済ますとか。

 私の場合、予約してた旅行を突然キャンセルしてこのファイナルストライクを発動した。この技を現実で使うと、すごく後味が悪いというか、勝っても勝った気がしないのが悲しいんですよね……。

■ファイナルと言いつつネクストがある

 だが現実は厳しい。このファイナルストライクを発動しても、たいていは一時しのぎにしかならない。こちらがファイナルでも、困難にはネクストがある……。何かを失ってなお戦い続ける。そんな戦況に、あるアニメで聞いた台詞を思い出す。

「僕がお前達に教えた戦い方……それは、消耗戦だ!!」

 教えたはずなんだがスルーされているんですよね。しかも、そのアニメみたいに何かを守るためとか崇高な目的も無い。強いて言うなら、守るものは明日の食いぶちかなぁ。

■よく考えてみた

 こうもファイナルストライクを連発すると、ファイナルがファイナルでなくなる。気がつくと、代行策を考えて「仕方ないかな……」という雰囲気で済ませてしまう。

 慣れる事で確かにしのげるようにはなるのだが、何かを失ったような気がしてならない。案外、本当のファイナルストライクは予定とか時間じゃなくて、精神的な何かを代償にして発動させていたのでは……。

 そう、何かを代償にした覚えがない。「失って気づくものもあるさ」なんてカッコつけてる場合じゃない。とりあえず、何を引き換えにしてるのか己に問うてみることにする。
 

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