いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

エンジニアは理系か文系か

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■一般的な感覚

 一般的には、エンジニアと言えば理系の仕事の最たるものだろう。よくは知らないが、理系の学生がエンジニアになる事が多いみたいだ。確かに、設計とか研究職ならそうかなぁと思う。

 しかし、システム系で考えれば、別に理系が有利だとは思わない。むしろ、文系の人の方が有利な事も多い気がします。

■見方を変えて見てみよう

 プログラムを組む時に使うもの。まさにこれは“言語”だ。コンピュータの使う言葉でプログラムを組んでいる。「んな馬鹿な事をぼやいて……」と思うかもしれない。人間の使う言語とは大きく離れているように思うかもしれないが、実は似ている事が多い。

 例えば、重複処理について。普通に文章を書いていても、重複する表現が多いと読みづらい。内容がくどくなる。ループしなくていい話を延々と繰り返すと、結局何が言いたいかわからなくなる。また、簡素なコード、後で読んでもわかりやすいコード。これもプログラムを組む上で必須だろう。文系では、簡素な表現や後で読んでもわかりやすい書き方、これが感覚的にわかり易かったりする。

■実務で決定的なアドバンテージがある

 そして何より、文系の方がドキュメントの作成能力が高い。実務において、散々なドキュメントを多く見るが、これは明らかに理系の人が書いたなと思う事がある。理論はすばらしい。しかし、人に伝わる形にするには、文系的な要素が必須だと考える。

 そして何より、実務では、コード書いたりサーバをいじったりするより、ドキュメントを作成してる時間の方が長かったりする。メールでの報告や、会議なんかでもそうだ。文系的な要素が役に立つ場面は、かなり多い。

■理系が有利は一つの観念でしかない

 ”コンピュータ = 理系” というのは、十五年前の話だと思う。ハードとソフトが直結して動いているような時代の考え方だと、個人的に思っている。現代では、大きく事情が変わっているのではないだろうか。

 それに、理系だからといって数学的な事ばかりやってるとは限らない。地道に対象を分析する作業を繰り返したりもする。これは文系の文学の対象を分析する作業に似ている。また、文系でも文章を考える際に、理論的思考は必須だ。

 もっと、文系の学生がエンジニアを目指して欲しい。そうすれば、業界に新しい流れができるかもしれない。

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