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本を書ける人がなかなかいない

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エンジニアライフ読者のみなさま、こんにちは。

自分は本を書くだけではなく、ある出版社と編集者契約をしておりまして、作家志望の方を探してきて本の企画と編集を行うという仕事もさせていただいています。

編集者をやることにしたきっかけ

以前から、「自分でも本を書いてみたい」という相談を受けることがしばしばあります。世の中、読書が好きな人は多いですが、本を書きたいと思う人は非常に少なく、珍しいことです。

しかしながら、自分が取引している出版社に紹介するのも難しいという側面があります。というのも、出版の実績がなく、無名の作家さんはなかなか本を書かせてもらえないものなのです。

ということであるならば、いっそ自分が本を企画するところから入って、作家さんといっしょに本を作っていったほうが効率的であり、作家さんの夢や思いを実現できるのではないかと考えたのです。

出版までの道のりは険しい

現実として、本を一度も書いたことがない人が出版までこぎつけることはほとんどないのが実情です。

・お金目当て

商業誌ですから印税に期待するのは別に悪いことではないのですが、「本書くと1万部は売れるんですよね?」とのっけから言われると、エッッッとなってしまいます。本を出しただけで売れたのは30年前の話。

本を書くとそれなりにお金が入ってくると思い込んでいる人がいて、現実の収益を教えると、そのまま辞退されていきます。

・企画がマッチしない

本作りにはお客様視点が必要です。お客様というのはお金を払ってくれる読者のことです。

技術書であれば、読者の課題を解決するのが目的です。

エッセイであれば、読者の人生に役立てることが目的です。

読者のほうを向いて、本が書けるかどうか。これができないと企画として通らないです。

・根気が続かない

ブログを書くのと違って、本の原稿執筆は長期間かかります。何ページの本を書くかにもよりますが、自分の場合、技術書は年単位かかっています。エッセイだと1~2ヶ月です。

書籍執筆は副業的な位置づけとなりますので、仕事や家庭の合間を縫って進めていくことになります。やってみるとわかりますが、結構大変です。最近の悩みは手首の腱鞘炎が酷くて、時間はあっても原稿が進まない日があります。

スローペースでありながらも、最後までやり抜くということができないと、結果として原稿落ちとなってしまいます。

これまでたくさんの作家志望さんを見てきましたが、ブログは書けても本が書けない人が実に多いですね。

おわりに

本作りは手間暇かかる上に、たいした収入にならない仕事ではありますが、苦労して作ってあることからこそ、読者は買って読んでくれるのです。

自分が書いた技術書を、10年経っても読んでもらえているので、エンジニアとして冥利に尽きます。

Comment(3)

コメント

h

はじめまして。

>しかしながら、自分が取引している出版社に紹介するのも難しいという側面があります。
>というのも、出版の実績がなく、無名の作家さんはなかなか本を書かせてもらえないものなのです。

出版業界の事は全く知らないのですが、自分の勝手なイメージ(漫画の持ち込み的な)だと
印刷して製本だけすればいい状態で出版社に持ち込み、内容的に問題なさそうであれば
多少の修正を加えたのち出版なのですがこれは少ないパターンなのでしょうか?

なんか書いてある文章を読んで持ったイメージは
・どのような本を出すかだけ決定して契約
・契約(ないし内示)後にプロット作成
のように読めるのですが、漠然と本を書きたいから紹介してくれとかって人がそこそこいたりするのでしょうか。
勝手なイメージでは既にあらかた完成した状態で「これを出版してもらえないか?」という相談が大半と思っていました。

平田豊

hさんへ

作家志望さんから「XXについて本を書きたい」という相談を受けてから、
どんな本にするか企画を立てて、原稿を作っていくのが一般的です。
すでに原稿ができている状態なのであれば、まずは自費出版や
noteで販売してみて、手応えがあるなら、商業誌化するのがおすすめです。

h

返答ありがとうございます。

いえ、自分で本を書いているわけでも書きたいわけでもないのです。
作家志望ならとりあえず読める状態の何かがあるのが当然でないのかな?
と疑問に思ってただけですので。

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