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『逆転転職』第3話:逆転最終面接

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『逆 転 転 職』 

第3話:逆転最終面接

■□■

 11月25日 午後10時00分、某会社某会議室。

😅「うぅ……とうとうここまできたか、やっぱ、緊張するなぁ……」

 ボクの名前は安原テンマ(やすはらてんま)。入社6年目、転職活動中のシステムエンジニアだ。

 就業規則を律儀に守り、3カ月前に会社に辞める旨を伝えた。9月は自己流で転職活動をしていたが、全滅。藁(わら)をもつかむ勢いで、転職紹介会社を通じて転職活動をしている。

 12月に退職は決定していたので、逆算して、

  • 10月:書類選考・1次面接
  • 11月:2次面接・最終面接

というスケジュールをその紹介会社のエージェントさんに作ってもらった。エージェントさんに手伝ってもらうメリットとしては、これ以外にもいくつかある。

  1. 応募状況の進度管理
  2. 選考結果のフィードバック(特にNGの時の理由が知れるのは個人ではムリだった)
  3. 11月末のターゲットに向けて、常に3社以上を残すように過去の実績から追加で応募しておいてくれる(その判断はあくまでも自分だが)

 個人でお金を支払わなくてもこれだけのサービスを受けれるのはとてもうれしい。エージェントの千代田さんの後任である森ひなさんもとてもがんばってくれて、書類選考が通り、1次面接、2次面接と通過。11月の半ばの今は、最終面接ラッシュとなった。

♉「それでは最終面接です。社長と総務本部長の2名でお話を伺いますので、がんばってくださいね」

😊「は、はい!がんばります!」

♉「失礼します、面接でいらっしゃった安原さんです」

😠「よし、悔いの無いように、自分の気持ちをしっかりと伝えよう」

-面接開始-

♌「まぁ、そんなに緊張しないで。はい、じゃあ座って話しましょう」

😨「ありがとうございます!(あ、なんかいい人だ、よかったぁ……)」

🐶「顔色悪いですが、大丈夫?」

😅「はい、すごく緊張しやすくて、今日は胃薬飲んで来たので大丈夫です」

♌「そりゃ、大変だ。じゃあ、こちらもあまり緊張させないようにしないとな」

🐶「ですね、では、さっそくはじめますか、社長」

♌「じゃあ、簡単に自己紹介を。わたしは代表取締役社長をしている安須です。で、こちらが……」

🐶「総務本部長の小布です」

😌「はじめまして、安原テンマと申します。本日は貴重なお時間をいただきとってもうれしいです。もし良ければ名刺いただけますでしょうか?」

♌「はい、じゃあよろしく」

😃「ありがとうございます、こちらこそよろしくお願いします」

🐶「わたしも、今日はよろしくお願いします」

😃「ありがとうございます、よろしくお願いします」

🐶「じゃあ、一応、ありきたりだけど、なんで転職を考えたのですか?」

😌「現在勤めている会社は、数年前から親会社の統合で、社長が代わり、また社員構成も親会社からの転籍率が高くなりました」

♌「へー、それは大変ですね」

😊「それもいい経験だと考えるようにしています。ただし、1つだけ、入社当時の会社の方針がいまは全く異なってしまいました。1年間は努力したのですが、やはり自分には合わないのだと考えました」

待った!

🐶「自分に合わない?」

😅「はい、自分はエンジニアとして入社しました。体制が変わった後はエンジニアでも営業として売り上げ目標を全社員に設定されてしまい、技術力を高めることがなかなかできません。まだわたしは、技術力に磨きをかけたいと考えています」

♌「なるほど、そういうことだったのですか……」

🐶「では、なんで、うちを志望したのですか?」

😃「転職紹介会社の担当者の方からも、こちらの会社は技術者としての育成に力を入れていると言うことで聞いています」

🐶「なるほど、そういう会社はうちのことをそう評価するんですね」

♌「でも、それってベンチャー系だとたくさんあると思いますが、そのあたりはどう考えていますか?」

😌「確かに、そういう会社さんはありましたが、創立以来、その方針がぶれていない唯一の会社だと、わたしは考えています」

待った!

♌「どうして、そう考えたのですか?」

😅「この最終面接前に、現場の方との面接がありましたが、その方はいろいろな年代の方がいらっしゃいました。技術者思考の方も何人かいらっしゃって、その方との会話から、信じれたといいますか、考えることができました」

🐶「それはうれしいですね」

♌「いや、本当に」

🐶「現場面接でも評価は良く、わたしとしても、一生懸命さが伝わり、わたしはこれ以上の質問はありません。社長はいかがですか?」

♌「年収の件だけど、希望している額はこちらでは厳しいのが現状です」

😣「それは覚悟しています。ただし、転職紹介会社さんとご調整いただいている金額でも納得はしています。技術者として働けるのであれば満足できる額だと考えています」

♌「その気持ちはうれしいですが、安原さんはご家族いるんでしょう?その部分は、慎重にご検討してください」

😃「はい、お気遣い、ありがとうございます。」

♌「1つだけ、私が約束できるとしたら、あなたのがんばりで数年でイーブン、そのあとは巻き返しができると考えています。あなたが我々の仲間を信じてくれたように、私もあなたがこの会社に入ってくれれば、そうなることを信じています。また、お会いできることを楽しみにしています」

😌「安須社長、小布本部長、本日はありがとうございました!」

-面接終了-

 最終面接は30分から1時間で終わることが多い。ただし、会社を背負っている人たちとの会話は密度が濃く、1日に1つこなすので精いっぱい。

 また、2次面接と最終面接は平日日中に実施されることがほとんどで、休んで対応しなければいけない。なので、1日に2つ入れたことがあったが、翌日に熱が出るほど大変だった。

 よく考えれば、ボクの場合はすでに退職宣言しているので、休みは取りやすかった。だけど、普通は転職先が決まってから辞めることをいうだろうから、この休みの回数の多さから、転職活動をしていることが周りにバレはじめるのかもしれない(つづく)。

※このドラマは、作者の体験を元にしたフィクションです。

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