ホワイトな大手企業へ転職!その90 求人広告に掲載されていたとこへ面接に!
職安だけでなく、毎週新聞と一緒にポストに投函されてくる求人広告にも私は目を通していた。そしてある日、興味深い求人情報が私の目に留まった。会社名は聞いたこともなかったが、職種は製造で大手企業内での仕事、給料は25万以上、勤務時間は8:30~17:30というそれなりの好待遇だ。しかも求人広告の掲載箇所には女の子が5~6人、作業着姿で笑顔で写っている。この女の子の写真で私は応募を決めたのだ。すぐに電話で募集期限の有無を確認することに、「まだ募集しております」との返事、「履歴書、職務経歴書を御持参ください」ということで、まだ有休が余っていたので私は有休を使って早速面接に行くことにした。会社で作った履歴書、職務経歴書を用意し面接会場へ向かったのだ。
超大手企業の肩書もあるし、職務経歴書には技術の仕事も経験していることを書いていたので合格する自信はあった。そして面接当日、超久しぶりにスーツを着て私は面接会場に向かった。某駅前のビルの一室、入るなり髪の毛をとかしてなさそうな不潔そうなおばちゃんが現れた。「どうぞ」と言われ座ってお互いに対面になる。「こちらは本日の交通費ですので」ってことで500円玉を渡された。そして「勤務時間はAM8:30~PM20:30分まで拘束されますから!」。いきなり掟破りというか、広告には書いていない勤務条件を提示された。更に今度は電卓を取り出してパシパシと何かを計算しているようだ。「この勤務時間ですと・・・」なんて言いながらパシパシ電卓をはじいている。そして「これがあなたの給料になります」と、電卓の画面を見せられた。230000円。
またまた広告と違う。この間、私は一言も喋っていない。というよりも喋る隙もないのだ。こちらのことはまったく考えずに、まったく喋る隙も与えずに、一方的に自分の有利な方向に話を進めていく。ねずみ講やマルチ商法の勧誘とやり方がまったく同じだ。そこで私は眠るフリをした。それでもおばちゃんはお構いなしに喋っている。要するに相手の様子など見ていないのだ。ほんとに自分の世界に入ってしまっている。なので今度はおばちゃんを睨みつけることにした。するとようやく私の不機嫌さに気づいたらしく「興味ないですか?」と問いかけてきた。