筆者は1970年生まれ。先輩から、情報技術者を目指す若い方へ生きてゆくためのコラムです。

経営コンサルタントに学ぶプレゼンテーション術

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 @IT自分戦略研究所エンジニアライフ編集担当さんのリクエストにお応えして……。僕自身は、一度仮想自営体験をしたわけなのですが、ベンチャー企業を興す場合、的確なセールスポイントを一般聴衆、ないしは投資家、エンジェルたちに明らかにする必要があります。

 要はプレゼンテーションは「相手に伝わってなんぼ」のものなので、本当にこれでOKか? 本当に融資につながる説得なのか? を自己分析する必要があります。これが、まず押さえておくべきポイントです。

 僕は経営者事情を探るべく、中小機構(中小企業基盤整備機構)のセミナーを受けに行きました。

 経営コンサルタントさんたちは「プレゼンのうまさ」というよりも、むしろ「このようにプレゼンをすれば効果的」という内容が多かったのでした。

 スライド(PPT)は最小限に。退屈させない、飽きさせない話のメリハリ。身振りや視線の使い方。さすがは経営コンサルタントと言うべきでしょうか。大阪梅田のセミナーは、たったの3万円で、相当勉強になりました。

 受けたのは、中小機構の「創業支援アドバンスコース」というものです。プレゼンはその一環です。具体的な方法を述べると、講師の方の著作権などがありまして、そういう規則がやかましいので、何とも言えませんが、要は、

  • 5W1Hをはっきりさせる(いつ、誰が、どこで、何を、どう、手段は)
  • 家族に聞かせて分からないプレゼンはプレゼンとして成立しない(ひとりよがりにならないように)
  • 記憶(具体的な資金支援の要請など)と記録(自社ホームページを見させるなど)に残させる
  • SWOT(強み弱み)分析の基本形は守る
  • プレゼンの中に必ず具体的な数値を入れる(データを盛り込む。何%、何割など)
  • 最後にだめ押し(伝えたいことの繰り返し説明)

【最低限必要なのは5W1Hをはっきりさせること】

  1. いつ:自分の持ち時間の明確化
  2. どこで:会議室の場所を事前に確認する
  3. 誰が:自分と誰々、計何名 話題を振るタイミングを見計らう、チームワーク
  4. 何を:会議の目的、個人の信用を高めるために行うプレゼンテーション
  5. どうやって:プロジェクター、パソコン、ホワイトボードなどの道具

【子供に語り聞かせるように明快に】

  • はじめの3分でハートをつかめ(つかみはOK)。
  • 独りよがりにならないように。実際に自分の家族にプレゼンしてみて理解が得られないものは、誰が聞いてもわからない。
  • 聞き手のことを理解しようとしない創業者は、たとえ製品商品が良くても伸びない。お客さんはプレゼンテーションを通して、この人が商売上手かを見極めようとしている。
  • 相手はまずあなたのことを、何も知らない。例えば、何も知らない子供に語り聞かせるぐらいでちょうど良い。
  • プレゼン中に、もし相手がメモを取り始めたら、こちらの勝ち。本気の証拠。

【記録と記憶に残すようにする】

  • 何らかの金銭的な協力や支援をお願いするために行うプレゼンテーションは、単に「おもしろかった」「うまくいきそうなビジネスだ」と思わせるだけでは不十分。
  • 投資家やエンジェルに対しては、「出資話につながりそう」「続きを聞きたい」「もっと詳しく」と思わせるようでなければならない。
  • 記録に残させるということは、その資料あるいはプレゼン内容を、相手の自社に持ち帰って検討する検討材料にならなければならないのだから、しっかりとした紙媒体を渡す必要がある。当然、自社のウェブも、それら社員にしっかり見られている。
  • 具体的な数値データを盛り込むようにして、最後にしっかり締める。

【自社コンセプトの明確化】

  • 商品のコンセプト、事業のコンセプト、会社や店舗のコンセプトを明確化する。
  • SWOT分析を用いて、自社の弱み、強みを明確化する。
  • 製品やサービスを、誰に、何を、どのように提供し、どんな特徴があるのか。

【その他、注意すべき点】

  • 聴衆の中には、話に飽きると寝ようとする人がいるので、たとえば10分に一度、少し大きめの声で話をする。話題を転換する。時に聴衆に質問する。
  • 相手にしてみたら、どこの馬の骨ともわからぬ人間に見えているので、信頼感を与えるように心がける。

 スライド(PPT)は最小限に。退屈させない、飽きさせない話のメリハリ。身振りや視線の使い方。さすがは経営コンサルタントと言うべきでしょうか。大阪梅田のセミナーは、たったの3万円で、相当勉強になりました。

 それを受けた上で、ビジネスプランが皆の前で丸裸にされ、ビシバシ弱点を突かれる。自分で自分の「仮想企業」についてプレゼンしていて、どうも論理矛盾が生じたので、ああ、オレは経営者向きではないなあ、とか思った訳です。 これからは黙って一般企業で働こう……。

 (思索と模索はつづく……)

Comment(2)

コメント

組長

こんにちはー。私は「高橋メソッド」が大好きです!笑

レベルの低い話で恐縮ですが、後輩を指導する時も上司や先輩とやり合うときも、お客さんと折衝する時も、プレゼン力って大事ですよね・・・。

こんにちは!! 何それ「高橋メソッド」……健作、検索、検索!!

Wikipedia/高橋メソッド
……巨大な文字を使う……HTMLファイル……Rubyの会……(笑)

すぐにタグが浮かんで来たのがすごいですね。それにプラスして
「もんたメソッド」(笑)

プレゼンテーション能力は、どこにいても何をしても問われますね。
ツッコミづらい話題でスミマセン……。ではでは~。

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