335.AIタレント
初回:2023/10/25
伊藤園がCMにAIタレント起用した話題が、結構盛り上がっている気がします。
P子「気のせいじゃないの?」※1
まあ、SNSで話題とか言っても、一部の人たちだけで盛り上げってることもあれば、時代の分岐点として重要視している人たちもいるので、あくまで私の興味の範囲で面白そうと思ったので、今回取り上げたいと思います。
1.「AIでCMタレントを作りたかったわけではない」
≪参考1≫
https://mainichi.jp/articles/20231016/k00/00m/040/334000c
これ誰? 伊藤園がCMにAIタレント起用 日本初、SNSで話題
藤渕志保
毎日新聞 2023/10/17 10:00(最終更新 10/18 13:31)
私も、実際のテレビCMで見ましたが、言われなければ全く気づきませんでした。
CM的には、「現在の自分と30年後の自分を表現する手法」としてAIを使用したとのことで、AIタレントを使いたかったという事ではないとの事。ただし、CMを見た感想で言うと、30年前のAIタレントも美人で単なる白髪が少し混じった感じで、現在(つまり30年前)とほとんど変わりがありませんでした。
P子「そら、老けてたら、カテキン緑茶の効果が効いてない事になっちゃうわよ」
という事なら、現役の女優さんに少しメイクするだけで十分表現できたと思います。
P子「批判してるの?」
CM制作会社とか企業の広報担当者とかが、どういう話し合いをしたかは判りませんが、「AIタレント使ってみましょう」「いや、どうなんでしょうか?」「今なら、日本初ですよ」「でもねえ、SNSで批判でもされたら...」「その時は、『現在の自分と30年後の自分を表現する手法』で最適と考えたとか何とかいえば大丈夫ですよ」なんてやり取りがあったかどうか、定かではありません。
P子「完全に妄想ね」
某タレント事務所が揉めていますが、AIタレントを作って育てていけば、少なくともファンクラブとかができてCMとかにも採用される時代がもうすぐ来るのでしょう。そういうAIタレントなら、24時間働かせても良いし、複数個所で同時に活動もできるでしょうし、不倫やらお泊り疑惑とかも起こりません。
P子「複数個所で同時に活動しない、ミッキーマウスを見習わないとね」
2.バットマン フォーエヴァー
話は、30年位昔にさかのぼります。
『バットマン・フォーエヴァー』(1995年)という映画の中で、「高層ビルから飛び降りたバットマンが軟着陸し、そのまま地上をスタスタ歩きだす」というシーンがあったのですが、CG制作会社が自らそのシーンを本編で使わなかったというのが話題になりました。
≪参考2≫
https://japan.zdnet.com/article/35095456/2/
映画を変革するCG技術(前編)--心配性のバットマン - (page 2)
稲田豊史 2017-01-28 07:00
自主規制だったのか、俳優組合からの抗議があったのか真相は判りませんが、時代としてはそういう流れは避けられないのかなとは感じてました。
先の≪参考2≫の中で、俳優サイドがという懸念で、『「ビルから飛び降りる」のはスタントマンの領分だからCGに置き換わってもいい。しかし「歩く」のは役者の芝居の範疇。その防衛ラインを突破されてはなるものかと。』
スタントマンの領域は無くなっても(苦情を受けても成り手はたくさんいる)構わないが、俳優に出演拒否されると困るという事でしょう。
ですが、すべてAIやCGで処理できれば、俳優不要論とまでは言いませんが、力関係が逆転する可能性はあるでしょう。
さらに、最近の話題からです。
≪参考3≫
https://japan.cnet.com/article/35206651/
米映画連盟、エキストラをAIで複製し永久使用することを提案か--俳優組合はストライキ
Sabrina Ortiz (ZDNET.com) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ)2023年07月18日 10時48分
詳細は上の記事を読んで頂ければよいと思いますが、『全米映画テレビ制作者連盟(AMPTP)がエキストラをスキャンして1日分の出演料を払い、同意も報酬もなしに好きなプロジェクトで永久に使用できるようにすべき』との提案に、『米映画俳優組合(SAG-AFTRA)が、満場一致でストライキを承認した』との事。
P子「そりゃそうだ」
3.AIで仕事が奪われる
よく『AIで仕事が奪われる』と大騒ぎしていますが、仕事なんて昔から時代の流れで変化しているものです。飛脚や駕籠かきがいなくなったりしています。
P子「武士という仕事もなくなったわね」
それでも今までは、別の仕事がありました。正確に言うと人が働かないといけない事が色々とあったという事です。
実は、AI化は、あくまで流れであって、実際は『自動化』による『省人化』という流れは、すでに始まっています。これは人がいらないという事です。色々な所で人が必要なくなってきている中で、今まで『安全地帯』だと思っていたクリエータ業が、AI化によって脅かされてきたので、そういう人達が大騒ぎしているだけです。
P子「その言い方はちょっときつくない?」
先のスタントマンならCGと置き換えても良いが、俳優を怒らせるとまずい...というのと同じで、現場労働者(ブルーカラー)の仕事は自動化して奪っても構わないが、クリエイター(ホワイトカラーの中でもエリート社員)の仕事を奪われるのは困る...という事でしょう。
この流れは止められません。
P子「じゃあ、どうすればよいの?」
数万人に一人の優秀な人材になれるよう(なれるかどうか不明で、かつ、努力で達成できるものでもない)頑張るのか、民主主義が機能している間に、多数の仕事のできない人たちが困らないように法整備を行うかが、どちらかでしょう。
現実的には、『ベーシックインカム』制度を導入するしかないと思っています。...将来的には。
P子「でも、日本でもIT人材不足だから、IT教育を充実させて、そちらにシフトすればいいんじゃない」
私は、IT人材不足というのは、まやかしだと思っています。ITこそ、一度ソフトを作れば、好きだだけコピーしたりクラウドとかで多数の人が使えるので、他の仕事に比べて、効率化できます。IT人材不足なのではなく、この業界自体の非効率な仕組みの問題なので、もし、そこを解決する手法がまとまれば、普通のIT技術者は一気に淘汰されると思っています。それこそ、一部の優秀なIT技術者以外は、必要なくなる可能性が一番高い業界だと思っています。
4.まとめ
AIタレントの需要はあると思います。もちろん、握手会などは出来ませんが、CMと映画なら行けそうです。私はファン心理は理解できないので、実在する人物でないと熱が入らないかどうかまでは判りませんが、別の需要の期待もできます。
例えば、AIタレントなら24時間活動でき、ファンからのメッセージに自動応答したり、悩みや相談に答えることができるでしょう。そういう方向性で活動すればよいかもしれません。
P子「色々と大きな変化が起こりそうな予感がするわ」
ほな、さいなら
======= <<注釈>>=======
※1 P子「気のせいじゃないの?」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。