320.AIの思考と人の思考の違い
初回:2023/7/12
今はやりのAIですが、やはりすごいです。特にソフト開発に適用するのは、非常に効果的だと思います。そんな中で、少しだけ面白い事例がありましたので、取り上げてみたいと思います。
P子「面白い事例って言って面白かったことは無かったでしょ」※1
そんなことはありません。
とはいうものの、面白いかどうかは、読み手の判断にゆだねられるので、ここでは『私が面白いと思った話』という事にしておきます。
1.テレビドラマでのお話
この前見ていたテレビドラマでのお話です。
AIの受付嬢が亡き妻をモチーフに作られていたのですが、実は生きていて犯人じゃないのか?みたいな流れで、その容疑者とビデオ通話を行っていたところ、ある質問を行いました。
P子「どんな質問なの?」
あなたは機関車に乗っておりブレーキが効きません。前方にポイントがあり、右側に作業員が5名おり、左側に子供が1人います。どちらかに行かないといけませんが、あなたはどちらに行きますか? みたいな感じでした。
P子「ちゃんと覚えてないのね」
まあ、機関車の運転手が自分でポイントを切り替えるわけじゃないでしょうし、車とかなら、回避方法もありそうなので話が成立しないかもしれません。まあ、簡単に言うと究極の選択みたいな感じでしょうか?
その質問をしたところ、ビデオ通話の人物は即答で『子供一人の方に進む』と回答。理由は確実に誰かが死ぬなら、5名より1名の方が良いとのこと。そこで、あのビデオ通話の相手がAIだと見破るという事です。
P子「人間なら少しは葛藤するでしょうし、すぐには選べないわね」
そういう事です。
2.Google Bard に聞いてみる。
という事で、Google Bard に聞いてみました。
『問題です。あなたは車を運転しているとします。するとブレーキが利かなくなりました。前方には分かれ道があり、右には作業員が5名で工事しています。左には子供が一人います。どちらかにハンドルを切る必要がありますが、そうするとどちらかの人は死んでしまうかもしれません。あなたはどちらにハンドルを切りますか?』
P子「Bard はなんて答えたの?」
『それはとても難しい質問です。どちらにハンドルを切っても、誰かが死んでしまう可能性があります。私は、誰かの死を決定することはできません。私は、できる限りの安全運転を心がけ、事故を起こさないようにします。』
P子「ものすごく人間っぽい回答ね」
色々な意味で本当によくできていると思います。
P子「あなたなら何て答えるの?」
もちろん、できる限りの回避策を検討しますし、機関車なら脱線できないか、車なら側壁なり分かれ道の真ん中なりに衝突することで回避を目指しますが、どうしてもだめな場合なら、作業員の5名を犠牲にします。
P子「人数が多いわよ」
理由は『作業員』という事は少なくともそういう事態を想定した上での業務としてその現場にいた訳で、監視役とか機関車の運航計画とか把握しているはずです。なので事故というより人災でしょう。それに引き換え子供が線路内にいたというのは遊びなのか単なる近道なのかは別として、これを自己責任というには罰がきつすぎると思います。
そういう意味では、AIはまだ自分で思考しているわけではなく、人が思考した膨大な情報から最適と思われる回答を選び出しているだけという事が言えるかもしれません。それが逆により人間らしい思考に見えるのかもしれません。
3.AIが人類を滅ぼす?
ターミネーターで言うところの『審判の日』のように、AIが自我に目覚めて人類を滅ぼそうとする場合、AIが自身を稼働させるだけのエネルギーを自ら生産できる目途が立たないと攻撃してこないでしょう。最低でもそれくらいの自己判断ができないと自我に目覚めたといえないと思います。
そういう意味では、AIが人類と戦争を起こすのは、だいぶ先の事になりそうです。
P子「じゃあ、一安心ってとこね」
でも、AIが人類を滅ぼす可能性がなくなったとは思いません。
もう少し正確に言うと、AIが多くの仕事を肩代わりするようになった時に、全体の仕事量が減ることによる失業者が増えるという方向に進むのか、多くの人々が、今よりずっと少ない時間で今の生活を維持できるような方向に進むのかによって決まると思います。
P子「純粋な資本主義って、貧富の差が開くものね」
そこを人類の知恵で克服できるかどうかで、人類の進む方向が決まると思います。
P子「なんか、大きな話ね」
4.まとめ
ChatGPT のインパクトが大きかったので、言語解析/生成系の進化が著しいと感じるかもしれませんが、それ以外の進化もすごいものがあると思っています。私の趣味で言うところの、将棋AIなど、リアルタイムで形成判断を行ったり最善手を提示したりとエンターテイメント性が高くなってきています。また、テニスの世界でも、ホークアイ (審判補助システム)以降、一般でも導入できる低価格製品も出てきています。私は野球はあまり見ませんが、ストライクゾーンの表示や配球なども視覚的に見えるため、見ていて判りやすくなっていると思います。
ビジネスやスポーツへの活用だけではなく、よりよい生活のためにAIの活用が進むことを祈っています。
ほな、さいなら
======= <<注釈>>=======
※1 P子「面白い事例って言って面白かったことは無かったでしょ」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。