今、話題の人工知能(AI)などで人気のPython。初心者に優しいとか言われていますが、全然優しくない! という事を、つらつら、愚痴っていきます

292.本気の防衛問題

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初回:2022/12/28

 防衛費を倍増すると、何か良い事でもあるのでしょうか?もちろん、アメリカなどは、巨大な軍需産業があるので利益も大きいのでしょうけど、日本の場合、アメリカの武器を購入するばかりで、日本国内への利益還元が余りないような気がするのですが、知らない所で、やり取りがあるのかもしれません。

P子「武器を国内で内製化して、輸出するつもりかも」※1

 防衛のために海外から武器を輸入するくらいなら、国内生産すべきでしょう。

 さて、今回は、そのような事が言いたいのではなく、防衛問題を本気で考えるとどうなるか...ということを考察してみたいと思います。

P子「また、技術と関係ない話をするなって、苦情が来るわよ」

 技術者が政治・経済に口をはさむなというご意見もありますが、今回の結論は、思いっきり技術者に関係する話です。

1.専守防衛では守れない?

 ≪参考1≫
  https://www.fnn.jp/articles/-/454004
  「攻めるは易く守るは難し」専守防衛は終わりが見えない消耗戦~言葉遊びの国防論議はもうたくさん
  フジテレビ解説委員 岡野俊輔
  2022年12月5日 月曜 午前11:42

 最初に私の結論を言っておくと、日本は絶対的に『専守防衛』であり『憲法9条』遵守の立場であるべきだと思っています。

 さて、先の≪参考1≫での問題点はというと、野球やサッカーを題材に『専守防衛』では勝てない...という事ですが、当然でしょう。そもそもスポーツは戦って勝敗を決める事を目的に作られていますから、そんな例を持ち出せば、『専守防衛』では勝てないという結論しか生まれません。

 例えば、ジェンガという積み木くずしゲームがあったとしましょう。日本は憲法上パスしかできません。他国は順番に積み木を抜いていき、タワーを壊した国が負けとします。その場合、日本は絶対に負けることはありません。

P子「負けないというより参加してないわね」

 積み木を抜く...軍備にお金も人の命もかけて、抜いていく...事だとすれば、そういう競技に参加しないのは得策でしょう。

 つまり、野球やサッカーを題材に取り上げるのならば、日本の立場は、いかにして試合をしないか...という事に努力すべきです。

 盛んに言われれているのが、『敵基地攻撃能力』ですが、いい所、足の小指を敷居でぶつけた程度のダメージしか与えられないのだと思います。

P子「泣くほど痛いわよ」

 そもそも『憲法9条』の範囲内でできる事なんて、たかが知れています。最初から防衛とか敵基地攻撃とかではない、戦いが起こらない様に対応するのが日本の取るべき対応だと思います。

2.戦争の根本的な問題

 先ほどのサッカーの試合で考えてみましょう。

 例えば『専守防衛』でいうとメッシに3名くらいのマークを付けるくらいでしょうか?それでも突破されるかもしれませんので、ピッチに20人くらい配置して、ゴールキーパーは、4~5人用意しましょう。

P子「すでにサッカーじゃないわよ」

 それでも、こちらがゴールに蹴り込めないなら、≪参考1≫の指摘通り消耗戦であり、負けるのは時間の問題です。ではどうすればよいかというと、相手チームの監督を闇討ちします。

P子「すぐにコーチが監督代行になるわよ」

 なら、チームのオーナーに、経営から手を引かせることです。つまりチームそのものをつぶせば、試合をしなくて済みます。

P子「サッカーでも何でもないわね」

 そもそも、試合をしない方法を考えるべきです。

 この話を、本物の戦争に当てはめてみましょう。

 犠牲者は、一般市民や戦闘に駆り出される兵士たちですが、それらを指揮命令している人達は安全な所で、まるでチェスでもしている感覚でコマ(人命)を動かしています。

 『敵基地攻撃』と言っても、敵基地には、敵国憎し、皆殺しもいとわないという人たちだけで構成されている訳でもなく、兵器の技術者もいれば、家族持ちも当然いるでしょう。そういう人たちが敵基地で働いているからと言って、皆殺しにして良いという議論はおかしいと思います。

 戦闘が始まれば『敵基地攻撃』ではなく『敵指揮官/敵作戦本部』を攻撃すべきです。でも、そういうことは起こりません。なぜかというと、相手がそんな事すれば、報復攻撃もありますから、お互いの指揮官はあくまで一般市民や一般兵士の犠牲は数百万人が犠牲になろうが、自分たちには手出ししないという暗黙のルール上で戦っているからです。

 しかも『独裁指導者』を葬っても『次なる指導者』が現れます。

 つまり、日本に戦争を仕掛けてくるような国があれば、兵士や指導者ではなく、その国の政治形態を破壊しなければいけません。例えば、第二次世界大戦で帝国主義の日本が骨抜きの民主主義に変貌させられたのと同じように...

P子「骨抜きの民主主義って...」

 骨抜きは正解だと思っています。なにせ、世界で唯一の戦争の出来ない国になっていますから。でも、失政の30年と言われていますが、とりあえず良い国だと思っています。

3.憲法9条で国を守れるのか

 ロシアによるウクライナ侵略のインパクトが大きかったので、憲法9条について考える人が増えたそうです。その中で、『ウクライナが憲法9条を持っていれば、侵略されることが無かったのか?そんなことはないだろ』とかいう人がいるそうです。

 バカです。

P子「そういうストレートな表現は、今の時代はNGよ」

 大丈夫です。本物のバカは、自分がバカだとは思っていませんから。

 私の主張は、『ロシアが憲法9条を持っていれば、ウクライナを侵略する事はなかった』という事です。

P子「未来永劫持たないでしょうし、日本以外の国では持たないでしょうね」

 でも、現実問題として日本という国は『憲法9条』を持っています。他の国が持てないなんて事はありえません。問題があるとすれば、自分たちで持ちたいと思う国はないという事です。他国に強制されない限り持たないでしょう。

 つまり、日本に対して戦争を仕掛けてきた国に対して、あらゆる手段を駆使して、政権を崩壊させ民主化を進めると同時に『憲法9条』を持たせるという事が、重要です。

P子「そのために戦力が必要なんじゃないの?」

 そうでしょうか。

 そういう独裁者の国の国民は、きっと膨大な不満を持っていると思います。それが日常である普通の暮らしだと思い込まされているだけで、そうではないと知れば、少なくとも民主化を望むでしょう。『憲法9条』を持たせることが出来なくても、政権批判で投獄されたり、選挙で投票先を監視されるような民主化でなければ、無抵抗の国に侵略するような愚は侵さないと思います。

4.本気の防衛

 さて、本題です。

 まず日本が予算をねん出して取り組むべき課題は、IT化でしょう。

 例えば、ウクライナ侵攻でもドローンの活躍が大きく報道されています。国産ドローンと国産ソフトで先進的なドローンの自動操縦技術を確立する事は、民間にとっても貴重な技術でしょう。

P子「ドローン宅配とか?」

 また、相手国の動きを監視するには、監視衛星が必要です。GPSも気象衛星も兼用しつつ、高性能カメラと画像処理、AI処理による動きの追従技術は、ますます重要になってくるでしょう。人工衛星だけではなく車の自動運転などでもカメラやGPS技術は重要です。

 また、無線技術も重要でしょう。高速、大容量で切れない無線技術はどのようなケースでも重要視されます。

 有線も当然重要です。例えば遠距離で外科手術を行うとか放射線濃度の高い領域や高温、深海での作業など、仮想空間での作業支援なども重要でしょう。

 こういう高度な技術を実現するには、専門的な学習も必要でしょう。才能のある若者を飛び級でも一芸入試でも何でもよいので、支援すべきでしょう。当然、幼い時から親の年収や職業に影響されないようにしつつ、効率的に学習できる環境が必要です。もちろん国外からの留学生も受け入れるべきです。

 教育改革や子供支援などは、国防という意味では最重要課題であり、目先の軍事費増額より、ずっと重要度が高いと思います。

 本来、知りたいという知識欲は誰にでもあります。勉強が面白くないのは教え方が画一的で工業的なので面白くないのであって、講師によっては楽しく勉強できると思います。

P子「米村でんじろう先生とか?」

 そしてさらに重要なのが、他国への支援でしょう。お金を出すだけでは、その国の特権階級だけが潤う事になるかもしれませんので、一般市民レベルに、民主化の恩恵を十分に感じてもらう必要があります。

P子「そんなのが進めば、民間人の行動解析とかされて、すべての行動が政府に筒抜けにならない?」

 このあたりが難しい問題で、高度な情報処理を真っ先に使いたいと思うのは、国家権力者が国民の統制のために使う事で、民主化と逆行してきます。なので、技術は軍事機密化するとか国家権力のために使うのではなく、民間で共有すべきだと思います。

P子「すると、敵国に技術が流出する...と」

 そうなんですよね。難しいところです。

 個人的には敵国とか言ってますが、あくまで指導部が国民を洗脳しているだけで、どの国の人でも、平和に幸せに生きたいと願っていると思います。なので、敵だ味方だと大騒ぎすべきではないと思います。

P子「B'zの「Pleasure '98 ~人生の快楽~」ね」

5.まとめ

 今年最後のコラムは、技術論で締めくくりました。

P子「いや、少し違うと思うけどな~」

 要するに、軍事費を何に使うべきかという事で言うと、民間に対して技術革新や先進技術の研究開発費として使うとか、昔ながらの大量生産のための人員確保の教育ではない、教育改革を行うとか、海外研究機関との共同開発や留学生を受け入れて、各国の技術者との連携を強めたりするのが、本当に国を守ることにつながると思います。

 ではまた来年。

ほな、さいなら

======= <<注釈>>=======

※1 P子「武器を国内で内製化して、輸出するつもりかも」
 P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。

Comment(10)

コメント

匿名

アカの呑百姓のオナニーポエムか?

ちゃとらん

この手のコラムに対する否定的な意見って、全く建設的でないというか、議論にもならないのが残念です。


そもそも、増税反対に反対なのか、国内で武器を製造する事に反対なのか、憲法順守に反対なのか、教育改革に反対なのかさえ、判りません。

保守自由主義入門者

私自身の意見・感想を述べたいと思います。

>最初に私の結論を言っておくと、日本は絶対的に『専守防衛』であり『憲法9条』遵守の立場であるべきだと思っています。
前提として私が『憲法9条』をどのように解釈しているかを提示します。
①『憲法9条』は国際条約を念押しで記載しているものである。
②条文で述べられている『戦力』は『侵攻能力』を定義しているものであり、自衛力を妨げるものではない。
③『専守防衛』は国際法上の『自衛権』と同義であり、守備に徹するとは解釈していない。
この時点で、ちゃとらんさんとは大きく考え方が異なっていると思いますが、
以降の意見は上記の前提を踏まえたものであることをご承知おきください。

>つまり、野球やサッカーを題材に取り上げるのならば、日本の立場は、いかにして試合をしないか...という事に努力すべきです。
結果だけを見た場合、私の意見と同じでした。
意見の異なる箇所は「日本の立場は、いかにして試合をしないか」という点です。
私自身は「いかにして相手に試合を企図させないか」が重要であると考えています。

>『敵基地攻撃』と言っても、敵基地には、敵国憎し、皆殺しもいとわないという人たちだけで構成されている訳でもなく、兵器の技術者もいれば、家族持ちも当然いるでしょう。そういう人たちが敵基地で働いているからと言って、皆殺しにして良いという議論はおかしいと思います。
『敵基地攻撃』についての解釈が、私と大きく異なっているようです。
私自身の解釈では「敵基地の無力化」が目的であり、必ずしも「敵基地内における戦闘員の殲滅」ではないということです。
飛行場であれば滑走路の使用不可や格納庫内の航空機破壊等であり、ミサイル基地であれば打上機構の破壊等です。
上記の目的を達成するにあたり人的被害も出ると思いますが、それ自体は副次的な結果であると考えます。

>戦闘が始まれば『敵基地攻撃』ではなく『敵指揮官/敵作戦本部』を攻撃すべきです。でも、そういうことは起こりません。なぜかというと、相手がそんな事すれば、報復攻撃もありますから、お互いの指揮官はあくまで一般市民や一般兵士の犠牲は数百万人が犠牲になろうが、自分たちには手出ししないという暗黙のルール上で戦っているからです。
こちらについての私の意見は、「単純にコストがかかりすぎるため採用していない」です。
ピンポイントで『敵指揮官/敵作戦本部』を攻撃するとなると以下が必要になると思われます。
・敵作戦本部の所在
・敵指揮官の識別
・敵作戦本部への攻撃手段
・自軍の攻撃地点
・攻撃結果の成果分析

敵中枢を攻撃する間に敵のミサイルや航空機等の通常戦力を放置することは、被害の拡大を容認することと同義です。
限られたリソースを活用するためには、眼前の脅威を排除する事で被害の拡大阻止=『敵基地攻撃(脅威対象の無力化)』が優先されているのだと思われます。
「お互いの指揮官は~~」という感情的な事由のもとでの判断ではないと考えております。

>私の主張は、『ロシアが憲法9条を持っていれば、ウクライナを侵略する事はなかった』という事です。
この部分については、私の意見に近いかもしれません。
私の場合は『ロシアに憲法9条を守らせれば、ウクライナを侵略する事はなかった』と考えます。
正確に表現すると『ロシアに国際法を守らせれば、ウクライナを侵略することはなかった。ウクライナにはロシアに国際法を守らせる能力がなかった。』です。
国内法と異なり国際法には強制力がありません。
強制力が無いため、いかにして相手国に国際法を守らせるかが重要になります。
その手段が外交力であり、外交力の裏付けとなる軍事力であり、価値観を共有できる国家間の協調(同盟)だと考えます。

>つまり、日本に対して戦争を仕掛けてきた国に対して、あらゆる手段を駆使して、政権を崩壊させ民主化を進めると同時に『憲法9条』を持たせるという事が、重要です。
揚げ足取りのようで申し訳ないのですが、戦争を仕掛けられてからでは遅いです。
「戦争を仕掛けられる前に、あらゆる手段を駆使して、『国際法を守らせる』こと」が重要だと考えます。
政治体制については、当該国の国民の裁量に任せた方が良いと思います。

>まず日本が予算をねん出して取り組むべき課題は、IT化でしょう。
IT化が重要であることはおっしゃる通りです。
ただし、私自身は「小さな政府」が理想であると考えておりますので、
「不要な規制の撤廃・減税による民間企業の活性化」によって経済回復を目指すとともに、
市場原理に基づいた効率的な技術革新の促進が必要であると考えます。
また、補助金等の公費投入事例については、公費投入結果の評価を行う民間シンクタンクの育成が必要になるのではないかと考えております。

ちゃとらんさんとは思想的な立ち位置が異なると思われますが、別の視点からの意見は非常に参考になります。
長文での投稿、失礼いたしました。

ちゃとらん

保守自由主義入門者さん、長文コメント、ありがとうございます。


非常に分かりやすく解説していただき、参考になります。


『専守防衛』に関しては、さすがに丸腰という訳には行きませんので、現時点では『自衛権』の放棄までは考えていませんので、保守自由主義入門者さんの解釈と、大きな違いはないと考えます。


『敵基地攻撃』に関しては、これを『自衛権』として認めると、歯止めが利かなくなる恐れがあるので反対の立場です。とはいうものの、実際に戦闘が始まってから議論しては間に合わないので、議論だけは先行で行うのは重要だと思っています。
その中で、『敵指揮官/敵作戦本部』攻撃は、若干感情論ですが、
・敵作戦本部の所在 … 常時、監視衛星や特殊工作員により把握しておく
・敵指揮官の識別 … 現地に優秀な人材を送り込む、または情報提供させる
・敵作戦本部への攻撃手段 … 暗殺
・自軍の攻撃地点 … 原子力潜水艦、ドローン、宇宙からの攻撃
・攻撃結果の成果分析 … 死亡確認


まあ、半分アニメの世界かもしれませんが、戦争で数百万人の犠牲者を出すくらいなら、暗殺要員を現地人で育てる方がよほど平和だと思っています。ただし、先にも書いたように、指導者をいくら暗殺しても、次の人が出てきます。結局戦争を起こすような国の体制を民主化しないと、指導者をいくら交換してもダメだと思っています。


『ロシアが憲法9条を…』というのは、半分冗談、半分本気で、結局ああいう国は体制が完全に崩壊して民主化する際に、強制的に憲法9条を導入しないといけないと思っています。
・・・現実的には無理ですし、もし採用しても、ロシア国民が民主化して憲法改正手続きを行って廃案する事になるでしょう。


現実的な解としては、防衛費予算に、アメリカ製ロケットを購入するとかではなく、国内IT技術を発展させて、日本と戦争するより仲よくした方が国益になると思ってもらえるように努力するしかないと思っています。

保守自由主義入門者

ちゃとらんさん、返信ありがとうございます。

>『敵基地攻撃』に関しては、これを『自衛権』として認めると、歯止めが利かなくなる恐れがあるので反対の立場です。
ロシアが現在進行形で利用している懸念であり、過去の例で言えばイラク戦争(アメリカ)や支那事変(日本)が該当するでしょうか。
私自身は『敵基地攻撃』は持つべきであると考えますが、ちゃとらんさんと同様の懸念を持っています。
これに関しては、法律だけでは解決できないと考えております。
上記の各事例についても、歯止めが利かなかった原因がそれぞれ異なるため(かなりの長文になりそうなので省略します)「これをやれば解決!」とはいかないのですが、日本人全体で正論が封殺されない環境を保ち続けることが歯止めになるのではないかと考えます。

>その中で、『敵指揮官/敵作戦本部』攻撃は、若干感情論ですが~~
上記の私の意見は『戦時』を前提として述べています。
私の前提条件を提示しておけば、より的確な意見をいただけたかもしれません、失礼いたしました。
コメントいただいた点につきましては、『平時』と『戦時』を分けて私の意見を記載いたしますので、ご承知おきください。

>・敵作戦本部の所在 … 常時、監視衛星や特殊工作員により把握しておく
『平時』においては必須事項であると考えておりますが、『戦時』においては外交官や駐在武官、一般邦人は引き上げ済みであると想定されるため、
特殊工作員の潜伏が非常に難しくなると考えます。相手国に囚われた場合は処刑を免れないと想定されますので、相応の覚悟を持って人材育成・組織化をせねばなりません。

>・敵指揮官の識別 … 現地に優秀な人材を送り込む、または情報提供させる
『平時』『戦時』ともに有効だと考えますが、前述のとおり『戦時』においては活動が著しく制限されることを考慮する必要があると考えます。

>・敵作戦本部への攻撃手段 … 暗殺
当然ですが『平時』でこれをやってしまうと、相手国に対する主権侵害となり国際法に反する行為となります。
『戦時』においては、こちらも既に述べたとおり活動が著しく制限されるため、高コストな選択肢になると考えます。

>・自軍の攻撃地点 … 原子力潜水艦、ドローン、宇宙からの攻撃
『平時』においては実行不可能ですが、『戦時』へ移行させないための抑止力になると考えます。
『戦時』においては以下のように考えております。
原子力潜水艦→SLBMを想定されていると考えますが、原潜1隻のみでの中枢攻撃は相手国の弾道ミサイル防衛設備を攻略できるか疑問です。また、対象が地下に潜伏している場合は相応の破壊力(核弾頭)がなければ効果を発揮できないと考えます。
運用面についても考慮した場合、潜水艦自体のメンテナンスや乗員の休息でローテーションが必要となるため、最低でも3~4隻体制での運用が必須であると考えます。
ドローン→航続距離・搭載兵器の性質上、攻撃範囲が狭くなると考えます。地上目標に対しては有効な手段であると考えますが、対象が地下の場合は決定力に欠けると思われます。
宇宙からの攻撃→弾道ミサイル等を想定しているのであれば、発射設備(地上や潜水艦)が必要となりますので、運用面も含めた相応のコストが必要になります。衛星兵器等を想定しているのであれば国際条約に違反する行為であり、国際社会からの孤立を覚悟せねばなりません。

>・攻撃結果の成果分析 … 死亡確認
『死亡確認』を行う手段が必要となります。敵中枢に近くなるにつれて情報入手手段が少なくなると想定されるため、分析精度を高くするための投資が必須であると考えます。
以上が各手段に関する私の意見となります。

>まあ、半分アニメの世界かもしれませんが、戦争で数百万人の犠牲者を出すくらいなら、暗殺要員を現地人で育てる方がよほど平和だと思っています。ただし、先にも書いたように、指導者をいくら暗殺しても、次の人が出てきます。結局戦争を起こすような国の体制を民主化しないと、指導者をいくら交換してもダメだと思っています。
これに関しては、注意せねばならない事だと考えます。
「相手が『権威主義』の国だから『民主主義』に変えなくてはならない、その為には国家転覆を目的とした内政干渉も辞さない」と考えるのはかなり危険であると思います。

>現実的な解としては、防衛費予算に、アメリカ製ロケットを購入するとかではなく、国内IT技術を発展させて、日本と戦争するより仲よくした方が国益になると思ってもらえるように努力するしかないと思っています。
日本との敵対コストを増大させるための努力という点においては、同意見です。
国内IT技術の発展のみならず、経済成長によって上記の目標は達成できると思います。
私は防衛費倍増については賛成ですが、「防衛費を捻出するために増税します」と主張している政府の姿勢には大反対です。
防衛費に限らず「〇〇のために増税が必要です」と繰り返してきた結果、失われた20年・30年と言われる時代が続いていると考えます。

後半は少し横道に反れてしまいましたが、とても有意義な意見交換ができていると思います。
長文での投稿、失礼いたしました。コラムの執筆、楽しみにしております。

ちゃとらん

保守自由主義入門者さん コメントありがとうございます。


本当に、色々と考えさせていただき、感謝しております。


さて、『敵基地攻撃』で、歯止めが利かなくなる例として、専守防衛⇒集団的自衛権⇒敵基地攻撃⇒抑止核保有⇒核戦争 みたいにならないとは限りません。そもそも、集団的自衛権は憲法違反との解釈もあるのに堂々と宣言されています。
また、『敵基地攻撃』で、基地滑走路を破壊しても民間飛行場から爆撃機が飛び立つ場合、民間飛行場も攻撃対象になるとか、弾薬・兵器の製造工場も攻撃対象となるのか、また、製造工場への材料を供給している民間道路も攻撃対象?さらに電力などの供給元も攻撃対象…など、実質的に敵基地攻撃の有効性も疑われます。


> 日本人全体で正論が封殺されない環境を保ち続けることが歯止めになる


これは、ものすごく重要で、憲法第21条の表現の自由の事ですが、すでに国家権力の『忖度』により危険が迫っていると思っています。このあたりは、過去のコラム『059.憲法改正の何が問題なのか(2)』の中で、『 7月15日札幌市内で、応援街頭演説中の安倍総理へ対し、聴衆の一部からヤジが飛んだ。「安倍やめろ」と叫んだ男性や、「増税反対」と声を上げた女子大生は、10人以上の警察官に囲まれ排除された。』という事例も発生しています。


『平時』と『戦時』を分けて考えるというのは、良いですね。そこで、改めて私の考えの整理が出来た気がします。


つまり、私の想いとして『戦時』は必要ないという事です。そういうとお花畑思想と言われそうですが、日本に対して戦争を仕掛けてくる場合、理由がありません。もちろん、領海の段階的侵略や海上自衛隊が中国海軍に撃沈されるとかすれば、一触即発かもしれませんが、話し合いと経済的保障などで解決を図るべきです。台湾有事でも結局のところ日本として他国の内政干渉にあたるので、出来る限りの話し合いで解決すべきでしょう。


なので、防衛費を増額する必要はありませんし、逆に集団的自衛権とか『敵基地攻撃』とかして日本の基地が反撃されるわけで、その方がリスクが高いと考えます。

もちろん、日本が侵略され、戦闘状態になって自衛できないレベルでやられた場合、出来るだけ早く降伏すればよいと思っています。これは、ウクライナがNATO参加を見送ればよかったのに…というのではなく、日本はそもそも戦争が出来ない国なので、降伏しか手段がありません。(日米安保条約はとりあえず置いといて)

きっと、降伏した後植民地化されれば別ですが、『国家転覆を目的とした内政干渉』されない限り日本という国家は継続するでしょうし、その時には国民の多くが憲法改正を切実に臨むことになり、戦争のできる国になります。

武力放棄している日本を攻撃した国が、国際的に孤立したり、その後も普通の国家として存続するような国際社会なら、日本が武力無茶ぶりして核兵器もバンバン使って報復戦争を始めても大丈夫でしょう。


というのは、言いすぎですが、今のままでも十分に日本の安全は守られていると思います。それより防衛と言いながら『敵基地攻撃』や『核兵器配備』などするのは、余計に危険に巻き込まれると思います。


時々、技術系以外のコラムもはさみますので、コメントお待ちしております。

保守自由主義入門者

度々の投稿、失礼いたします。
最後に一点だけ、コメントさせてください。
>過去のコラム『059.憲法改正の何が問題なのか(2)』の中で~~
当該事案を例として出すのは、あまり適切ではないと考えております。
選挙運動中の出来事のため選挙妨害と受け取られる可能性が高いことや、『10人以上の警察官に~~』という点も、現役総理大臣の警備体制から察すると特異な状況ではないと考えます。(そもそも公職選挙法については、警察の対応が地域によって大きく異なる事の方が問題だと考えております。)
選挙運動(街頭演説)が終わってから主張していれば、互いの表現の自由を害する事が無かったのではないかと思います。

正論が封殺されかねない例として、私が挙げるのであれば『2020年の検察庁法改正案』に関する件が妥当かなと思います。
"官邸の守護神"云々はさておき、恣意的な人事のために法律を変更する姿勢は『違法ではないが法匪である』と非難されるものであると考えます。

『敵基地攻撃』や『集団的自衛権』等、お互いに意見の異なる点が多々ありますが、自由な議論という価値観が共有できている事を嬉しく思います。

ちゃとらん

保守自由主義入門者さん、コメントありがとうございます。


ヤジの件で言いたかったのは、同じ選挙期間中であっても、与党へのヤジは制止され、野党(例では山本太郎氏)へのヤジは、オッケーという判断を警察が行っていたという事です。
 https://news.infoseek.co.jp/article/knuckles_13950/
 参院選激化 「安倍やめろ」とヤジると警察に取り押さえられる! でも山本太郎氏には言いたい放題オッケーの線引きが気持ち悪い
 2019年7月18日


本件、札幌地裁は違法と認めたとのこと(最高裁判所がどう判断するかは別ですけど)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/168657
 <社説>ヤジ排除は違法 警察は「言論」を奪うな
 東京新聞 社説
 2022年3月30日 07時56分


> 『2020年の検察庁法改正案』
あれはひどいですね。


『074.#検察庁法改正案に抗議します』に関連URLを色々アップしています。


色々と為になるお話、ありがとうございました。


※ コメントにURLを張り付けると、スパム扱いされ、コメント投稿のメールが来ません。もし、URL等入れた場合は、別のコメント欄に、『URL入れたよ~』的なコメントを入れてください。

ととヒロ

URL入りのコメント書きました~
1ヶ月ほど前に

「297.戦争していなければ幸せなのか?」
にも同様にURL入りコメント書きました

スパム扱いの件、本文の最後に有るとありがたいな~、と。

ちゃとらん

ととヒロさん、コメントありがとうございます。


URL入りコメントのスパムの件、困りものですよね。
せめて、連絡(コメントが入るとメールが来ます)くらいは欲しいというのを、ここの管理人さんに相談しましたが、設定できない(個人別に設定できないのか、そもそもシステム的に出来ないのか不明ですが)そうで、あきらめました。


いきなり、URL付メッセージは来ないと思いますので、盛り上がってきたときには、コメントに入れていきたいと思います。

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