279.目的と手段の区別がつかない人達
初回:2022/10/10
システム開発をしていると、顧客のご要望(=目的)に対して、どうやって実現するか(=手段)を考えることになります。この実現方法を、あれやこれやと考えていると、時として実現方法が目的になってしまう事があります。
また、顧客自身が、本来やりたいことを伝えずに、手段だけ伝えることで、エンジニアがその手段を実現するために頑張る事もあります。目的と手段の区別は難しいのですが、冷静に判断すれば判る事だと思います。
P子「エンジニアライフっぽい話題ね」※1
当然です。私は根っからの技術者です。
P子「下手の横好きだけどね」
1.座り込み問題
≪参考1≫
https://www.j-cast.com/2022/10/07447588.html
ひろゆき主張は「中学生レベル」...批判に本人反論 座り込み問題「誇張して騙される人がいる」
2022年10月07日17時24分
P子「休日の月曜にアップするネタだから、やっぱりそっち系ね」
はっきりしておきますが、私は根っからの技術者なので、神羅万象、いかなる事象も技術的な視点で捉えています。もし、そう見えない場合は、思考が高尚すぎて一般人には理解できないだけなのです。
P子「周回遅れが先頭走ってるように見えるという現象ね」
それはさておき、あのネタに、20万以上のいいねが付いたそうで、「誇張して騙される人がいる」という主張に賛同する人の多い事、多い事。
こういう話は、出発点に立ち戻ってみないと、真実が見えてきません。まずは、そもそもどういう看板が掲げられていたかを見てみましょう。
『新基地断念まで座り込み抗議 不屈 3011日』
つまり、24時間365日、座り込みしているとか、座り込みギネス記録に挑戦とか、書かれていません。
目的:新基地断念してもらう
手段:座り込み抗議
『不屈 3011日』というのは、あくまで目的を達成するために努力している期間という事が読み取れます。
この看板の前で写真を撮って、『座り込みの継続が3011日』と勝手に判断して、「誇張して騙される人がいる」と主張しているのですから、世話が焼けます。
それに、いいね する人たちも、何も考えていないのか、面白がってるだけなのか...
2.技術者的な視点
最近は、『エンジニアライフとは』も読まずに、『政治的主張を...公式見解を望みます』とかコメントに書き込む輩もいるので、技術者的な視点を織り交ぜたいと思います。
P子「あっち系の話は、必ず反論が来るから、止めとけば」
エンジニアは、政治にも法律にも無関心でよい...ハズがありません。少子高齢化も、基礎研究力の衰退も、賃金が伸びないのも、正社員が減って派遣が増えたことも、電子帳票もインボイス制度も、フリーランスの下請法も、エンジニアには無関係ではないでしょう。サイバー犯罪関連法などは、完全にエンジニアに関係するでしょう。
≪参考2≫
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/2201/11/news029.html
エンジニアは法律を、そして現状を学ぼう 「自分は関係ない」では済まされない理由
2022年01月11日 07時00分 公開 [宮田健,ITmedia]
話を戻します。
『新基地断念まで座り込み抗議 不屈 3011日』
これを、費用対効果で考えてみましょう。
目的が『新基地断念してもらう』で、手段が『座り込み抗議』だとすれば、
費用対効果 = 『新基地断念』/『座り込み抗議』
を出来るだけ大きくすれば、効果的であると考えます。この場合、効果の『新基地断念』については、判断が難しいので固定とし、今回は『座り込み抗議』の費用を最小化すれば、費用対効果を最大化できるという事で考えてみます。
さて、実際の『座り込み抗議』は『工事のための車両が来る9時、12時、15時に合わせて行われます』『工事の無い土日は行われません』『1日20分程度を日に3回』とのことで、トラックが来るたび、警備員に抱き上げられて排除される事を毎日毎日している訳で、当然、トラックが来ない時に『座り込み抗議』しても意味がありません。
技術者なら、無駄な事はしないなんて当たり前のことですから、『座り込み抗議』で人がいない事があるなんて、当然でしょう。
P子「最近の車のアイドリングストップ機能と同じ事ね」
「『座り込み』という言葉のせいで騙される人」って、目的と手段の区別がつかない人って事です。
3.非を認めない
政治家が非を認めないのは保身のためですが、今回の件、別に反論しなくてもゴメンナサイって、非を認めてれば、大きな事にはならなかったと思いますが、20万越えのいいねが、判断を誤らしたのでしょうか?
≪参考3≫
https://www.j-cast.com/2022/10/05447338.html?p=all
辺野古抗議に「『座り込み』という言葉のせいで騙される」 ひろゆき応酬「1日1時間ほどしか座ってない」
2022年10月05日12時20分
例えば、この記事では反論として、『『9時、12時、15時しか居ません』と書いてくれないと、わからないですよ。誤解する人が増えないように、書き足しておいて貰ってもいいですか?』って、ショーでも見に来るんでしょうか?
P子「座り込んでる人と記念撮影する観光スポットと勘違いしてるんじゃない?」
また、辞書の引用で、『『座り込み』その場に座り込んで動かないこと。目的をとげるために座って動かない』って、合ってるんじゃないの?目的をとげるため=トラックの搬入阻止なら、トラックが来ない時間帯には必要ない行動って事でしょう。
また、別の反論では『毎日バス停を使う人は、バス停で毎日座り込みをしてる事になる、、、と』...
だ・か・ら、バス停で座ってる人は、バスを待つのが目的で、座ってるのは立ってると疲れるから(疲れない事が目的)なので、バス停と座ってることは関連がありません。それを言うなら、学校で椅子に座ってるのを『座り込みで勉強している』とか、『座り込みで仕事している』とか、『今日、企業面談で座り込みしてきました』とかになってしまいます。
P子「座り込みで、コラム執筆中ね」
要するに、ちょっとおちょけてしまいましたと謝れば済むことなのに、なぜ出来ないんでしょうか?
P子「あなたも謝るのが嫌いじゃなかった?」
私は、絶対に間違いません。
P子「絶対なんてことは絶対にないって言ってなかった?」
4.まとめ
目的と手段と言っていますが、これらは階層化されると、一段下では、手段を目的に変えることになります。
例えば、
目的:利益確保
手段:売上増大
手段:経費削減
手段:市場シェア増大
手段:ブランド戦略
目的:売上増大
手段:新製品開発・上市
手段:営業部門強化
手段:広告・宣伝強化
本来、最上位には『社会貢献』とか『幸せな未来へ』とかの企業理念が来ますが、とりあえず置いておきます。
わかりやすい例で説明しますが、目的と手段は入れ替わりながら階層構造を成すので、現場担当者が『目的』と考えている項目は、上の階層の手段であり、そこには目的が存在し、さらにその上には...と続きます。
目的と手段の区別がつかないというより、各階層で入れ替わるので、手段は目的であり目的が手段でもあるためです。そうなると、自分の目的が、実は上の階層の手段に過ぎないという事は、その目的を達成するための手段が、別の目的に反する事がある可能性があります。先の目的が売上増大で手段が広告・宣伝強化だとして、上位の手段である経費削減と矛盾します。その場合、優先順位付けが必要になったり、時として別の手段に切り替える必要が出てくることもあります。要するに、自分の目的を達成する事で、本来の上位の目的が遠のくことがあるので、常に最上位の目的を意識しながら取り組む必要があるという事です。
P子「何言ってるか、判んない」
P子さんも、目的と手段の区別がつかない人だったんですね。
P子「私にまで喧嘩売ってるの!」
ゴメンナサイ
ほな、さいなら
======= <<注釈>>=======
※1 P子「エンジニアライフっぽい話題ね」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。
コメント
匿名
『座り込み抗議』の目的は、「世論を動かす」ことではありませんか?
『座り込み抗議』→「世論を動かす」→『新基地断念してもらう』なら、理解できます。
本件は、ひろゆき氏によって『座り込み抗議』の実態が拡散したため、「世論を動かす」という
目的が妨害されたので大きな問題となっているのではないでしょうか。
ただ、抗議活動の実態が拡散されたことで妨害となるのであれば、
「そもそも抗議活動のやり方(手段)に問題があるのではないか」と思ってしまいます。
ちゃとらん
匿名さん、コメントありがとうございます。
> 『座り込み抗議』の目的は、「世論を動かす」ことではありませんか?
ぅおおおお・・・まったく、おっしゃる通りです。
私も目的と手段を見誤っていました。
> 『座り込み抗議』→「世論を動かす」→『新基地断念してもらう』なら、理解できます。
順番的には、そうですね。単に座り込んでも警備員さんに排除されるので、トラック搬入阻止にはなりませんし、直接的な効果は期待できないです。
ひろゆき氏の容認派やポディティブシンキング派の人達は、今回の騒動で、多くの人に抗議活動を知ってもらえて良かったとか言ってますが、偶然の産物でしょう。
でも、それを利用しない手はありませんので、今一度、皆で考えないといけないですね。
# 防衛費予算の増額とかとも合わせて…
匿名
相変わらず傲慢で排他的で非論理的な姿勢ですね。
パヨクさがよく滲み出た記事だと思います。
君のコラムが批判されているのは、君のコラムの政治的主張が多すぎるからでは?
大した技術論も、目を引く文章力も、面白い小説を書く能力もないから、政治的発言を繰り返している感じですか?
そんなことをしても不人気コラムから脱却はできませんよ。
構って欲しいなら、エンジニアとしてもう少し力をつけましょう。
返信された匿名
コメントへの返信ありがとうございます。
『座り込み抗議』の活動を効率化した結果、「世論を動かす」という目的から遠ざかってしまっているのではないか、と感じました。
効率化が目的となってしまった、あるいは、活動が目的となってしまった例ではないでしょうか。
ちゃとらん
返信された匿名さん、名称も変えて頂き、ありがとうございます。
最初のコメント
> 「そもそも抗議活動のやり方(手段)に問題があるのではないか」と思ってしまいます。
と、今回のコメント
> 効率化が目的となってしまった、あるいは、活動が目的となってしまった例ではないでしょうか。
なかなか、奥が深いです。
私も先のコメントを頂き、昔ながらの『座り込み』による抗議活動で、どれくらいの世論を味方につける事が出来るか? 他の手段(または、合わせ技等で)なにか出来ないか、色々と考えていました。
座り込みをライブ配信しても余り共感を得られないでしょうし、有名人に宣伝活動してもらったり(そういう時に限って、不倫とかで叩かれたりして)なかなか良い手段が思いつきません。
さらに今回のコメント、『活動が目的となってしまった例』というのも、耳が痛い話で、長い間、同じような事をしていると惰性というか、目的を見失ってしまったり、行動しているだけで満足してしまったり、日常生活でも起こりうる話です。
なかなか、一筋縄ではいかないです。