122.メンタル不調に対する私の考え
初回:2021/1/11
1.おことわり
メンタル不調に関する話題がいくつかありましたが、遅ればせながら私の考えもあげておきたいと思いました。
P子「周回遅れのコラムはいつもの事ね」(※1)
《参考資料》
https://el.jibun.atmarkit.co.jp/kachinige/2020/12/it_3.html
IT業界にメンタル不調が多い根本理由
勝ち逃げ先生さん
https://el.jibun.atmarkit.co.jp/horus/2020/12/it_4.html
IT業界にメンタル不調が多い根本理由
Horusさん
https://el.jibun.atmarkit.co.jp/korezama/2020/12/korezama0071.html
生き様071. IT業界のメンタル不調にコミットする!
エンジニアカウンセラー白栁隆司さん
ちなみに、みなさん、正攻法で考えられていますが、私は別の角度から考えてみたいと思います。といっても、実は私にとっては、いつもの考え方です。なので、結論が違っても、別に反論しているつもりではなく、私なりの論理展開を行った結果なので、他意はありません。
2.原因を考える前に...
システムやプログラムバグを調査する場合、正常に動作しているプログラムとバグが含まれているプログラムの差を調査するのが一番の近道です。メンタル不調になる人とならない人の差を見つければ、原因も判るかもしれません。
まずは、メンタル不調にならなさそうな人をイメージしてみましょう。
1.仕事に責任感がない人
2.失敗を他人のせいに出来る人
3.すぐに言い訳、言い逃れする人
4.仕事を丸投げ、またはすぐに人に助けを求める人
5.仕事を途中で投げ出しても平気な人
6.人生において仕事の優先順位が低い人
7.上司のいう事や顧客のいう事をあまり聞かない人
8.過去の失敗や不手際を引きずらない人
もちろんイメージだけなので、何の根拠もありませんが、なんとなく理解してもらえるのではないのでしょうか?
P子「人間のクズね」
いやいや、子煩悩で家庭的でみんなとワイワイ楽しく仕事をするムードメーカーというケースもあるので、一概に人間のクズとは言えません。会社や上司にとっては苦手かもしれませんね。
P子「同僚はいい迷惑よ」
さて、メンタル不調にならなさそうな人をイメージできれば、メンタル不調になりそうな人もピックアップできそうです。
1.仕事に責任感がある人
2.失敗を自分のせいだと考える人
3.相手の責任でも、言い訳、言い逃れしない人
4.仕事を自分で抱え込んだり、他の人の仕事も手伝う人
5.仕事を最後までやり遂げようとする人
6.人生において仕事の優先順位が高い人
7.上司のいう事や顧客のいう事をまじめに聞く人
8.過去の失敗や不手際を引きずる人
なんとなく、危うい感じがしませんか?
P子「でもいい人ね」
実はこの話の中に『技術力が低い』とか『仕事が出来ない』とか『感謝の言葉がない』などの要素がありません。私の論理展開では、そういう要素はメンタル不調の原因ではないという結論です。
私が上司なら、その人の能力の120%を要求します。出来ない人にはそれなりの、出来る人にもそれなりの責務と労働を割り振ります。逆に技術力のある人にはそれなりの責任ある仕事を割り振るので、余計にストレスが発生するはずです。ミスも代替えも効かないので出来ない人よりストレスは大きくなります。
P子「じゃあ、ストレス耐性が低かった...とか?」
それも、あまり関係ないと思っています。ストレス耐性が低いとそれだけメンタルに不調を来す事は早く起こります。逆にストレス耐性が高いと、それだけ多くのストレスを抱えて最後にはそれを超えるストレスによって重大なメンタル不調を起こす可能性があります。
ここで議論したいのは、メンタル不調になるまでの速度ではなく、原因を追究して対処方法を考えてみましょうという事です。
3.それぞれの目標
ITシステムでいうと、会社や上司はシステムを品質高く納期通りに低価格で提供しようとします。当然でしょう。社員はそれに答えるべく努力をします。品質に問題があれば自分の責任と思い、納期に間に合わせようとサービス残業や長時間労働を行い、低価格...は自ら課さないとしても低賃金でも仕事があるだけマシと考えている...かもしれません。
もっと言えば、社員に出来るだけ頑張って働いてもらって、出来ればメンタル不調にならないで頂きたい...という事でしょう。
つまり『品質高く納期通りに低価格で提供』と『メンタル不調にならない』のせめぎあいで、ホワイト寄りかブラック寄りかは所属組織の属性という事になります。
では、個人も当然『品質高く納期通りに低価格で提供』を念頭に置きますが、優先順位は会社とは異なり『メンタル不調にならない』を第一優先にすべきです。
個人が会社の目標に合わせる必要はありません。
P子「でも、それでお金を貰ってるんでしょ」
どんなに優秀な人でも会社から見ればいなくても何とかなります。もちろん、昔より作業効率が落ちるとか、売り上げが落ちることはあるでしょうし、場合によっては赤字続きで事業閉鎖...なんて事になるかもしれませんが、会社は倒産しても死にません。また作り直せばよいだけです。実は社員の代わりなんて何とでもなります。社長でも交代可能です。
でも、個人...あなたの代わりはありません。なので個人の必達目標は『メンタル不調にならない』であり二次的目標が『品質高く納期通りに低価格で提供』になります。メンタル不調になるくらいなら『品質』か『納期』か『価格』のどれかを犠牲にすればよいのです。それの責任は個人ではなく会社・組織・上司です。
ただ、責任を全うするならば、逐一情報を上司に伝えて早めに手を打てるようにすべきです。その先は上司の責任範囲です。
4.まとめ
メンタル不調になる原因は、会社の目標と個人の目標が違うという事を認識できていないことだと思います。
会社の目標:
品質高く納期通りに低価格で提供し、できれば社員をメンタル不調にさせない。
個人の目標
メンタル不調にならない範囲で、できれば品質高く納期通りに低価格で提供する。
工事現場の『安全第一』は名目だけではなく真に守るべき目標でしょう。
ほな、さいなら。
======= <<注釈>>=======
※1 P子「周回遅れのコラムはいつもの事ね」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。
スピンオフ:CIA京都支店『妖精の杜』
ここはCIA京都支店のデバイス開発室。安らぎを求めて傷ついた戦士が立ち寄る憩いの場所、通称『妖精の杜』と呼ばれていた。
P子:CIA京都支店の優秀なスパイ。早坂さんにはなぜか毒を吐く。
早坂:デバイス開発室室長代理。みんなから『妖精さん』と呼ばれている。
城島丈太郎:通称ジョジョ。最近調子が悪い...らしい。
P子:「早坂さん。最近丈太郎君来てない?」
早坂:「ああ、なんか体の調子が良くないらしいよ」
P子:「ちょっと心配ね」
早坂:「今の派遣先でなんかあったみたいですよ」
城島:「ちーす。お久しぶりっす」
P子:「何かあったの?大丈夫?心配してたんだから...」
城島:「実は...胸が苦しくって胃もしくしくして...」
早坂:「それって...恋の予感?」
P子:「シバくよ。んな訳ないじゃ...」
城島:「ピンポーン。実は派遣先の受付の娘が、むっちゃ変なんです」
早坂:「周波数が干渉しちゃったんですね」
P子:「あんたらをシバく」
コメント
匿名
この視点は面白いですね。今まで見えてなかった気がします。
部下たちに伝えたくなりました。
会社と個人の目標が違うという認識はあったんですけど、なんとなく、もっと対立関係なイメージで考えてしまっていました。
そうではなく、最優先事項が違うだけなので、対立関係よりは歩み寄れる要素があるのかな、と感じました。
ちゃとらん
匿名さん、コメントありがとうございます。
> 対立関係よりは歩み寄れる要素があるのかな、と感じました。
なるほど、そういう捉え方もできるんですね。会社の目標に個人が振り回されないようにしましょう…までしか考えていませんでした。おっしゃる通り、双方の歩み寄りは大切ですね。