111.勝てなくても負けなければよい
初回:2020/11/25
1.Win-Winは難しい
「Win-Winを考える」場合、キャリコン高橋さんが書かれているように、自分も相手も共に「利になること」が条件になってきます。もちろん「利の貸借」も発生するかもしれませんが、これは絶対条件だと思います。
P子「水曜日もパクパクの日?」(※1)
「108.損得勘定と成果主義」でも述べましたが、原資の取り合いはゼロサムゲームになるので、Win-Loss か Loss-Win、Even とか、Draw にしかなりえません。つまり、Win-Winになるには、「1+1→2以上」にする必要があるという事です。
P子「水1リットルとエタノール1リットルを混ぜるのはダメなのね」
急に科学の実験をしないでください。
P子「じゃあ、コーラにラムネを入れればいいんじゃない?」
Very-Hard になってしまいます。
現実の世の中では、原資の取り合い(ゼロサムゲーム)が身近で一般的です。入学試験や選挙の議席争い、恋愛で一人の女性や男性を取り合うなんてことも『日常茶碗蒸し』です。なかなか、付加価値を生み出す組み合わせを生み出すのは難しいことだと思います。
2.敵の敵は味方?
Win-Win は通常、1対1(自分と相手)の関係ですが、当然世の中の関係性を表していくと樹形図のように上に上にと広がっていきます。1対1で競争すると原資の取り合いになりますが、一つ上の階層で取り合いして、より多くの原資を獲得できれば、ゼロサムゲームから脱却できそうです。つまり、一つ上の敵対勢力と自分が戦っているときは、同じくその敵と戦っている人物は味方という事になります。昔からよく言われる「敵の敵は味方」というものです。
同じ階層の者同士で協力して、一つ上の階層で勝利するという事になりますが、では一つ上の階層では、Win-Winが成立しません。
P子「じゃあ、一つ上の階層でもさらに上の階層と戦うために、仲間になれば?」
その通りです。最後は宇宙人との戦いで、地球防衛軍が一体になって戦います。
P子「これで一件落着ね」
んな訳ないでしょ。
例えば上位の戦いに勝って原資が増えたとして、その原資を分け合う時にやはり競争が発生します。例えば、「有能」と「無能」で分け前を同じにするのか、差を付けるのか?差を付ける場合、どの程度の差を付けるのかで、増えた原資の取り合いが発生します。これでは原資の増減に関係なく、原資の取り合いを行う限り、Win-Win は成立しないことになります。
3.土俵を変える
では、Win-Win を成立させるにはどうすればよいのか?つまり原資の取り合いにならないようにする必要があります。
例えば、「売り手」と「買い手」や、システムの「開発者」と「利用者」など、そもそもが欲するものが異なる場合には、Win-Win を目指すことが可能になります。
しかし同じ職場で働くもの同士は、給料や出世など同じ物の取り合いになる事が多いため、Win-Win が難しくなります。そこで、同じものを取り合いしなければ、Win-Win を目指せる可能性が高くなります。
P子「出世や昇給をあきらめればいいのね」
いきなりあきらめる必要はありません。まずは、勝利を目指して頑張って、勝てそうにないと分かった段階で、その戦いから降りればいいんです。
P子「最後まで粘らなくていいの」
粘りたい人は粘ればいいし、あきらめの良い人はあきらめればよいんです。粘りまくるのもアリです。でもどんなに頑張っても勝てない事はあります。その場合、勝てなくても負けなければ良いんです。
つまり、「AでWin」-「BでWin」の関係であれば、Win-Win と呼べると思います。
《Winのベクトル》
仕事で出世や給料を目指すのは当然ですが、その為に幸せになれないなら本末転倒です。逆にプライベート重視で充実した人生を送るというのもアリでしょう。要はベクトルの方向ではなくベクトルの長さで、Win かどうかを判断すればよいと思います。
4.結果ではなく過程を楽しむ
最初から勝負をあきらめてプライベート重視に転向すると、心の奥底では不満が募ったり負け組意識が芽生えてしまいます。かといって勝負がつくまで粘って最後に負けが確定するのもつらいでしょう。
そこで、結果を追い求めるのではなく過程を楽しむべきです。そうすれば例えばその勝負に負けたとしても十分楽しめたはずですし、次の勝負への活力も起こるでしょう。勝負そのものを楽しむことが出来れば、結果に一喜一憂することもなくなり、心に余裕が出来ると同じ目的を持つもの同士でも、真の Win-Win を目指せるかもしれません。
ほな、さいなら
======= <<注釈>>=======
※1 P子「水曜日もパクパクの日?」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。