091.競争がなくなれば技術は進歩する
初回:2020/08/26
1.なつかしさのあまり...
P子「『高校生のキャリアを考える』に便乗するのかと思ったわ」(※1)
時代も変わっていますし、そもそも成功していない大人からのアドバイスなんて役に立たないでしょう。とはいうものの、あえて言うなら、部活に励んで大いに『青春の無駄使い』をすべきだと思います。
私も高校時代は部活一色でした。ゆるふわテニス部でしたが、今でもテニスで楽しんでいます。
高校時代の部活動は、大人になってまったくやらない...つまり、大人になればできないことを、高校生の時代に思いっきりできるなら、それも幸せですし、大人になってからでもテニス、野球、バレーなどワイワイ仲間で集まって続けていければ、それも幸せでしょう。
大人になれば、正社員になりたくてもアルバイトしかできないケースもあるんですから、高校生の時代にアルバイトに打ち込む必要性を感じません。
P子「それはそれで、青春って事でいいんじゃない?」
高校生の時にしかできないことを優先すればよいのではないか、というのが私の思いです。私的には楽しかったですよ。
2.何のために働くのか?
何度か取り上げていますが、私は『ベーシックインカム』支持派です。とはいえ、この理論はまともには成立しません。財源の問題は『資本主義』と関連づいてくるため、税金で賄うというのでは本末転倒というか意味がありません。理想的には働かなくても生きていける世の中にする...というのが前提になってくると考えています。
P子「誰も働かないなら、生きていけないんじゃない?」
働かない=何もしないという感じではなく、各自好きなことをする...という事に活路を見いだせないかと思っています。例えば、お金持ちといわれる人たちは、お金持ちになりたいから働いていたのか?という事です。サラリーマンが、100%お金のためだけに働いているのか?ある程度はお金のためかもしれませんが、それ以外の事もあると思っています。
ただし、生きていくために嫌でも働かなければならないこともあるでしょう。そのあたりをうまく解決する方法が見つからないと、私の中での『ベーシックインカム』理論が成立しません。
3.競争がない世界
本題です。『ベーシックインカム』で皆が好きなことしかしなくなったとして、世の中が成り立つのでしょうか?現在は資本主義なので、努力や頑張った人がお金を稼いで幸せな人生を送れる...という前提ですが、頑張らなかったら、どうなるのかを考えてみました。
なぜ、頑張っているかというと、競争で勝ち負けを競い合って、勝つと幸せになり負けると不幸になる...と思っているから頑張るんだと思います。
この競争というものをなくすとどうなるのか?例えば、すべての成果物をGPLライセンスみたいに、設計から何から何まで公開をし、特許や著作権もなくすとどうなるか?という事です。
《参考資料》
http://e-words.jp/w/GPL.html
GPL 【 GNU General Public License 】 GNU一般公的使用許諾 / GNU GPL
P子「誰も頑張らなくなるんじゃない?」
そうとも限らないんじゃないのか、と思っています。趣味でプログラムを開発したり、趣味で車を作ったりしている人が、会社のいろいろな資源(ヒト、モノ、カネ)を使って自由に創造できればどうなるか?しかも、他社が作った物をそっくりそのまま利用したり改造したりできるんです。
いろいろな会社で、いろいろな試行錯誤を行うこともなく、趣味で車づくりしている人たちが協力して改善していく...面白そうじゃないかと思いますが、いかがでしょうか?
iOS とAndroidが分かれることもなく、ORACLEとSQL Serverも一体化すれば、技術の進歩は今よりずっと進むんじゃないのでしょうか?
P子「逆に、みんなが好き勝手なデータベースを開発したり、ディズニーランドがあっちこっちに出来たり、マクドナルドの看板を掲げた店が、あっちこっちに出来て、品質もバラバラ、サービスもバラバラになるわよ」
それは困りますね。
ただ、それは『資本主義』というカテゴリで考えればそういう『競争』があり得るかもしれませんが、お金儲けが存在しない世界でいうと、よりよいものを皆で作ろう...という発想にならないのでしょうか?まあ、思想の違いで分裂したオープンソースのプロジェクトもいっぱいありますから、何とも言えませんけど。
4.競争がない会社
現在の『資本主義』の枠組みの中で、会社は競争の世界のど真ん中で戦っています。その会社の中では社員同士の競争が行われています。いくら年功序列といっても、それなりに出世競争は行われています。全員が年齢が上がるごとに、きっちり給料が同じだけ上がるなんて会社はさすがにないでしょう。
そんな会社の中だけで、競争をなくせばどうなるか?年功序列でもなく、よくあるオーケストラの完全固定給制みたいな感じです。
P子「最近では、完全固定給制は減ってきていると言われてるわよ」
例えば、家族経営の会社ならどうでしょうか?お父さん、お母さん、兄弟がいて働きに応じて給与を支給しているのでしょうか?会社じゃなく、農家ならどうでしょう。お兄さんの刈り取り面積と弟の刈り取り面積の違いに応じて取り分を決めているのでしょうか?
例えば、家庭の中に引きこもりの子供がいたとして、その子の食事や衣類、家賃は誰が支払っているのでしょうか?そうやって考えれば、競争のない会社というのは成立する気がします。
これを、家族のような会社まで拡大すれば、競争のない会社が生まれないのでしょうか?
P子「10人、20人の会社なら可能かも知れないけど、1000人規模になれば無理でしょ」
やっぱり...
P子「それに仲の良い家族でも遺産相続争いは発生するのよ」
やはり『資本主義』が存在する限り、競争はなくならないのでしょうか?
P子「今回は、疑問符が多いわね」
自問自答なんでしょう。私自身も正解が分かりません。
ただ、資本の格差拡大や、本来なら幸せになるための競争が、逆にその人にとって不幸になっているとすれば、競争のない世界で幸せになれないか?と考えてしまいます。
この話は私の中でも理論体系が確立していません。今後も考えていきたいと思っています。
5.おまけ
GPLで設計をオープン化したとしても、登録商標がないと利用者が混乱するのではないかと思ったとき、少し調べてみました。
《参考資料》
https://business-textbooks.com/registeredtrademark202/
意外なモノの商標登録一覧202選
「宅急便」とか「セロテープ」が登録商標であることは有名ですが、それ以外にいっぱいあり面白いと思いました。「女子高生」や「ニート」も商標登録だそうです。
この間も、電通が「アマビエ」の商標登録を出願したためネットで批判が集中したので取り下げたそうですが、こういう競争も、ないと不便ですし、独占が行き過ぎると進歩を阻害することになります。
P子「テニスの試合でも、勝ち負けがないとつまらないでしょ」
私も大抵負けず嫌いなので、勝負は好きですが、勝者が偉く、敗者が劣っているという単純理論は好きではありません。
ほな、さいなら
======= <<注釈>>=======
※1P子「『高校生のキャリアを考える』に便乗するのかと思ったわ」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。