077.「私は若い人に高度医療を譲ります」カード
初回:2020/06/08
1.面白い試みだが、考えが足りなさすぎ!?
P子「『誰にも言いませんよカード』みたいな言い方ね」(※1)
前から気になってたんですが、改めて書きたいと思います。
https://news.infoseek.co.jp/article/mainichi_20200606k0000m040135000c/
「私は若い人に高度医療を譲ります」 注目浴びる新型コロナ「意思カード」
毎日新聞 / 2020年6月6日 20時1分
新型コロナウイルス感染症を巡り、高齢の患者が集中治療を若者に譲ることを想定した意思カードで、普通に考えれば、老人の命より若者の命が重い...という前提なんでしょう。
大阪大招へい教授さんも、「病気のこともあって、感染したら助かる可能性が高い若い人の治療を優先してほしいと考えるようになった」と話されているように、そういう意思を示すことが出来るのは良い事かも知れません。
P子「どうせ反対なんでしょ?」
例えば、臓器移植の場合の脳死判定は、法律やガイドラインなどが明確に決められていますから、『心臓取った後で生き返った~』なんてことには(たぶん)なりません。
P子「心臓取ったら生き返れないでしょ(たぶん)」
もし、私が「意思カード」を示すとしても、条件があります。
1.30歳未満の若者(複数候補者の場合は、子供、女性優先)
2.本当に人工心肺装置が不足していたという証明書
3.近隣の病院への転院が不可能であったという証明書
4.先に人工心肺装置を使用中の「意思カード」を所持している老人がいない事。
5.私の命と交換する若者の病歴と過去の犯罪歴
6.その若者のIQ(学歴)と、就労状況、家族や友人からの評判
7.・・・・
P子「ちょ、ちょっと待って! ほんと邪魔くさい人ね。そんなの不可能でしょ」
条件は、まだまだあります。
P子「なら、意思を示さなければいいんでしょ」
だから、『考えが足りなさすぎ』って言ってるんです。
少なくとも、命の選別(優劣)を提案しているんですから、それなりの覚悟と準備をして頂きたいと思います。
P子「0点か100点じゃなくって、20点から始めてもいいんじゃない?」
単純に自分の意志で譲るんならいいんですけど、『ああ、老人は死んだらいいんだ』『老人より若者の方が価値があるんだ』などと思い込む人たちも出てくるでしょうし、老人と若者の価値という判断基準から、能力や将来性、保有資産などで選別しようという考えも出てくるでしょう。
P子「老害とか仕事も出来ないのに給料だけ高いとか、若者にも不平・不満がたまってるもんね」
まあ、事実の所もあるので反論できませんが、若者の不平・不満は政治の問題だと思っていますから。元凶は老人議員ですけど選んだのは国民であり、政治に興味を持たない若者にも責任があると思います。
P子「一部の若者って言った方が良いわよ」
2.もう一工夫付け加えると
ダメ出しばかりでは進展がありませんので、自分なりの工夫を付け加えたいと思います。
つまり無条件に『命をゆずる』事が出来ないから条件を付けたくなるんであって、最初から『命をゆずる』人を決めておけばいいんです。
私の場合、家族なら先の条件をクリアして余りあるので、OKです。つまり、私と家族が同時に人工心肺装置が必要な症状になり、かつ、どちらかしか付けられない場合なら、譲ります。
P子「そんな偶然、ほとんどないわよ」
その通りです。石器時代の物々交換じゃあるまいし。
では、債権化してはどうでしょうか?
例えば、私が先に感染して、見ず知らずの人に無条件で人工心肺装置を譲ったとして、その行為を債権として持っておき、家族が感染したときに無条件で優先してもらう。逆に、先に家族が感染した場合は、債務として持っておき、私が感染した場合には無条件で人工心肺装置を譲る...なんてどうでしょうか?
P子「100点満点の20点が21点になった程度ね」
一応、加点してくれるんですね。でも、根本的なところが異なっていると考えています。
元のアイデアは実施は簡単かもしれませんが、実効性が薄いです。私のアイデアは、実施は難しいかもしれませんが実効性は十分にあると思います。実効性の問題は技術の問題なので技術的に解決可能です。
エンジニアの中には、簡単に実施できるからと言って、実効性の薄い提案を行う人もいます。こういう思考トレーニングは日々行っておいた方が良いと思います。
P子「無理やりエンジニアの話に結び付けていない?」
てへ(※2)
P子「所であなたの考えには、根本的な問題があるわよ」
なんでしょう?
P子「元の意見は『命の選別』だけど、あなたのは『命の売買』よ」
ほな、バイバイ
P子「あ、ごまかした!」
======= <<注釈>>=======
※1 P子「『誰にも言いませんよカード』みたいな言い方ね」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。
※2 てへ
軽くグーを作って自分の頭をこつんとしながら、ペロッと舌を出します。遠くから見ると「シェー」に見えるのでご注意ください。
コメント
MachiMachi
生命を受けたその日から誰もが裁いたりはかったりして毎日暮らしてきた人は少ないと思います。生きているなかで生と死を経験し五感で感じ日々に追われ余裕がある日ない日とあっても
皆それぞれの生き方を見つけ今を生きている人もおられると思います。
いろんな考え思い言動はその人の人間らしい生き方だと思うんです。違っているから協力し新しいことも発見できるんだと思うんです。
自然が生き続けて人類ができ当たり前に2021年になりました。
今の高齢者の方々の言葉にはとても人間らしく生き抜いてこられた強い心を感じます。命は誰もが同じであることをよくわかっているからこその言動だと思うんです。「親より先に死ぬのは親不孝」ということばがありますが、
まさにその意味の深さだと思います。
いくつになっても長生きしてほしいと誰もが願い同じであること。
例えば我が子が助けられたらどうでしょうか。涙が溢れ感謝し生死を体験するでしょう。その時わかることもあるでしょう。命の尊さは高齢者の方のほうが数何倍も上で尊敬にあたります。
私は、自分の命を提供できる方々の勇気と思いやりに感謝と敬意を贈りたいです。これからも若い力に思いやりをたくさん届けて頂きたいです。
ありがとうございました。
ちゃとらん
MachiMachiさん、コメントありがとうございます。
大変すばらしいお考えだと思います。
今まさに、医療体制がひっ迫していると言われていますが、この苦難を若者や高齢者と言ったくくりで分断するのではなく、お互いが協力して乗り切れれば良いと願っています。