ふつーのプログラマです。主に企業内Webシステムの要件定義から保守まで何でもやってる、ふつーのプログラマです。

飛田ショウマの憂鬱 (16)

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 権力は腐敗する。政治や一流企業のトップなどの遠い世界で使われる言葉だと思っていたが、飛田は自分のすぐ近くで実例を見ることになった。

 飛田が、その実現性と実効性にそれほど期待していなかったMITSUHIDE プランの、HONNOUJI プロセスは、8 月22 日の調査委員会に合わせて発動され、ドラスティックなまでの成功をおさめた。首藤課長は、AFA のトラブルだけならば舌先三寸で事態を収拾する自信があったのかもしれないが、パワハラの加害者としての聴取を受けることになるとは想像だにしていなかったため、しどろもどろで疑惑を否定するのが精一杯だった。

 飛田が効果を疑問視していたのは、被害者の実名や証拠の音声データの開示が行われなかったため、会社側がどこまで真剣に捉えるかが不透明だったからだ。飛田に加えて、長谷部や石黒、清水などが証言すれば、首藤課長を退職に追い込むことも可能だっただろうが、誰もそれを望まなかった。首藤課長が飛田を嫌っていたことを知らない者は社内にいなかったから、被害者が飛田であることは誰の目にも明らかだった。愛想はなく、人付き合いも良くないが、飛田のプログラミングスキルの高さは多くの社員が認めるところだったから、飛田に対する社内の目は同情的なものになるだろう。だが、長谷部、石黒、清水はそれほど単純ではない。長谷部は自分に目を掛けてくれた恩人に背いた謀反人として、石黒や清水はその協力者として、社内から白い目で見られることになる。それを避けるのが、MITSUHIDE プランの肝だったのだ。

 矢面に立つのは飛田ばかり、というMITSUHIDE プランに飛田が乗ることにしたのは、首藤課長への怒りもあったが、長谷部との関係修復のキッカケになるのではという期待の方が大きかった。成功しても失敗しても、飛田と長谷部は戦友のようなものだ。もちろん飛田は、長谷部とカナの目論見が成功して、システム開発課が居心地のいい場所になることを望んでいたが、明確な証拠が存在するわけでもないパワハラが認められ、首藤課長が処罰される、という点については悲観的だった。せいぜい、けん責や一時的な減俸程度に落ち着くのが現実的だろう、と考えていた。

 だが、長谷部とカナの目的は、完全なパワハラの認定などではなかった。首藤課長が自分の立場を利用して、部下に嫌がらせをしている疑いがある。事実ではなく疑義。それだけで十分だったのだ。もしシグマファクトリーの経営陣、および人事部が、真実にのみ基づいて処分を決める意思を持っていたら、徹底的な聞き取り調査が行われ、長谷部やカナの関与も明るみに出たかもしれない。しかし上層部は、ことが大きくなりSNS などで拡散することを怖れ、月が変わらないうちに対処方法を決めた。それは一通の辞令という形で全社員に通達された。

ソリューション事業部 情報システム営業部 システム開発課 首藤課長
9 月1 日付で、福岡支店 総務部 ファシリティセンター 課長補佐を命ずる

 パワハラの容疑者と被害者を物理的に隔絶させる、という単純な方法だった。閑職というわけではないが、システム開発業務とは直接関わりがなく、その権限も福岡支店内に限定される。システム開発課の課長は、事業本部長が兼務し、近藤係長が課長補佐に昇進することになった。

 その気になれば首藤課長は、8 月いっぱいまでは飛田に対して嫌がらせを行うこともできただろうが、自らの失策を悟ったのか、これ以上の騒動が自分のためにならないと思ったのか、粛々と引き継ぎを進めた。飛田と視線が合っても、これまでのようにあからさまな嫌悪を浮かべることもなく、ただ顔を背けるだけだった。その心中に自責の念があるのか、抵抗しないと思い込んでいた飛田から反撃を食らった自分の迂闊さを悔やんでいるのか、単に闘争心を失ってしまったのか、飛田には判断がつかなかった。システム開発課内では、飛田に対する謝罪の言葉を期待するような雰囲気が漂っていたが、飛田自身はそんなものを望んでいなかった。飛田と首藤課長は、それぞれ自分の居場所を確保するために戦ったにすぎない。元々、一方的に首藤課長が敵意を向けてきていたのだから。

 結局、飛田と言葉を交わすことなく、首藤課長は九州行きの飛行機に乗った。以後、飛田がこの男と会うことはなかった。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 半年後、長谷部はシステム開発課第1 グループ係長に昇進した。同期の中では、最初のマネジメント職である。

 システム開発課の課長は、梅田支店に異動となった近藤が兼務する。といってもシステム開発課に顔を出すのは、隔週の報告会のときだけなので、事実上、システム開発課の指揮を執るのは長谷部ということになる。

 係長としての挨拶が終わった後、長谷部は第1 グループの8 名をミーティングルームに集めて、技術力を重視する方針に変えていく、と宣言した。

 「まず」長谷部は力強い声で告げた。「前年度にやっていたような研修については、最小限度に留めます。すでに受講申し込みを済ませた研修は仕方がないですが、今期については改めて各自と相談して決めたいと思います」

 歓迎の声が上がった。首藤前課長の方針で決めた研修は、その多くが受講料を支払い済みだったために12 月近くまで継続していて、少なからず業務を圧迫していたのだ。

 「それから、これまで実装はできるかぎり協力会社に出す方針でしたが、4 月に全ての契約を見直し、適切ではない協力会社とは契約を打ち切ろうと思います。AFA のトラブルの件は、まだ記憶に新しいと思いますが、あのようなことがないようにしたい、というのが理由です。新たに契約を結ぶ場合でも、単価ではなく技術力を重視します。選定プロセスには、飛田か野見山のどちらかに必ず加わってもらいます。私では、まあ、ちょっとばかりスキルが足らないからね」

 クスクス笑いが上がる中、長谷部は声を潜めた。

 「大きな声では言えないですが、会社の基本方針である上流工程への移行についても、その根底には強固な技術力があることを前提にするように働きかけていくことができれば、と思っています。受注した仕事の上前を何割か取って下請けに回すだけ、なんて面白くないからね」

 大きな拍手が沸き起こったが、飛田はその大言壮語に不安を感じた。ミーティングが終わった後、飛田は1 人残って長谷部に忠告した。

 「あまり最初から、あれもこれもと欲張らない方がいいんじゃないか? お前だってあからさまに会社の方針に異を唱えるつもりはないんだろう」

 「ないよ」長谷部は認めた。「でも、これぐらいハッタリかまさないと嘗められるからな。何しろ、オレはこの中の誰よりもプログラミングスキルが低い。お前だって、要件定義書とスケジュール表と予算管理表だけ作る会社じゃイヤなんだろ」

 「それはもちろんそうだが......」

 「心配するなよ」長谷部は笑って飛田の肩を叩いた。「それなりに部長連中に顔をつないであるからな。それより今日、飲みに行かないか。カナも一緒に」

 昇進の内示を受けると同時に、長谷部はカナと結婚することをオープンにしていて、社内ではちょっとしたニュースになった。同期の全員が長谷部の昇進とカナとの結婚を祝福し、浜松営業所にいる佐藤は、その知らせを受けると、全国に散らばっている同期全員宛に本文が「......三木田は妊娠しておらず、結婚後も仕事を続ける予定」で終わるメールを出した。

 「今日はやめておく」飛田は断った。「17:00 にラウンドコアが来る。八十田建設の発注書システム構築の件だ」

 首藤前課長が異動になると同時に、長谷部は八十田建設関連業務の一部を飛田に委譲していた。自らの役割を営業的な窓口に限定し、仕様やスケジュールに関しては飛田がコントロールできるようにしたのだ。とはいえ、実装と単体テストは、協力会社であるラウンドコアシステムが担当することに決まっていたから、飛田が実際にコードを書くことは、ほとんどなくなっていたのだが。

 「それで思い出したんだが」飛田は長谷部に座るよう合図した。「ラウンドコアも見直しの対象になるんだろうな」

 「なるよ。例外はない」

 「さっきの俺の意見を反映する、という言葉にウソはないか?」

 「ああ。ない」

 「なら言うが、あそこは切った方がいい。クズしかいない」

 「おいおい」長谷部は苦笑した。「確かに優秀とは言えないが、それなりにやってくれてるじゃないか」

 「やれてない。個人情報の暗号化と言ったら、平気な顔でMD5 でどうでしょう、なんて言ってきたんだぞ。オーダーのロジックでも、Factory を使えと言ったにも関わらず、if~else を30 個も並べて書きやがった」

 「お前が指摘してやればいいだろう」

 「指摘しても同じ間違いを何度も繰り返す。しかも、社員のワークライフバランスを重視するとかで、夜電話しても誰も出ないことが何度もあるし、納期に間に合わないことを当然のような顔で言ってくる。それだけならまだしも、持って来たUSB に何も入ってなかったことが3 回はあった。あれはどう見ても時間稼ぎだ」

 「まあ確かに納品物のクオリティは高くない」長谷部はなだめるように言った。「首藤さんが単価だけで選定したからな」

 「早めにまともな協力会社に変更するか、内製に戻した方がいい。でないと、そのうちAFA のトラブルみたいな事故が起きて、誰かがお前を蹴落とすために、それを利用するかもしれんぞ」

 「わかったわかった。ちゃんと検討する。今の理由をメールしておいてくれ」

 だが、長谷部の約束にも関わらず、5 月になっても、相変わらずラウンドコアシステムは、シグマファクトリーに出入りしていて、飛田の神経を苛立たせ続けた。

 「ラウンドコアの件はどうなってるんだ」リーダー会議の席で、飛田は問い質した。「相変わらずスキルの低いプログラマもどきがレベルの低いソースを送ってきているぞ」

 長谷部は困ったような表情を浮かべた。

 「すまん。アットフォース社を外す代わりに、ラウンドコア社は残さざるを得なくなった。AFA 運用の委託先が必要だったんでな」

 「え、そうなんですか」野見山が驚きの声を上げた。「じゃあ、AFA はラウンドコアに引き継ぐってことですか」

 「そうだ。今月いっぱいでアットフォース社との契約は打ち切る。今、清水が引き継ぎ資料を作って、ラウンドコア社と打ち合わせをしているところだ」

 「他の委託先を探したらどうなんだ」飛田は提案した。「どうもあそこは信用できん。営業が何でもできますって言うくせに、提供される技術力が低すぎる」

 「他も探してるよ。でも向こうの言い値で金を出すわけにもいかんからな。こういうことには時間がかかるんだよ」

 「うちでやるわけにはいかないんですか?」野見山が訊いた。

 飛田と長谷部は揃って首を横に振った。シグマファクトリーには、運用を行う部門がないので、24 時間365 日の問い合わせに対応できない。青山フラワーアレンジメントと締結している業務委託契約書には、ハードやソフト、ネットワークのトラブル、または保守作業によるシステムの停止は、20 分以内に留めることと明記されている。

 「ラウンドコアだって、規模的にはアットフォース社と同じぐらいですよね。本当に24 時間対応してもらえるんですか?」

 「やれると言ってるよ」長谷部は肩をすくめて答えた。「まあ、これはもう決定事項だからな。やらせてみるしかない。何か起こすかもしれない、というぐらいじゃ、協力会社を変える根拠にはならんよ」

 「長谷部」飛田は静かな声で確認するように訊いた。「最初に言ったことを忘れていないだろうな。単価ではなく技術力を重視する、選定には俺か野見山の意見を聞く」

 「忘れてないよ。ラウンドコアの件は新しく契約するわけじゃないから、声をかけなかっただけのことだ」

 飛田は頷いた。まだ新体制が始まったばかりだ。少し長谷部に時間をやるのが公平というものだ、と考えながら。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 シグマファクトリーの人事異動は、10 月か4 月に行われるのが通例で、どちらも一カ月前には辞令が通達される。だが、6 月1 日付で発令された辞令が通達されたのは、わずか14 日前だった。その辞令を読んだ直後、飛田は長谷部に詰め寄った。

 「石黒と清水と岡崎が異動ってどういうことだ」

 長谷部は、まあ落ち着け、とでもいうように、飛田を共有スペースに連れて行った。

 「どうもこうもない」長谷部は座りながら言った。「時期的には異例だが、別におかしなことはないだろう。石黒はもう少し外の人間とのやり取りを勉強してほしいから営業課、清水は企画的なことをやりたがってたからプロダクト企画課、岡崎は官公営業課の客先にデータベース管理者として常駐だ。どれも本人たちの希望を聞いた結果、近藤課長が決定したことだぞ」

 長谷部がわざとらしく笑ったが、飛田は同調しなかった。

 「建前はいい」飛田は厳しい声で言った。「お前が推薦するか進言しなければ、近藤課長がそんな異動を思いつくはずがないことぐらい、俺たちはどちらも知ってる。システム開発課を実質的に取り仕切ってるのはお前なんだからな。俺は、お前の意図を訊いているんだ」

 「意図か」長谷部は腕を組んで飛田を見た。「俺は部下の希望を考慮して、それぞれの適性を見極めた上で、奴らの将来にとって最善と思われるキャリアパスに乗せてやっただけなんだがな。悪巧みみたいに言われるのは心外だな」

 「来月から3人も抜けたら、あいつらにアサインしてある業務はどうなるんだ」

 「下請けがいるだろう」長谷部はこともなげに指摘した。「石黒は八十田建設関連と天川電気の在庫管理システムの改修だったな。八十田の件はとりあえずお前が引き継いで、天川電気はラウンドコアに業務委託契約で出すよ。石黒はちょっと時間外が多すぎるからな」

 「清水のAFA と立川印刷、ルーファクッキングは?」

 「AFA はもうラウンドコアに丸投げで大丈夫だろう。窓口はとりあえず野見山に任せる。立川印刷はまだ要件定義フェーズだから終わるまでは清水にやってもらうが、詳細設計フェーズからはどこかに業務委託する。ルーファクッキングは半分以上がコンテンツ開発課の仕事だからな。あっちに任せてしまおうかと思ってる」

 「あそこはHTML やCSS はできるが、PHP やデータベースをわかる人間がいないぞ」

 「そのあたりはお前か野見山がサポートしてやってくれよ」

 「外注への依存度が減るどころか、加速しているのは俺の気のせいか?」飛田は唸った。「メンバーを減らして、アウトソーシングを増やすと、基礎的なスキルが蓄積されないぞ」

 「外の力をうまく使っていくことも必要なんだよ。人件費もバカにならんからな。時間外労働時間を減らす効果もある」

 「人件費をコストだと思っているなら間違いだぞ。使えるプログラマを育てるには時間と金がかかる。それはコストじゃない。投資だ」

 「言いたいことはわかるが、それは理想論だな。うちは金の卵を産むガチョウを飼ってるわけじゃない。お前、ソリューション事業部のP/L、見たことあるか? ないだろう」

 「ない」飛田は認めた。「前年度の売上は計画比98% だと聞いたが」

 「それは営業収益だ。うちの部の場合、売上原価がかなり高いから、売上総利益は高くない。計画を3% ほど割り込んでる。その一番大きな理由は人件費だ。はっきり言えば、一つの案件に手をかけすぎなんだよ。あまり細かい数字を上げるとキリがないんだが、うちのグループでいうと、人件費に見合った利益を出せているのは、お前と野見山ぐらいだ」

 「石黒にしたって清水にしたって修行中の身だからな。もう少し経験を積んで、1 人で案件を担当できるぐらいになれば、効率も上がって......」

 「それが理想論なんだよ」長谷部が飛田の言葉を遮った。「たとえば石黒がお前ぐらいに、何でもできる人材に育つまでに何年かかる? 3 年か? 5 年か? それだけ時間をかけても、結局、ものにならないかもしれないじゃないか」

 「何もしなければ技術的な基礎体力はなくなっていくぞ」

 「石黒を見捨てる、と言ってるわけじゃない。ひょっとすると営業の方が、あいつの力をうまく生かせるかもしれないじゃないか。ダメだったら、改めて開発の方に戻せばいい。営業側から顧客と接するのは、ムダな経験にはならないと思わないか」

 「石黒は納得してるのか」

 「もちろんだ」長谷部は笑った。「開発に残りたいようなことは言っていたが、最後には納得してくれたよ」

 「だったらいいんだが。せめて10 月まで待てないのか」

 「お前、それあいつらのために言ってるのか? 自分のためじゃないのか」

 「どういう意味だ」

 「お前が手足のように使える部下を手放したくないだけじゃないのか、って言ってるんだよ。業務委託契約の協力会社だと、あれこれ口出しはできないからな」

 「そんなことはない」本当にそうだろうか、と自問しつつ、飛田は答えた。「俺はプログラマが自分の力を発揮できる環境を整えてやりたいだけだ。俺も含めてな。だから、お前たちのMITSUHIDE プランにも乗った」

 「おっと」長谷部は唇に人差し指を当てた。「その件は会社じゃ口に出さないようにしとこうぜ。もう終わったことだしな」

 「長谷部」飛田は正面から友人の目を見つめた。「もう一度、確認しておきたい。会社の方針は動かせないにしても、少なくともシステム開発課については、プログラミングスキルを軽視するような方針にはしない。それは変わっていないんだな?」

 「もちろんだ」長谷部は頷いた。「ただ......」

 「なんだ」

 「前にも言ったと思うが、こういうことには時間がかかる。すぐに外注を全部切るようなことはできないし、上流工程寄りのスキルを身に着ける施策も続けないわけにはいかない。それはわかってもらえるよな」

 飛田は小さくため息をついた。

 「わかった。少なくともしばらくはお前に任せる」

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 翌日、飛田と野見山は久しぶりにエルロンド会議を行った。誘ったのは、野見山だった。

 「実は今日、長谷部さんと話をしたんです」野見山は切り出した。「10 月から梅田支店に行ってくれないか、という打診をされました。金融証券事業部です」

 「近藤課長のところか。なんでまた?」

 「来年度にオービタル証券が、デリバティブを始めるので、そこのシステム開発に人が欲しいということで」

 オービタル証券は、梅田支店の金融証券事業部の主要顧客の1 つだ。

 「重要な案件だな」

 「ただ、プログラマとしてではなくて、いわゆるシステムエンジニアとしてです。今から業務知識を付けておいてくれと言われました。たぶん、向こうに行っても、顧客との要件すり合わせが主な仕事になるそうです。実装やテスト、運用は、付き合いのある協力会社に8 割方委託しているそうで」

 「つまり......」

 「上流工程ってことです」野見山はつまらなそうに笑った。「飛田さん、長谷部さんって本当に大丈夫なんでしょうかね」

 「どういう意味だ?」

 「ぼくは、去年の首藤元課長の異動の裏事情なんか知りませんよ。でも、あれが単なるパワハラに対する処分なんかじゃなくて、一種のクーデターだったことぐらいわかります。首藤元課長を追い出して、長谷部さんがその後に座ったわけですよね。どうせ、長谷部さんが計画を立てて、飛田さんがそれに協力した」

 「......」

 「飛田さんが出世レースに興味があるとは思えないので、その見返りは、実装スキルの軽視する傾向を見直すこと、ってとこじゃないですか?」

 飛田は感心しながら野見山の顔を見た。MITSUHIDE プランのことは、野見山には話していない。石黒や清水も全貌は知らないから、そこから知ったとも思えない。周囲の状況証拠だけで、かなりの核心に迫っている。

 「確かに首藤元課長の施策はいったん中止になりましたけど、今、長谷部さんがやってることって、結局、同じことじゃないですか」

 「そうかな」飛田は控えめに反論した。「外部に委託するのは一時的なことだと言っていた」

 「石黒や清水たちの行き先だって、実装スキルを必要としない部署ですよ。ぼくだってそうです。次は飛田さんなんじゃないですか」

 飛田は答えなかった。野見山はため息をついて缶コーヒーを呷った。

 「エルロンドの言った通りですね」

 「はあ?」

 「ゴンドールのボロミアが、指輪を破壊するのではなく、サウロンを倒すための武器として使ったらどうか、と提案するんですよ。エルロンドは、誰かが指輪を使ってサウロンを倒したとしても、その男は自らを次の冥王の座につけるだけだ、と否定する。ぼくには、今のシステム開発課の状態と同じに思えてならないんです」

 「よくわからんが」飛田は首を振った。「長谷部が首藤元課長と同じことをやろうとしてると言いたいのか?」

 「悪意があるとは思わないんですけどね。でも、目的と手段がいつの間にか逆転しちゃうなんてことはよくあることでしょう。エルロンドも言ってます。どんなものでも、その始まりから悪いということはない、って」

 飛田は考え込んだ。長谷部のやっていることは、確かに飛田の目的とは異なる方向に進んでいるように見える。だが、何かを達成しようとするには、少しぐらい回り道をすることも必要なのではないだろうか。

 「長谷部さんは同期の中じゃトップで係長になりましたよね。何かとイヤな思いもしたんでしょう。そこまでして手に入れたポジションです。簡単には手放せないと思うのが心情です。ましてや、長谷部さんはもうすぐ家庭を持つわけですしね。そういうとき人は、革新より保守を選択してしまうんじゃないでしょうか」

 「長谷部は俺と約束してくれたんだがな」

 「信頼してるんですか?」

 「友だちだからな。少なくとも俺はそう思ってる」

 「やっぱり飛田さんが係長になるべきだったんですよ」野見山はニヤニヤ笑った。「飛田さんなら、上から何を言われようと、自分の信念を貫いたんじゃないですか? まあ、逆に1 年ぐらいで理由をつけて降格されたかもしれませんけどね」

 「異動の話は受けるのか?」飛田は訊いた。「まだ打診の段階だろ」

 「打診と言っても、ほとんど命令ですよ。拒否権なんかないようなものです。転職活動をするのも面倒なんで、とりあえずは了承しようと思いますけどね」

 「そうか」

 2 人は立ち上がった。

 「さっき長谷部さんを信頼してると言いましたね」野見山は低い声で言った。「ぼくは逆です。まだ首藤元課長の方が扱いやすかったとさえ思います。あの人には明確に悪意がありましたけど、長谷部さんは基本的にはいい人です。でも、だからこそ......」

 「何だ」

 「いえ」野見山は笑顔を見せた。「すいません、忘れてください」

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 6 月の最初の金曜日は、隔週で開かれている進捗報告会議の日だった。この日のために梅田支店から戻って来た近藤課長も出席している。すでに、石黒、清水、岡崎は6 月1 日付で異動していて、人数が減った状態での会議だった。その席で、野見山の異動が正式に発表された。

 会議の後、飛田は近藤課長に残るように言われ、座り直した。長谷部を含む全員が出ていった後、飛田は近藤課長から異動の打診を受ける。異動先は名古屋事業所ネットワークビジネス部法人システム営業課。開発を行う部署ではなかった。

(続)

Comment(56)

コメント

匿名

裏切られたか……
その一言につきますね

cap

「真田丸」の終盤の様ですね。最善を尽くしているはずなのに、味方のせいで負けて行く。辛いなぁ。

匿名

言わんこっちゃない( ´Д`)y━・~~

匿名

エルロンド会議に続いて一つの指輪ネタを使ってくるとは、相変わらず作者は教養が深い……と言って済ませたいところだが、
権力を一つの指輪に例えるとか、どう考えても死亡フラグじゃないか……。
一つの指輪と違って、権力は滅びの山の炎で破壊できないあたり、なおさら質が悪いのも何とも。

m

急展開ですね!ドキドキしながら読みました。
首藤の異動が思いのほかスムーズだったのには驚きました。首藤が最後の悪あがきでもするかと思ってたので。
しかしその後が・・・山崎の合戦が始まったみたいだ・・・。

匿名

一つの指輪の魔力に堕落したか

匿名

「俺は、お前の意図を訊いているだ」→「ん」が抜けているかと思います。

匿名

そして誰もいなくなった……。
パージされたのは課長だけでなくシステム開発課第1グループごとだったという。

匿名

まあ、長谷部とカナにとっては、首藤に取って代われれば、それでよかったわけだしな。

匿名

クズ2人と協力した人間に、お似合いの末路ですな

へなちょこ

ずいぶん話が進みましたね。首藤課長がすんなり退場してちょっと意外でした。
あと、係長程度では社の方針を変えさせることは無理だから、
上から降りてくる方針に唯々諾々と従って、
自分をアピールするのが現実的と判断したんでしょうね。

hoge

カナの思惑どおり

匿名

すっかり"いとしいしと"カナの掌の上ですね
飛田は異動を断って干されるか、異動して営業で失敗して干されるか・・・
ところで係長ってマネジメント職なんですかね?

匿名

首藤はあっさりと退場しちゃったな。
反撃喰らったのを飛田がかばって・・・とか妄想していたのだが。


このあと、飛田が会社を追い出されるだけだったら、
首藤のままでよかったじゃん、に、なってしまいそう。
まだ何かあるのかな?

CES

冒頭の「権力は腐敗する」の一文は、首藤じゃなくて長谷部のことを言っているように見える。

匿名

>首藤のままでよかったじゃん、に、なってしまいそう。

むしろ首藤が居たころに比べて、余計事態が悪化して酷い目に遭った結果が、
罪と罰の時代の飛田だと考えれば、色々納得してしまえそうな予感。

匿名

やっぱ言ったとおりじゃないか!
飛田、なぜおまえは信じてしまった…
カナなのか長谷部なのか知らんけど完全に夜神月「想定通り」ですわ

匿名

予想以上に飛田がお人好しだった...(´・ω・`)

航海士も機関士も通信士もいなくなった船で長谷部はどこに向かおうとしているのか?
タイタニックの如く沈む未来しか見えないw

匿名

飛田くんはいい意味でも悪い意味でもピュアすぎるんだよなあ……。
会社の社長はじめ上のほとんども賛成してる方針に、一介の係長が逆らえるわけないのに。
あとは長谷部の思惑がどうなのかかな。
飛田くんを自分のために都合よく動かしてるのか、長谷部的価値観に基づいた善意なのか。
まあどっちにしろ飛田くん的には裏切られたと感じるだろうけど、後者のほうがむしろダメージがでかい。友達だと思ってたのに何にも理解しあえてなかったという意味で。

ななし

話の展開が「憂鬱」ってレベルじゃないw

リーベルG

匿名さん、ご指摘ありがとうございました。

elseorand

長谷部は下衆とはいえ、
外注先に問題起こされた時に、技術的な意味で収拾をつける方法くらいは準備しているだろうけど、それが全く読めない。

まぁ遅かれ早かれ、
「日本には外注できるほどまともな開発できる会社なんざもはや存在しない」
と上層部が痛い目見るのだろうけど、
それを意図でもしているのかな?

匿名

権力は腐敗するというのは、長谷部の事もそうだし、首藤の事もそうだし
首藤の事を徹底的に調査もせず、臭いものには蓋をする精神の
上層部の事も言っているんじゃないでしょうか?

匿名

飛田氏名古屋に転勤ですか。ということは罪と罰本編の話で荒木准教授が愛知県の大学講師をしていた時期があるので、その頃の話かも。荒木准教授に出会って飛田氏がイニシアティブに入るきっかけに?

toanna

この物語ではとことん予測を外しているので、可能性だけ書き足してみます。


まだ計画は完了してなくて、部門または会社を潰すって可能性は?
長谷部はカナに乗ったふりをして自身の計画を遂行しようとする可能性は?
更にカナも折り込み済みの可能性は?


まあ飛田はどの結末でも絶望しそうだけど、死なないから大丈夫ですね、生きてる生きてる

user-key.

じつはカナに多額の借金が有り、会社を倒産させる→自己破産→免責を狙っているとか。

匿名

どんなに頭をひねろうともすべては作者の掌の上

toanna

どの物語でも事前に登場人物のバックボーンを早めに伝えて、その棋板からはみ出さない清さがあるんですよね。だから借金説は薄いかも。


それから結末までに何度も転じる傾向もあるので、いま読んでいるまま長谷部が悪い結末ではない気もしますが、もし読んだまま酷いキャラだったとして、心変わりした真因はなんだろう。
変わらない飛田にがっかりしたから?努力を必要としない現実を垣間見たから?結婚を前後して汚い社会に気づいたから?


真っ直ぐな飛田が、過去であっても友達認定したくらいの対象が、そんなに単純な心変わりするのかな。心変わりしたとするなら、その人生を揺るがす事件ってなんだろう

匿名

野見山の異動先に梅田なんで、イニシアティブの本拠地である関西ですね。
そのつながりかな?

E宮K嗣

>心変わりしたとするなら、その人生を揺るがす事件ってなんだろう
発送の逆転で、長谷部とカナが飛田を刺したのではなく、「飛田が」長谷部とカナを刺したのでは、という説を思いついた。

この後飛田がイニシアティブと出会い、イニシアティブの掲げる理想に共感。
しかし、イニシアティブのエージェントとしてのミッションで、自分の友人である長谷部やカナを排除しなければいけない立場に立たされる。
理想と友情を両天秤にかけて葛藤し、最終的に理想の方を取り、長谷部達を犠牲にする道を選んだ飛田。
友人を犠牲にするという罪を犯した彼は、それ以降決して、「親しい間柄」と呼べる存在を、自らの近くに作る事はなくなった――。

……と妄想したけど、罪と罰の最終話で、箕輪が飛田を評したこの言葉、

「飛田は確かにイニシアティブのメンバーですが(中略)別にイニシアティブに忠誠を誓っているわけではないんです。あいつはイニシアティブを利用しているに過ぎないんですよ」

や、飛田自身の性格を考慮すると、飛田が手ずから長谷部を刺すというよりは、
イニシアティブの他のエージェントがなんやかんやあって長谷部を排除することになり、そこで飛田は長谷部を見殺しにする形になった、
って筋書きの方がまだあり得るかな。

toanna

>E宮K嗣さん
ボクより記憶や想像のリーチが長い・・すごい・・面白いですね。

匿名

またイの字がちょろちょろと。ウザいなあ。
あんな装置がうろついていたら、主人公たちが葛藤する価値が半減しますよ。


それにしても、ウザいのと、許容できるものとの違いは何だろう。
いくつか考えられるが、ひとつ指摘できるのは、
おのおのが好き勝手にぴょんぴょん跳ね上がるのは許容できるが、
着地点の是非を云々するのはウザい、ってことかな。

匿名

あんな装置とかって怖がっているみたいだけれど、あれって心の中の秘密基地みたいなものでしょ。旧作で失敗率の高さも、個人の能力によるところが大きいことも書かれているでしょ。もしイニシアティブのメンバーだったとしても、当人が夢や理想と同じように忘れてしまえばそれでお終いじゃないですか。秘密基地を恐れる心情は全く理解できないので教えていただきたいです。首藤が飛田を嫌う理由と繋がる何かがあるかもしれませんね。


PGであれば、利用できるライブラリ(イニシアティブ)を知ってしまっているという事実があったとしたら、最終的に使えないと判断するまではその能力を調査するものではないでしょうか。可能性があるのならば、徹底的に試してみるものでしょう。それをおこなわない理由があるとすれば、政治的判断によるオープンソース(イニシアティブなど)禁止などの制約によるものではないでしょうか。


自分のルールを押し通すのであれば、まずはコメントを読まないなど自身で工夫すればよいのではないでしょうか。または管理者と交渉してコメントではイニシアティブ禁止という制約を公式にしたら良いのではないでしょうか。


最後に「主人公たちが葛藤する価値」って弱者に対する冒涜ではないでしょうか。人が苦しみながら死んでいく様に価値を見出せるってことですよね。
葛藤した結果、見出したものに価値があるのではないでしょうか。。しかもその価値が半減するからウザがるところも、ほんと酷いですね。


つまりあなたは
・イニシアティブの話が出てくると自身の残虐性を発揮できず、楽しめないからウザい。
・だからイニシアティブの単語を出すな
という十分に軽蔑できる主張ということでよろしいでしょうか。

toanna

あ、すみません。わざわざ宣言する必要もないと思いますが、上の暴言はボクです。

匿名

この物語はフィクションです。実在する団体名、個人とは一切関係ありません。

匿名

2017/03/02 12:13の匿名さんの下2行に完全に同意だなぁ。

2017/03/02 12:13

>あれって心の中の秘密基地みたいなものでしょ。


toannaさんにとっては、そうなんですよね。
個人のことであれば、ご自由にどうぞ。
しかし、それを一般化しているのがウザいのです。


そもそも、秘密基地というものは、一人でこっそりと楽しむものです。
そんなものオープンにしないでください。こっちが恥ずかしい。(照


>最後に「主人公たちが葛藤する価値」って弱者に対する冒涜ではないでしょうか。
>人が苦しみながら死んでいく様に価値を見出せるってことですよね。


まさしくその通り。
それこそが、フィクションの価値というものです。
この連載が支持されているのは、常に読者の想定を超えて、
作者が飛田をいじめまくっているからです。
それがぬるかったら、そもそも顧みられることもありません。


私も読まないわけじゃないですが、
ぬるいラノベにどっぷり浸かってばっかりいると、脳が腐りますよ。

toanna

一般化でいうのなら、あなたが断定口調でいう
・あんな装置がうろついていたら、主人公たちが葛藤する価値が半減しますよ。
・そもそも、秘密基地というものは、一人でこっそりと楽しむものです。
・それこそが、フィクションの価値というものです。
・それがぬるかったら、そもそも顧みられることもありません。
・ぬるいラノベにどっぷり浸かってばっかりいると、脳が腐りますよ。
これら全てが一般常識のように書かれている、つまり一般化に分類されるでしょう。
書かれていることが逐一自虐で面白い。少しだけクスっとしました。


ところでイニシアティブの単語を発端として一般化の話が出てきましたが、今作にはイニシアティブという単語は出てきません。ですのでイニシアティブという単語を出した時点で、妄想であり一般化ではないと証明できます。また前作を含めていうのであれば、イニシアティブの話はたっぷり出てきますので、やはり一般化ではありません。


その前作も今作も、というよりここで公開されている話には、満遍なく登場人物たちの会話に一般化した内容が出てきますので、あなたにとって読めるところがないのではないでしょうか。だからあなたは物語を斜め読みしかしていない。そして一般化が満載のイニシアティブを怖がる理由でもあります ←これが正しい一般化です。


ボク自身はいろいろな人の意見や思想を楽しく思っているので、一般化を目指しておらず、概念化して抽出化して演繹法を試みているにすぎません。ですので他方からの想像外の推論を非常に楽しく読んでいます。特に一般化を目指してはいないのですが嫌ってもいないので、今と変わらない温度でいたい思います。


前回も提案しましたが、他人の発言を制限するまえに、気に入らなければ読まなければ良いのではないでしょうか。
でもやっぱり気になって読むのでしょうね。そこまで嫌っているのに、よくここで呼吸ができますね。一方的に他人を卑下したうえに話をそらし、一般化なんてすぐにボロが出る話まで持ち出してくるとか、話す価値すらなかったことを認識しました。


長くなりましたが、先週よりは少し進化したのでターンを少なく、この話題は一方的に終わります。

匿名

自分語りは自分でBlogでも作ってやってくれないか。

匿名

じゃけん放っておきましょうね〜

 「さっき長谷部さんを信頼してると言いましたね」野見山は低い声で言った。「ぼくは逆です。まだ首藤元課長の方が扱いやすかったとさえ思います。あの人には明確に悪意がありましたけど、長谷部さんは基本的にはいい人です。でも、だからこそ......」

力不足、ソリが決定的に合わない人が何人かいるとこういう悩みって出ますよねー…
でもどれとも上手くやれないんだよな…

匿名

PGエンジニアとして生きるか、SEとして生きるか、社員として生きるか、経営者を目指して生きるか。。。
両立するようで相反する部分もあるわけでね。

2017/03/02 12:13

>気に入らなければ読まなければ良いのではないでしょうか。


そっくりそのままお返しします。
一行のぼやきに、ものスゴい長文を叩きつけてくる人の書くことじゃないですよ。


それにしても、この人は一体、何と戦っているんでしょうね。
2017/03/03 00:52 は、まだ突っ込みようもありましたが、
2017/03/04 01:27 では、完全に明後日の方向に飛んでいってるし。


自分で敵の像を仕立て上げて、自分で倒して。
こういうのをマッチポンプって言うんですよね。
つか、○○○ーは、秘密基地でこっそりやってくださいよ。(照


toannaさんが、とてもとてもとてもイの字に恋い焦がれているのはわかるのですが、
アレはフィクションなのをお忘れ無く。

匿名

「さっき長谷部さんを信頼してると言いましたね」野見山は低い声で言った。「ぼくは逆です。まだ首藤元課長の方が扱いやすかったとさえ思います。あの人には明確に悪意がありましたけど、長谷部さんは基本的にはいい人です。でも、だからこそ......」

俺はこの台詞、野見山が「地獄への道は善意で舗装されている」を地で行って、首藤以上の大惨事を引き起こす可能性を心配している、
と解釈した。

まーた他人が好き勝手に考察してるのが許せないくんが暴れてるのか。
自分語りはともかくとして、作品に対する妄想は好きにやればいいよ。それは作品のコメント欄として正しい利用の仕方なんだから。
うざいとか理由にならんわ。中学生じゃあるまいし。

匿名

マキャベリですか~。
じゃ、私はカエサルのを。


いかに悪い結果につながったとされる事例でも、
それがはじめられた当時まで遡れば、善き意志から発していたのであった。

匿名

>自分語りはともかくとして、作品に対する妄想は好きにやればいいよ。それは作品のコメント欄として正しい利用の仕方なんだから。

作者でもないのに出過ぎた真似は嫌われる。「正しい」だとか勝手に決めてるアンタもな。アンタ鈍感なんだよ。

出過ぎた真似というのは、他人のコメントに嫌な絡み方をするあなたも同じではないのかなあと思うのだが。作者でもないのに他人のコメントにウザいとかいう個人的な感情を理由で絡むのって出過ぎた真似以外のなんなの?
作者持ち出す時点で自分が同じ穴の狢なのに気づいてほしいなあ。あ、一応聞くけど2017/03/02 12:13さんだよね?ちゃんと名前つけてね。

2017/03/02 12:13

2017/03/04 23:25さんは、私じゃないよ。
んなアカウント制でもない投稿欄で、同一性にこだわっても仕方があるまい。


それにしてもねえ。
ウザいと言われてもやる、ってんならまだわかるんだが、
ウザいと指摘することそのものがいかんなんて解せないなあ。
自分語りを指摘されて居直っているのだったら、
ウザいの一行ぼやきだって見逃してくれてもよさそうなものだが。


んじゃ、ダイヤルアップの頃から「ぱそこんつうしん」を
やっていたオジサンから、快適なネットライフのための心得を伝授しよう。


最近の若いのは、ネットと現実の区別が付いていないのが多いようだが。
いいかね。
ネットというものは、目の前にある、ディスプレイに映っているものがすべてだ。
画面の向こう側まで手を伸ばそうとか、
こっち側に引っ張り込もうとか、考えては駄目だ。
自分の書込も、サイトに掲載された時点で、
自分の手を離れたと考えること。
ま、言い換えたら、本当に重要なもの以外は、
全部捨ててしまって、身軽になることだね。


秘密基地の中身を開陳するなんてもってのほか。
思慕の情なんて、そもそも一人で愛でているべきものだ。
「いとしいしと」をウザがルヤツがいたら、ライバルが一人減ったと考えればいいではないか。


こんなところか。
では、皆さんのネットライフが快適であらんことを!

匿名

後半になると、いつもスルー検定場になるなぁ。

明日の更新が楽しみだ。

んー私は自分語りや妄想云々の人とは関係ない人なので居直り様がないのだけど…。私を誰かと混同してるのでしょうか。
私は他人の妄想(という名の展開予想、その蓋然性は抜きにして)をROMって楽しんでいた立場です。あなたのいう、

> 思慕の情なんて、そもそも一人で愛でているべきものだ。

という主張がそもそもあなた個人の主張であり、あなたの嫌う一般化はできないということは了解いただけますか?
私は、他人の書く感想や展開予想も楽しんで読んでいるわけです。そして小説作品のコメント投稿欄というのは、そういう作品に矢印が向いたコメントが本来あるべきだと思っています。他人の感想に対して、ケチをつけるだけ(それも作品と関係が薄いことで)のコメントは一番いらないと思っています。(つまり私のこのコメントもほんとは書きたくないです)
ですので、あなたのウザいから絡んだ何が悪い、という立場には反対です。ウザいなら"あなたが"無視したり、別の話題を提供するべきだと私は考えるからです。

でもあなたの立場は違うわけですよね。だから私としては2017/03/04 17:07のコメントになるわけです。あなたが言っている通り、ウザいと言われてもやれが結論です。
まあ私は妄想とか書かないので、作者でもない他人がウザいだのなんだの言おうがそれでも好きに書けばいいよ、(それで楽しませてね)ということです。

完全に余談ですが、私としてはイニシアティブ陰謀説はないな、と思っているんですよね。カナや長谷部エージェント説や会社の破綻にエージェントが関わっている説は、飛田のイニシアティブに対するヘイトを上げるような気がするからです。その後飛田が加入することがわかっているので、あえてこのエピソードでイニシアティブが関わる物語的意義がないな、というのが理由です。
まあだからといって他人の妄想にいらいらするようなことはないですけど。

2017/03/02 12:13

pさんの投稿がきっかけにはなったけど、
pさんだけに宛てたわけじゃないのですよ。


>> 思慕の情なんて、そもそも一人で愛でているべきものだ。
>あなたの嫌う一般化はできないということは了解いただけますか?


そりゃ、耐性なんて人それぞれでしょう。
だから反応も人それぞれですよ。
でも、私は他人の○○○ーを目の当たりにするなんて、ちょっと・・・
(pさんのことじゃないですよ。←こういう注釈は趣味ではないのですが)
それにしても「一般化」という言葉を最初に使ったのは、
確かに私ですけど、そもそも私だって被(ry


>ウザいと言われてもやれ


ご指摘の通りです。
しかし、上手くやっているかヘタクソかの区別はありますよ。
特に、ヘタクソなマウンティングは見てられませんねえ。


ヘタクソなのはオマエの方だ、とかいわれそうですね。この辺で。

私はあなたのことは"ヘタクソ"とは思っていないので、あなたが思うヘタクソな妄想に対して我慢ならないときは、感情的にならずにどこがヘタクソなのか理性的に突っ込みいれれば建設的な議論になるのでは、という提案をして終わりにします。
お付き合いありがとう。

ROM専PG

いいぞいいぞ~もっとやれ
次回の更新までにどれくらいコメが伸びるか楽しみだ
前々回のコメント数を目標に頑張ろうみんなw

(個人的にはウザイ人・不快な人がいても無視・スルーが
一番だと思いますよん
貴方が「俺は正しい!お前らは迷惑!だから他の奴らは俺の意見を聞け!」
と思っているのと同じように、他の人も基本大体同じこと考えてるから
貴方が人の意見を聞かないのと同じように、
他の人も貴方の言うことなど聞かない
なので、「あ、こいつ人の迷惑とか考えずに行動しちゃう奴だな」
という人がいたらスルー、何か言うだけ時間の無駄w)

toanna

ったく、また召喚するって頭悪いの?


初回から質問してるだろ。
>・イニシアティブの話が出てくると自身の残虐性を発揮できず、楽しめないからウザい。
>・だからイニシアティブの単語を出すな
>という十分に軽蔑できる主張ということでよろしいでしょうか。
そしてあんたの論調でいうと、否定しないということは肯定しているということだろ。


それからウザいについては「読まなきゃいいだろ」って何度も言うけど、毎回スルーするのはなんでよ。


自分語りについてだって、他人に指摘されるは理解できるし申し訳なく思うけど、あんたに説明するためにそうしたんだよ。それを読まないまたは理解できなかったから「話す価値すら無し」
って絶ってやったんだよ。


あんたの考える秘密基地だったらイニシアティブが成立しないだろ。だからイニシアティブに恋い焦がれているってミスリードしてあんた自身がボクの印象を一般化してるんだろ。


まずは、以下の質問に答えてみろ。
・最初の質問への回答
・一般化への反論
ちょっと腹が立ったので、あんたが逃げ続ける限り執着することにするよ。喜べ、感謝しろ。

2017/03/02 12:13

>ったく、また召喚するって頭悪いの?


えっと、今更私を召喚したのはどなたかな?


>まずは、以下の質問に答えてみろ。


誰に質問しているの?
怖がってるって誰が? あなたが自分が倒せるように仕立て上げた虚像でしょ。
そういうことは、秘密基地で一人でやってなさい。
「一般化」ってのは、貴方の振る舞いを説明するために、私が使った言葉だよ。
私自身が一般化を行ってるわけじゃない。
そして、今回の場合は、その一般化が「虚像を仕立て上げる」という結果に
つながってるんだよね。


私についてなら、書くべきことはすでに書いた。あとは、貴方の読解力次第。
「快適ネットライフのための心得」にも書いたとおり、
ネットにおいては、画面に映っているものがすべてだ。
その向こう側に手を伸ばそうなんて考えるんじゃないよ。


>それからウザいについては「読まなきゃいいだろ」って何度も言うけど、毎回スルーするのはなんでよ。


「読まなきゃいい」って書いてるくせに、スルーすると怒られるのか・・・謎だ。


>ちょっと腹が立ったので、あんたが逃げ続ける限り執着することにするよ。喜べ、感謝しろ。


だから、ヘタクソなマウンティングには付き合ってられんのよ。
やるのなら、もっと上手いことやりな。

toanna

いや、もういいんだよ(ニッコリ
まさか1ターンですべての主張の正統性を証明できるとは思いませんでした。どうもありがとう。なるほどこういう手も有効ですね。

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