テストエンジニア時代の悲喜こもごもが今のわたしを作った

「WACATE 2010 夏」参加レポート(その2)――勉強会でドレス着てバイオリンを弾いたなんて話、信じます?

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 こんにちは、第3バイオリンです。

 「WACATE 2010 夏」参加レポート第2弾です。今回は、夜のお楽しみであるディナーセッションと、夜の分科会についてレポートします。

■ディナーセッション

 ディナーセッションとは、簡単にいうと宴会です。三浦海岸の海の幸を堪能し、実行委員が企画した出し物を楽しみながら、1日の疲れをほぐしていきます。

 前回の「WACATE 2009 冬」では、出し物の1つとして「参加者有志によるバンド演奏」がありました。今回もそれがありまして、わたしもバンド「3-PICT」のメンバーとして一緒に演奏しました。実は予習というか、準備に一番時間をかけたのがこのディナーセッションだったかもしれません。

 わたしが演奏に参加するきっかけは、前回のバンドメンバーだった日本IBMの細川宣啓さんから声をかけられたのがきっかけでした(もともと、前回の演奏の後で「わたしも何か演奏したい」と実行委員の方に話したという経緯はありましたが)。

 ちなみに、今回の演奏のプログラムです。

  • TM NETWORK 「Get Wild」
  • Guns N' Roses 「Sweet Child O' Mine」
  • Yngwie Malmsteen 「Far Beyond The Sun」

 はい。普段オーケストラや室内楽ばかりやっているわたしにとって、完全に未知の領域です。それに加えて、地方在住のわたしは当日までほかのメンバーと合わせることができません。正直に言って、不安ばかりでした。ひとりで練習中に「やっぱり引き受けるんじゃなかったかも」と、何度思ったか分かりません。

 そのたびに細川さんや、他のメンバーの方とチャットで打ち合わせをしながら、いろいろと相談にのっていただいて、何とか落ち着いて練習を続けていきました。これは今でも本当に感謝しています。「君は仕上げてくると思っているから、心配してない」なんて言われたらもう、仕上げるしかないですよ(笑)。

 それでも完全に不安が払拭されたわけではなかったのですが、1日目のセッション終了直後のリハーサルで実際に合わせてみると結構いい感じでした。それで不安な気持ちはどこへやら、「もう何でもこい!」という気分になってしまいました。案外、単純な性格ですね。でも、こういうときはそれがいいのかもしれません。

■第3バイオリン(ある意味)本領発揮

 そしていよいよ本番。「テストができるバイオリニスト」と紹介され、黒いドレスを着たわたしがステージに上がると、一斉に拍手が起こりました。こうなったら、もうやるしかありません。

 演奏のほうは、多少怪しいところはありましたが、全体的にはいい感じでした。わたし自身も楽しかったし、観客の皆さんも楽しんでくださって、本当に、引き受けてよかったと思いました。

 それにしても、本番中のわたしは弓を振り回したり、「のだめカンタービレ」でやっていたように楽器を垂直に構えて弾いたり、自分でも驚くほどのはしゃぎっぷり(壊れっぷり?)でした。これでもオーケストラではおとなしくしているんですよ。このステージを通して、バイオリンの演奏についても1つの壁を越えたというか、もう怖いものはなくなったような気がします。

 それから、今回の演奏で細川さんと、クロージングセッションで講師を務める豆蔵の湯本 剛さんと共演しました。一介のテストエンジニアのわたしが、テストの世界の第一線でご活躍されているお2人と互角に渡り合ってしまいました。まさに「音楽の力、恐るべし」です。

 いつか、どこかのカンファレンスで同じステージに立てたら、と思ったのはまた別の話です。

■夜の分科会

 ディナーセッションの後は、夜の分科会です。いくつかのテーマの中で、自分が興味を持ったテーマについて参加者と心ゆくまで語り合います。

 わたしが参加したテーマはこちらでした。

 「WACATE参加before/after」(モデレータ:WACATE実行委員 加文字諭さん)

 WACATEに参加してから変わったこと、自分を変えたことがあれば何でもいいので語ってみましょう、また、初参加の方も経験者の話を聞くことで、新しい気づきや視点を探してみましょう、というのがこのテーマの主旨です。

 さっそくわたしを含めた経験者同士で話したことは、「WACATEで学んだことを、現場に展開することの難しさ」についてでした。経験者のうち、大抵の方がWACATEで学んだことを現場に持ち帰っても、うまく広めることができないでいるようです。そうして現実に引き戻されて、せっかく上がったモチベーションを維持するのが困難になるというわけです(これはWACATEに限らず、ほかの勉強会でも同じかもしれませんね)。

 わたし自身、前回のWACATEで学んだGQM法を課内勉強会で取り上げたところ、課員にGQM法のメリットや応用例がうまく伝えられなかった、という失敗をしたことがありました。このときの失敗の原因の1つは、WACATE参加者のノリをそのまま課員に求めようとしたことでした。

 しかし、わたしの失敗談を聞いた別の方が「講師をやって失敗したことがない人は講師向けのセミナーでもテクニックしか身に付けない。失敗したことのある人は、テクニックうんぬんといったレベルではなく、本当の意味で教えるのがうまくなる」と、励ましてくれました。

 他の方ともお話ししましたが、モチベーションの高い仲間と一緒に、失敗を恐れずいろいろなことが試せるWACATEという場が大切なところであるという気持ちは同じでした。

 他にもテーマが3つほどありましたが、ひとつしか参加できなかったのがちょっと残念でした。わたしが参加したテーマのグループはお酒とお菓子をつまみながら気軽に話していましたが、中には資料片手に本気モードで勉強しているグループもありました。いやはや、恐れ入りました。

◇ ◇ ◇

 レポート第2弾はここまでです。次回はいよいよ、ワークショップの成果発表です。お楽しみに。

Comment(2)

コメント

組長

こんにちは。

カッコイイー!楽器が出来る方は本当に素晴らしいと思います。
バイオリンさんの雄姿を一目見たかったー★

ちなみに私、TM NETWORKはかれこれ20年来のファンでございます。笑

第3バイオリン

組長さん

コメントありがとうございます。

>カッコイイー!楽器が出来る方は本当に素晴らしいと思います。
>バイオリンさんの雄姿を一目見たかったー★

ありがとうございます(照)
私も、見てもらいたかったですね(Ustとかあればよかったのですが)。

>ちなみに私、TM NETWORKはかれこれ20年来のファンでございます。笑

そうだったんですね。
ディナーセッションでも、めちゃくちゃ盛り上がりました。

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