テストエンジニア時代の悲喜こもごもが今のわたしを作った

Macに恋して

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 こんにちは、第3バイオリンです。

 先月から、仕事でMacを扱っています。Macを扱うのは初めてなので戸惑いもありましたが、ようやくWindowsとの違いを楽しめるようになってきました。

 今回はMacを触って思ったことをお話します。Macユーザーの方にとっては突っ込みどころもあるかもしれませんが、軽い気持ちで読んでいただけたらと思います。

■リンゴの気持ちはわからない

 わたしが初めてMacを触ったのは今年の4月でした。今扱っている案件とは別の作業のため、Macのマシンを借りてきました。しかしWindowsに慣れているわたしは、ことごとくWindowsの常識が通用しないMacに翻弄されました。ネットワーク接続やプリンタドライバのインストールといった基本的なことすらわからず、情けない思いもしました。なかなか操作を覚えられず、「わたしはもう、年ですから!」と悪態をついて上司にたしなめられたこともあります。

 しかし、「なぜ覚えられないのか?」と考えてみたとき、心のどこかでWindowsが世の中のスタンダードだと思っていないか? それでMacを拒絶していないか? という疑問が湧いてきました。これは考え方を改めない限り、いつまでも翻弄され続けるなと思いました。

 そこで「よしわかった! きみの話を聞こうじゃないか」と、Macと徹底的に対話することにしました(本当にマシンに話しかけたわけじゃないですよ!)。Windowsと振る舞いが違うのは当たり前、むしろ違いを楽しんでみようと思いながら触ってみると、少しずつMacの世界が開けてきました。

 しかし、最初の作業は1週間ほどで終了し、Macとは仲良くなりかけたころにお別れすることになりました。それからしばらくMacのことは忘れていましたが、そんな折に今の案件にアサインされ、再びMacとのお付き合いが始まりました。

■プログラマの血は健在

 現在の案件の内容は、Macのアプリケーション操作の自動化を行うツールの動作確認です。このツールは評価で使用するために、外部に委託して造ってもらったものです。ツールを動かすためにはスクリプトファイルにコマンドを書き込んで実行する必要があります。スクリプト言語はもちろんAppleScriptです。

 製造元から納品されてきたサンプルスクリプトをさっそく実行してみますが……エラーが出ました。製造元でテストしたときはきちんと動いたらしいのですが、どこがおかしいのでしょうか。さっそくスクリプトファイルの中身を見てみました。Macについてほぼ初心者のわたしがなぜこの案件にアサインされたのか。理由はおそらく、評価部署にプログラム経験がありスクリプトを解析、修正できる(かつ、それほど忙しくない)人間がわたししかいなかったからだと思います。

 AppleScriptを見るのは初めてですが、別のスクリプト言語なら学生のころに少し触ったことがありますし、基本はそう変わらないはずです。これでも元プログラマです。出力したログを見ながらスクリプトを追いかけて、ようやくエラーの原因になっているコマンドを見つけました。そこのパラメータをいじってからコンパイルして実行すると、無事に動き始めました。

 エラーの原因を見つけて修正し、思い通りに動いたときの感動はなんともいえません! 眠っていたプログラマの血が目覚め、ひさびさにテンションが上がりました。

■恋と結婚は別?

 はじめてMacを触ってから約3カ月が経ち、ようやくMacがかわいいと思えるようになってきました。最初は「もうお前の顔なんか見たくもない!」と思ったこともありましたが、いつのまにか好きになりました。特にアプリケーション起動時に、Dockのアイコンがピョコピョコ跳ねるところがたまりません! しかし、好きだけど結婚(自宅用に購入)はないです。やっぱり仕事上のお付き合いだけでいいです。あれ? それって恋じゃないかも……。

 そうはいっても、いろいろなOSやアプリケーションを使わせてもらえるのはテストエンジニアの特権です。人だけでなくモノとの出会いも多いこの仕事は、やっぱりいいなあと思っています。

Comment(6)

コメント

あずK

凄くわかります。
社内の雑用的な作業で初めてLinuxを操作したときのことを思い出しました。

サーバ用途なのでCUIでしか操作できませんでした。
Windowsのコマンドプロンプトすらまともに使ったこと無いのに
LinuxのCUIなんてわかるわけもなく…。
「意味がわからん」とイライラしつつも、
そのLinuxサーバと自席を行き来してネットで調べまくったり
会社の近所の本屋さんでLinuxの逆引き辞典みたいなのを自腹で買ったりしました。

でも、そうやって調査・作業をしているときって、凄く楽しかったんです。

この件で完全にLinuxにハマってしまいまして、
もっとLinuxのことを色々と知りたいなあと思うようになり、
自宅にある古いPCにLinuxを入れて自宅サーバを作りましたし、
LPICの資格試験も取得しました。
あのときは完全にLinuxに恋していたと思います(笑)

> Windowsと振る舞いが違うのは当たり前、
> むしろ違いを楽しんでみようと思いながら触ってみると、
> 少しずつMacの世界が開けてきました。

「Windowsと違うのは当たり前」と割り切ったところが良かったのではないかと感じました。
自分のコラムを宣伝してるわけではないんですけど(笑)

第3バイオリン

あずKさん

>社内の雑用的な作業で初めてLinuxを操作したときのことを思い出しました。
Linuxは大学の研究室で使っていました。
私は本格的にコンピュータを使い始めたのが大学に入ってからだったので
サーバとかクライアントとか言われてもよくわからず、
夏休み前に電源を落としたり、休み明けに電源ONにしたりするときに手順を間違え、
ファイルサーバにアクセスできないという不始末をやらかしたことがあります(汗)。

>でも、そうやって調査・作業をしているときって、凄く楽しかったんです。
わからないことがわかるようになる楽しさってありますよね。
私も初めて見るMacのインターフェースのかわいらしさに驚いてみたり、
Macに詳しい人に聞きにいったりしたおかげで知り合いが増えたりして結構楽しませてもらいました。

>自宅にある古いPCにLinuxを入れて自宅サーバを作りましたし、
>LPICの資格試験も取得しました。
>あのときは完全にLinuxに恋していたと思います(笑)
それはすごいですね。
私も最近は本屋に立ち寄ると、Macの本や雑誌が気になるようになってきました。

荒川淳

実はMacに恋(完全な片思い)してます。笑
仕事はもっぱらWindowsですが自宅用にMacを購入予定なのです。(ローン地獄から解放されたらですが笑)

>人だけでなくモノとの出会いも多いこの仕事は、やっぱりいいなあと思っています。
私はまだWindowsしか触れたことがありませんが、たくさんの技術と出逢って感じる『ドキドキ』って本当に素敵ですよね!
戸惑うこともたくさんありますが入社して2年目で、毎日がその瞬間に出逢えて楽しい仕事だと私も感じています!

TETU

元サポートエンジニアでプログラマです。
何となく気持ちがわかります(笑)

常に新しい「もの」に触れ続けることは重要だと思います。
いつも慣れたものばかりだとカンも鈍るし、なんといっても「マニュアルを読む」ことの重要性を思い出させますからね(^.^)/

自分は、Windows(ver3.1の頃から)からLinuxもろもろを仕事で使っていて、あまりにもトラブルが多いので嫌気がさして、家ではマックを使ってます(笑)

第3バイオリン

荒川さん

コメントありがとうございます。

>仕事はもっぱらWindowsですが自宅用にMacを購入予定なのです。
お、いいですね。
私もコラムでは仕事だけでいいと書きましたが、2台目のマシンとして買ってもいいかなとも思い始めています。とはいえ、2台目のPCの必要性がそれほどなかったりするのですが・・・。

>戸惑うこともたくさんありますが入社して2年目で、
>毎日がその瞬間に出逢えて楽しい仕事だと私も感じています!
私は2年目くらいのときは新しく覚えることが次々出てきて、楽しむどころではなかったように思います。
だから、2年目で楽しむ境地に到達できた荒川さんは幸せですよ。ぜひ、その気持ちを忘れないでください。

第3バイオリン

TETUさん

はじめまして、コメントありがとうございます。

>常に新しい「もの」に触れ続けることは重要だと思います。
そうですね。たまには新しい風を取り入れることも大切ですね。
同じものばかり触っていると、そのものの良さも当たり前になって気がつかないことがありますからね。

>自分は、Windows(ver3.1の頃から)からLinuxもろもろを仕事で使っていて、
>あまりにもトラブルが多いので嫌気がさして、家ではマックを使ってます(笑)
けっこういろいろ使ったことがあるのですね。
Macはコアなファンが多いOSですが、トラブルが少ないというのも理由のひとつなんでしょうか?

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