テストエンジニアは地球を救う!?
こんにちは、第3バイオリンです。
4月22日は「アースデイ」です。簡単に説明すると、地球環境について考える日です。
ここ数年の間に、地球温暖化による環境の変化は深刻なものになってきました。それに伴い、わたしたちの日常生活にも「エコ」という言葉がずいぶん浸透してきました。IT業界でもEMS(環境マネジメントシステム)やグリーンITへの関心が急速に高まっています。
そこで本日はテストエンジニアとして、地球環境のためにわたしに何ができるかを考えてみたいと思います。
■EMS目標 = 品質改善?
わたしの会社にはEMSのワーキンググループが存在します。4月のはじめに、今年度のEMSの目的と目標が発表されました。
わたしが所属する部署の目的は「地球温暖化と資源枯渇の防止」です。ここまでは普通ですね。
その目的を達成するための目標が「失敗コストの減少と開発プロセスの改善」……って、あれ? 品質マネジメントの目標と間違ってない? あわてて資料を見直してみましたが、間違いではありませんでした。
しかし、どう見てもこの目標は品質改善そのものです。品質改善とEMS、一体どんな関係があるというのでしょうか。
■これまでのEMS目標の限界
IT業界に限りませんが、企業のEMS目標として真っ先に思い浮かぶのは「コピー用紙や電気の使用量削減」ではないでしょうか。
実際に、わたしの会社のEMS目標も去年まではそんな感じでした。
具体例として、コピーするときは両面印刷やN-Up印刷を活用する。使っていない会議室の照明はこまめに消灯する。昼休みにはPCモニタの電源をオフにする。空調の温度は上げすぎず、下げすぎず適温をキープする、などが挙げられます。
企業によってはクールビズ、ウォームビズを取り入れているところも多いのではないでしょうか。もっとも、わたしの会社は何年も前から私服OKで、ドレスコードも特にないので、今さらクールビズもありませんが。
しかし、単純に用紙や電気の使用量を減らすだけの目標は、数年も続ければ行き詰ります。なぜなら、減らせる量はだんだん頭打ちになっていくからです。
極端な話、用紙や電気の使用量をゼロにすることは不可能です。
普通に仕事をしている中で用紙も電気もこれ以上節約できない、というところまで来てしまったら、次は何を目標にすればいいのでしょうか。
そう、次の目標こそ品質改善です。
■品質改善とEMSの関係
ここで品質改善がEMSとどう関係するのかを考えてみましょう。
まずは「失敗コストの減少」について考えます。ここでいう失敗コストとは、失敗したプロジェクトの後始末にかかるコストのことです。
わたしの会社は主にプリンタドライバを作っています。
そこで、仮にドライバのリリースミスによって再テストが発生したとしましょう。いうまでもないことですが、プリンタドライバのテストでは何十回もの印刷を実行します。
そのため再テストを実施するということは、印刷に使用する用紙と、プリンタや複合機を稼働させるための電気を余計に消費してしまうことになります。
さらに、再テストのために残業をすれば、照明や空調、PCの電気もまた消費してしまいます。この用紙や電気は再テストさえなければ使う必要はなかったはずです。まさに資源の無駄遣いといえるでしょう。
失敗コストを減らすことは、この無駄遣いを減らすことにつながります。
次に、「開発プロセスの改善」について考えます。開発プロセスがうまく回っていないと作業が滞るようになり、場合によっては残業が発生することもあります。
もちろん、すべての残業が不要とはいえませんが、作業が効率よく進まないために残業が発生する、というのはよくないことです。
そこで、開発プロセスがうまく回るように改善し、作業を効率化して残業を減らすようにします。残業が減ると、資源の使用量は今よりもっと減るはずです。
以上のことから、失敗コストの減少は資源の無駄遣いの防止、開発プロセスの改善は資源の使用量の削減につながると考えられます。やはり品質改善はEMSと関係があるといえますね。
■テストエンジニア、地球環境に貢献します!
地球環境に貢献するために、品質改善が有効な手段のひとつであることがわかっていただけたかと思います。
そして品質改善といえば、テストエンジニアの仕事に大きく関わるものです。
テストエンジニアは通常のテストの合間に、テスト作業自体を効率的に行うにはどうすればいいか、再テストが発生しないようにバグを取り切るためにはどのようなアプローチをすればいいかを常に考え、実行しています。
そうすると、テストエンジニアの仕事は地球を救うこと、といえるかもしれません。なんだか正義のヒーローみたいです。かっこいい!
テストエンジニアが地球の未来を救えるかもしれない。そんな夢(妄想?)を見てみると、また仕事がちょっと楽しくなりました。