「翻訳こんにゃく」実現化への途中報告
不朽の名作ドラえもんの中に出てくる「翻訳こんにゃく」が、まもなく実現化出来そうなので、今回はその途中報告をします。さすがに「翻訳こんにゃく」を知らない方はいないと思いますが、念のために簡単に説明をしておきますと、このこんにゃくを食べるだけで英語などの外国語をはじめ、古文書や壁画が読めるようになり、さらには宇宙人とも会話が出来るようになる、夢と希望がつまったこんにゃくです。
ぼくは子供の頃、藤子・F・不二雄先生の想像の世界に胸を躍らせていました。そして大人になり、英語の世界に触れるようになってからというものの、心の底から「翻訳こんにゃく」が欲しいと思うようになっていったのです。特に外資系に入社してからはその必要性が顕著となりました。というのも、ぼくは英語が大の苦手なのです。。。それならば、いちエンジニアとして、「翻訳こんにゃく」を作ってみようと思い至ったわけです。今回はその途中報告をします。
ただし前提条件として、日英の翻訳に絞ります。なぜならば、ぼくは宇宙人に出会ったこともなければ、壁画を読むこともないからです。一番実用的なものに絞ることにしました。
「翻訳こんにゃく」実現化その1 和訳技術(英訳技術)
「翻訳こんにゃく」実現化の最初の課題は和訳技術ですが、この技術はだいぶ整ってきていています。今ぼくは和訳をしたい時には、google翻訳にお世話になっておりますが、一番最初にお世話になっていたのはエキサイト翻訳でした。2000年代はエキサイト翻訳の一択だった気がします。当時の翻訳レベルはそれはひどいものでしたが、辞書で単語を調べる時間を思うと夢のツールでした。当時の自動翻訳技術はそんなレベルでしたので、google翻訳に出会った時には感動で震えました。しかしまだ完璧には程遠いです。天下のgoogleを持ってしても、それだけ言葉の翻訳は難しいということなのでしょう。
しかしつい最近、google翻訳に出会った時以上に感動した、ある翻訳サイトの存在を知りましたので紹介します。「DeepL翻訳」です。詳細な説明は割愛します。リンクを張っておくので使ってみて下さい。使ってみれば、ぼくの伝えたいことが伝わると思います。基本無料です。登録も不要です。(いまのところ)
簡単に説明だけしておきますと、DeepL社は、ディープラーニング(深層学習)を軸に、言語向けの人工知能システムを開発している会社で、翻訳サービスは、2020年3月下旬に日本語対応となりました。来日ホヤホヤです。個人的には、このニューカマーの誕生によって、業界の勢力図にも影響が生じるのではと思っています。そのくらい凄いサービスです。
参考記事:「DeepL」が想像以上に使えるので、本格的に英語の勉強を諦めた件
「翻訳こんにゃく」実現化その2 合成音声
和訳技術で翻訳された文字を音声に出来れば、会話の実現化が見えてきます。今ぼくが合成音声技術として注目しているのが、amazon pollyです。原文をほとんど手入れしなくても、文字をそのまま読んでくれます。よくある棒読みではありません。強弱をつけてくれるので自然な感じで聞き取ることが出来ます。参考までに以下のリンクを張っておくので聞いてみて下さい。
「蜘蛛の糸」 〜あるITエンジニア編〜 (リンク先:youtube)
先程は、「手入れをしなくても」と伝えましたが、音声合成マークアップ言語(SSML)というHTMLタグのような音声合成専用のタグを使えば、より人間らしい音声にチューニングすることも可能です。例えば、息継ぎやイントネーション、ささやき音声に変更するなど、さまざまな合成音声を操作出来るようになります。
ちなみに、英語版ではニュースキャスターが原稿を読むレベルにまで流暢に喋ります。また、エフエム和歌山では、24時間、災害情報を再生する無人放送を実用化しています。
「翻訳こんにゃく」実現化その3 音声認識
話した言葉を一旦文字に変換するのも、「翻訳こんにゃく」の実現には必要なピースとなります。これはgoogle音声入力を使えば良いです。ぼくはコラムを書くときも、よく利用しています。そのおかげで、ぼくは1本のコラムを書くのに大体30分程度で済ませています。いちおうこの業界で生きているので、ブラインドタッチスピードは早い方だとは思ってますが、さすがに音声入力のスピードには勝てません。この機能も無料で活用できるので、興味のある方は試してみて下さい。
googleドキュメントを利用すれば、[ツール]の中に[音声入力]がありますので、今すぐにでも使えると思います(マイク認識はONにしておく必要があります)。たまに誤入力があるので、ときどき手動で変換してやる必要はありますが、これも時間の経過と共に精度が上がってくるでしょう。現時点でも十分に使えるレベルに到達していると思います。気になる方は以下の記事を参照なさって下さい。
参考記事:Googleドキュメント音声入力機能が神ツールだった件
ここまで紹介してきた3つの技術を組み合わせれば、翻訳の部分は出来上がります。
1.日本語音声→日本語文字(google音声入力)
2.日本語文字→英語文字(DeepL翻訳)
3.英語文字→英語音声(amazon polly)
4.英語から日本語は、その逆でいける。
上記の3つの技術を駆使すれば、翻訳技術は会話レベルで活用できると言えるでしょう。
「翻訳こんにゃく」実現化その4 こんにゃくへの技術搭載
「翻訳こんにゃく」実現化への最後の課題は、上記3つの技術をこんにゃくへ搭載することです。商品名の半分以上はこんにゃくで占められてますから、どうしても省けない工程ですし、なによりF先生へのリスペクトが薄れてしまいます。しかし、現時点で実現可能な技術は見当たりませんでした。残念ながら頼りのgoogle先生も「( ゚д゚)ポカーン」って言ってます。そもそもITエンジニアが解決すべき課題なのかもよく分かってませんが、ぼくの頭の中身だけでは実現化は無理なので、もう少しこの分野での技術が追いつくまで待つことにします。
というわけで、翻訳こんにゃくはまだ完成していませんので、今回は途中報告となりますが、上記で紹介した3つの技術を駆使すれば、会話レベルの翻訳までなら可能だと思うので、こんにゃくへのこだわりがない方は、今すぐにでも活用してみて下さい。こんにゃくへの技術搭載の実現化にはもう少し時間が掛かりそうなので、ぼくはその日が来るまでは「テキオー灯」の実現化計画に着手することにします。
コメント
匿名
deepl使ってみます。