ツレがショートカットキーをフル活用してドヤってました
IT業界で仕事の効率化の話をすると、ショートカットキーの活用の話で盛り上がる事があります。エクセルやWindowsのショートカットを覚えることで、マウスでゴネゴネやるよりも効率よく時短できるというカラクリです。時にはコンサルの仕事術としてもショートカットキーの活用が紹介されることもあるので、意識の高い若いエンジニアには食いつきの良いネタなのかなと思いますが、それについてちょっと思うことがあるので、今回のコラムにしたためます。
先に断っておきますが、ショートカットキーは1つでもたくさん使いこなせたほうが圧倒的に時間効率の観点で有利になります。その事に関してぼくも賛同してます。ではなにが気になっているのかと言いますと、ショートカットキーの活用は仕事の本質ではないんだよと言いたいのです。ショートカットキーを活用することで作業時間の短縮に貢献出来る事は間違いありませんが、節約できた時間を何に使うかの方がはるかに重要です。節約できた時間を更に別の作業に割り当てたところで誰からも評価されません。
本題に入る前に、「仕事」と「作業」の違いを把握しておく必要があります。詳しくはこちらの記事を読んで頂きたいのですが、簡単に説明すると、新しいアイデアの創出や、プロセス改善、トラブルの根本解決などは「仕事」です。一方、資料作成やパフォーマンスの確認などが「作業」です。高年収にこだわるのであれば、「仕事」の比重を高める必要があります。ショートカットキーの活用は「作業」に作用するのであって、本来の仕事の本質にはなんの作用もしません。工夫をして「作業」時間を削減することが出来たのならば、その節約できた作業時間を、本来の仕事の時間に割り当てるのです。ここまで意識をして、はじめてショートカットキー活用による時短に価値が生まれます。
ショートカットキーの活用は作業時間を削減するための1つの手段であって、仕事の目的ではありません。作業時間の削減ならば、RPAによる自動化でも良いし、べつにマクロでも構いません。音声認識がいまよりも賢くなれば、資料作成などはロボットと会話しながら共同作成する時代がくるかもしれません。ある程度の体裁ならば自動で整えてくれるようになれば、ショートカットキーすら覚える必要がなくなります。これからの時代は、ロボットが作業時間の効率化を考慮してくれる時代になると思います。
しかし、どんなに時代が進んでも、本来の仕事の本質部分だけは人間が頑張るしかありません。本来の仕事とは、アイデアを創造することや、他者と調整することであり、この領域はロボットが一番苦手なのです。もちろんショートカットキーをフル活用しても、アイデアの創造や他者との調整は出来ません。ロボットが苦手な領域にこそに仕事の本当の価値があり、われわれ人間が多くの時間を割くべき領域だと思うのです。ショートカットキーをフル活用してドヤ顔で作業ばかり頑張ってる同僚を見て、なんとなくコラムのネタにしてみました。
コメント
たいき
時間の使い方が下手な私にとっては非常にわかりやすく、そしてショートカットを応用してみたくなりました。
勝ち逃げ先生
たいきさん
ぼくはあえてマウスを使わずに作業するときがありますよ。はっきりいって時間効率は悪くなりますが、頭の体操にはなります。ぼくも時間の使い方が下手くそですが、といっても我々は人間なんでね。効率化ばかり追求してもつまらんのです。