探してます!うちのロボ知りませんか?
うちのロボ知りませんか?「タマ」じゃなくて、「ロボ」を探してるんです。ユーザーが作った「ロボ」がどこで動いているのかが全く分からんのです。。。
近いうちにこういう日が来るでしょうね。あちらこちらに野良ロボットが点在してしまい、全く管理が出来なくなる日が来るでしょう。へたに駆除すると業務が止まるなど、致命的なダメージを負いかねません。掃除に出かけたルンバが帰ってこない程度ならかわいいもんですが、サーバー空間内に溶け込んだロボットを見つけ出すのは困難を極めます。今回は、そんな時代だからこそ人とロボットが共存していく話をしていきたいと思います。
野良ロボ問題の本質
「野良ロボ問題」とは一言で言うと、人手不足の救世主だったはずのRPA(Robotics Process Automation)が、誰も管理されていない状態で量産され、むしろ業務の邪魔じゃね?って問題です。
自動化のメリットばかりに目を奪われてRPAを作ったものの、いまひとつ効果が出ることなく、また試行錯誤しながら新たなRPAを量産し続けます。効果が出なかったRPAをすぐに削除するとか、管理下に置いておけばまだ良いのですが、作った人間以外そのRPAの存在を誰も知らないという事態が発生します。そして、作成者が部門異動したり退職をしたら、完全にブラックボックス化してしまいます。データ操作も何もしていない人畜無害な野良ロボットならばまだいいのですが、中途半端に業務プロセスを噛じったRPAの場合、ほんとに始末に負えません。
野良ロボがクソVBAより手に負えない本当の理由
先に言っておきますが、ぼくはVBA信者です。VBAは神です。愚かなのは、ろくにVBAすら取り扱うことが出来ない我々人類の方だと思っています。(気が向いたらVBA肯定記事でも書きましょうかね。)そういう意味では、野良ロボット問題もクソVBA問題も本質は同じです。しかし、野良ロボットの方が手に負えない決定的な理由が2つあります。
・自動化出来る範囲がパソコン全般に渡る
VBAはエクセルまたはマイクロソフト製品の領域を超えることはありませんでしたが、野良ロボは違います。エクセルはもちろん、webだろうが、他のアプリだろうがお構いなしです。メインフレーム(ホスト)内に入り込むことだって可能です。本気でやろうと思えば、本番DBのデータを直接触ることも出来てしまいます。これがどれだけ恐ろしいことなのか?便利とリスクは正の相関関係にあります。我々人類は本当の怖さに目を背けているのが真実なのだと思います。
・プログラミング知識がなくても量産出来てしまう
なんだかんだでVBAはプログラミング言語でした。簡単に習得できるとはいえ、一定のプログラミング知識がないと構築することは不可能な為、誰でもおいそれと作ることは出来ませんでしたが、RPAはその垣根もぶち壊してしまいました。ユーザーインターフェースに優れたRPAをちょいとゴネゴネするだけで、自動化ロボットが出来てしまいます。とても便利ですね。しかし上述の通り、便利とリスクは正の相関関係にあります。よくよく考えたら恐ろしい話です。現場は良かれと思って量産します。人によっては評価を期待して量産する人もいるでしょう。そして効果が出なかったものは、次々と放置されていくのです。
実は、根本的な解決方法は無い
RPAを管理出来ないことが問題の原点なので、RPAを管理出来さえすれば、諸問題は解決するような気がします。しかし、現実はそんなに甘くありません。便利なRPAを現場は勝手に量産するでしょうし、管理部門はそれを止める正当な理由が見当たりません。どうみても正義は現場にあります。
現状でさえプログラムと仕様書が乖離している状態なのですから、アナログ的な管理ではすぐに破綻するでしょう。かといって監視ロボや巡回ロボなどの便利なツールには別途コストがかかります。そしてそれらのツールは、便利であるほど高価になります。こうなると本末転倒になる可能性もありますね。カオスです。
飼うのなら最後まで面倒を見る。ペットもロボも同じ
人手不足の救世主として、業務のRPA化は止められない流れだと思います。かといって野良ロボ問題に決定的な解決策があるとも思いません。結局のところペット問題と同じです。ペットを飼うのであれば最後まで面倒を見なさいとACジャパンが言ってました。全くそのとおりだと思います。きっとロボットも同じです。作ったのなら最後まで面倒を見る。後任者にきちんと引き継ぐ。管理者にきちんと引き継ぐ。ロボットと共存していくには、そんな当たり前の事を地道にやっていくしか無いのかもしれません。
大人気映画ターミネータでは、ロボットが反乱を起こして人間と戦うシーンが描かれていますが、既に小さなロボットたちが反乱を起こしているような気がしてなりません。そして全ては人間の不始末が原因です。これからのシステム管理者は腕の見せ所ですな。