健康について第62回 本当の健康法とは(2) 健康になる「自由」
お世話になります。龍澤と申します。
今回は、前回の続きについて書きます。
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前回のポイントは2つありました。1つは、鉄板の健康法というのはすでに出そろっており、しかもあまりに鉄板であるがゆえに、それに対する反論ももはやない、という状況にもかかわらず、多くのIT業界の人々は、健康法を実践しないという事実。および、それはなぜか? ということ。
もう1つは、鉄板の健康法があるにもかかわらず、人々はぽっと出のセンセーショナルな健康法に飛びつくわけですが、それはなぜか? ということ。
2つめについては、「なぜ」のポイントがさらに2つに分かれます。すなわち、「なぜ我々が怪しい健康法に飛びつくのか?」と、「なぜこの国では雨後の筍のように健康法が後から後からわいてくるのか?」ということです。もはや鉄板の健康法は出そろっているにもかかわらず、です。
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前回も書きましたが、この疑問を解決することはイコールこの連載「IT業界を生き抜く健康生活~健康について」が終焉に向かうということです。
#「やっぱり解決できませんでしたー」という結論になっても、それはそれで終焉なのですが(汗)
それほどまでに、この2つの疑問は根本的であります。ですので、慎重に話を進めてゆきたいと思います(今回は1つめの疑問についてのみ書きます)。
でも……改めて考えてみると、この2つの疑問はあまりに根本的ですよね。健康法がどうのこうの、という枠を、軽々と超えています。いっそのこと「現代日本人論」と銘打ってもいいのではないかと思うぐらいです。
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1つめの「なぜやらないのか?」はカンタンです。
と、その前に、「鉄板の健康法は出そろっているのに、なぜやらないのか?」なんて問題提起されても……「そんなの余計なお世話だ! オマエに言われたかない」と思った方、多いのではないでしょうかね。
ずっと書いてきているとおり、この連載における私のスタンスは、“Let's”あるいは“Shall We?”です。すなわち、「(一緒に)健康になりましょう!」あるいは「健康になりませんか?」と。
命令形、すなわち強制ではありません(あらためて、いうまでもないことかもしれませんが)。
そして、私が“Let's”あるいは“Shall We?”と問いかけたいのは、現在のご自身の生活習慣・食習慣を鑑みて、ほんの少しでも「変わらなきゃ……」と思っている方、思い始めている方が対象になります。
生活に新しい変化を生み出そうと(カイゼンしようと)しているのであれば、ぜひその気持ちを大事にしていただきたいです。
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私の狭い交友範囲での話ではありますが、IT業界に棲息しているほとんどの方は現状に満足はしていませんし、向上心があります。
他の業界の方と比べて、「現状維持でいいや」と考えている方の比率は、とても少ないと思うのです(すばらしいことです)。
その理由は多分に、いわゆる「ドッグイヤー」であるこの業界の特質により、我々は常に最新技術に追い立てられているから、という見方もあるでしょう(現状維持と考えている時点でおいていかれる)。
それをネガティブにとらえるのも、「おかげで常に向上心をもっていられる」とポジティブにとらえるのも、自由です。
忘れないうちに一旦まとめておきますが、IT業界における「本当の健康法とは?」の1つの回答は、これです。きっかけが強制的であろうとなかろうと、常に向上心を持つこと。「IT業界は、常に自分に向上心を与えてくれる」という考え方にシフトすること。
これが、大前提というか、「本当の健康法」への入り口になります。
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具体的には、もっと大きなプロジェクトに参画したい、最新の技術に詳しくなって自分の単価を上げたい、プロマネとなってプロジェクトを成功に導き、名を上げたい、コンサルとなって最上流から提案したい、もともと得意の技術をさらに極めたい、などなど……
向上心を、現実的に結果として結実させるアプローチは、IT業界にはたくさん転がっています。そして、あまり知られていないことですが、IT業界は結構努力次第でどうとでもなります。天賦の才がほとんど必要ない。文系も理系も分け隔てなく受け入れる、それなりに機会平等な社会です(もちろん、結果は平等ではありません)。
そして、そういうポジティブな向上心と並行して、「忙しすぎ!」「コミュニケーションの問題でストレスが……」など、不満や問題を抱えていらっしゃる方がほとんどです。
ここで、「健康法」の出番となります。向上心を持っていても、あるいは目標達成のために実際に仕事を頑張ったとしても、忙しすぎてストレスがたまりまくりでは、体調を崩してしまって望む結果をゲットできないのです。
つまり、IT業界においてモチベーション高く仕事している方、これからもモチベーション高く仕事をしていきたいと願う方は、自分なりの健康法をゼッタイに持たなければならないのです。
自分なりの健康法を持たなければ、残念ながら、志半ばにして倒れることになりかねません。
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ここで、前回書きました「鉄板の健康法」についてあらためて以下におさらいします。
- 早寝早起きする
- 野菜を食べる
- 日光にあたる
- 朗らかに暮らす
読んでいただければ分かるとおり、一見、IT業界とはまったく相いれないこれらの健康法について(これを読んであらためて「苦笑」された方は多いのでは?)、生活に新しい変化を生み出そうとされている方は、どう考えるか?
変わろうという意志のある方は、変わろうという意志を持っていなかった頃と比べて、これを見て感じ方が変わってくるはずです。
具体的にいえば、ネックになるのは1番目だけなのです。
早寝早起きというのはなるほど、かなり難しい。でも他は、カンタンに実現可能です。IT業界に棲息している人間は、野菜を食べる自由がある。日光に当たる自由がある。朗らかに暮らす権利を有している。
誰もジャンクフードを食べることを強制していない。誰も日の当たらない場所で仕事をすることを強制していない。誰も不機嫌に暮らすことを強制していないのです。
早寝早起きが難しいのであれば、徹夜明けに朝日を見に行けばいいのです(笑)。それが自由ということです。
少し(いやかなり)脱線してしまいましたが、キリがよいところでいったん切って、次回に続けます。読んでいただきありがとうございました。