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健康について第45回 「現役感」

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 お世話になります。龍澤と申します。

 第43回の内容について、近しい人たちから反応があり(いつもはないんですけど)、その反応について考えたことが直接的に「健康」というトピックにつながらないような気がしたので、別途お世話になっている「ブロガーズ・ネットワーク翼」に投稿しました。

 その「翼」に書いた内容(こちら)についてもうれしいことにいくつか反応をいただきまして、また投稿先をこっちに戻してきた感じです(今回は「健康」に関連すると思いますので)。

 僭越ながら、皆様の反応のおかげでかなり「エンジニアと健康」というそもそもの主題の核心にタッチしつつあると思っています。

 さて、私ぐらいの歳の人間(いわゆる「アラフォー」ということにしといてください)はほぼ100%、昔バリバリ仕事していた頃を懐かしむ風潮があります。

 それはつまり、バリバリと「エンジニアをやっていた」頃、ということになります。

 いわく、「昔、3徹した」「ぜんぶのシステムが止まる大トラブルで」「昔喧々諤々の議論したお客さんが、今では社長で」「昔はツールがなくて全部自分でつくったもんだ」「日経コンピュータにも出て」などなど。

 大手SIer付近の駅前の居酒屋では、連日連夜オジサン連中(私もです……)からこのようなネタが発せられ、吠えていらっしゃいます。

 なぜ「懐かしい」という感情になるかといいますと、ほとんどの人たちはもはや現役じゃないからなのですよね。あるいは現役じゃない「と思っている」だけかもしれませんが。

 そして、今の仕事(管理系や役職付、起業して社長になったとか、あるいはコンサルタントに行った方もいるかもしれませんが)がはっきりいってつまらなくて、とにかく、その頃に戻りたいと思っている(ことが多いように見えます)。

 ビジネスの世界に飛び込んで、バリバリのエンジニアをやっていた頃がわれわれにとっての「青春」にあたるわけですね。

 私も正直なところ、若い時分の仕事を懐かしんでいることもあります。たまに。

 でも、青春をいつまでもいつまでも懐かしんでいるのは「退行」に近いと思っています。私の場合、懐かしんではいますがどっぷり浸ることはなく、逃避することなく今の現実(リアル)と対峙できているという自負があります。

 「」の方に書きながら振り返ってみてあらためて分かったのですが。私はとある時期から「健康を取り戻したい」と強く考えるようになったのですが、その理由は「現役に戻りたいから」だったのだなあ、ということをやっと理解しました。

 健康を取り戻したからといって、「バリバリな仕事」にふたたびアサインされるかどうかは分からないけど、まずは健康を取り戻さないことにははじまらない。身体的に、若い人たちと同じか、それに近いスタートラインに立たないと、若い人たちと競争させてもらうことすら、できない。

 われわれ世代が、健康的なライフ・スタイルを確立さえすれば、われわれの持っている過去のナレッジの蓄積、および現在保有しているいろいろな「コネ」と有機的に結びついて、今のバリバリ現役の人たちにも「勝てる」という確信があります。

 これは、私個人の話ではなくて、われわれ世代の総体として(「勝てる」)、ということです。

 現役世代はまだ「健康」についての目覚めがないから超・不健康なわけですが、まだまだ無理がきくので、勢いで仕事をできます(われわれもそうでした)。でも彼らは、身体を「調える」ことにより生産性が向上するという事実を知らない。あるいは、うすうす知っているのかもしれませんが目を背けています。という意味で、われわれ世代はチャンスなのです。

 でもまあ、内輪で勝った負けたをやっていても、しょうがないのです。狙いとしては、世代間で切磋琢磨して、業界全体の地力を底上げすることにあります。

 われわれがなぜ、年齢とともに管理職やらなんやらに「追いやられる」必要があるのか? というそもそもの疑問が、ふつふつと湧いてきたわけです。別に、年齢関係なくエンジニアの層が厚みがあった方がよいではないですか(日本は技術立国になるのでしょう? であればエンジニアはますます増えていかなければなりません)。

 下が台頭してきたからといって上が引退する義務はないのです。上が残っているからといって下の成長を妨げるということもないはずです。むしろ上が残っている方が良いことも多々あるはずです。

 エンジニアリングの実力(知力体力コネクション含めた、総合力)があるのであれば年齢は関係ないじゃないですか。プロアスリートと同じで、実力がすべてでよいではないですか。定量的に判断してエンジニアリングの実力がなくなったら初めて、管理職やら閑職に追いやってくれればよいだけの話で……

 俺の方が現場でやれるのに、まだ若手には負けないのに、と強く思っている人、というか自己評価だけじゃダメですが、自他ともにそう思われている人は、現場に戻してあげればよいのです。そうすれば皆がハッピーになれるのです。

 この国の技術力が相対的に低下していったのはここに原因があるのでは? と思うのです。つまりは「適材適所が崩れている」ということですね。

 でも……

 おそらくこの国では、管理職になるイコール「昇進」であり、同時に給料も上がるケースが多いのでしょう。であれば、そろそろ家庭を持って…家のローンもあるし…ということになるとどうしても昇進昇給は魅力的になってきます。そしてちょうど同じ時期に、エンジニアの無茶な仕事のサイクルにも疲れてくる頃で……早く家に帰って子供の顔を見たいな、とか。 

 それも、すごく分かるのですけどね。でも、まずは一家の大黒柱としての父親がやりたい仕事をやれるというのが家族にとっても一番だと思いますし、父親の「健康」という面でも一番効果的だと思うのです。

 まだ書ききっていないのでもう少し続けます。読んでいただきありがとうございました。

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